あかるく　たのしく　はずかしく

出逢ったときのことは
不思議とおぼえてないけど
心のなかのたりないピースが
ぱちん
かろやかな音をたてて
小気味よくはまりこんだ
そんな感覚をおぼえた瞬間のことは
心に残ってる
たしかうち　そのとき　こんなこと言ったね
ごめん　いま　しあわせ

どんな苦しきときでも
なんかしらんけど
へらへらしてると
深刻ぶってないと
誤解されるうちら
ほんとは不安で不安で仕方がないし
強がってるわけでもないのに
笑うどころか
立って歩く余裕すらないのに
そんなとき　それをわかってくれて
こんなへらへらに助けぶね
そのうえ　苦しいのにへらへら同士で
生きていこう　支えあおうとしてくれる
そんなあなたのことが
ちゃんというのははずかしいけど
ほんとうに大好きです

心のなみうちとうねりとが作った
いびつな心臓破りの坂を
うちら自身でかけあがりかけおりる
とろくさいジェットコースターの日々で
片手サイズの夢すら
もてあそぶ時間すらないけど
凪とでもいうべき日には
西日をあびたりして
夜風をあびたりして
なんでもないことを
なんでもなくしゃべりながら
あなたとすごすのが
うちにとっては大事な時間です

仕事が終わって帰ったら
冬の電線の小鳥のむれみたく
六畳一間でぴたっと身を寄せあう
そんなすがたはたぶん
うちら以外から見たら
すごくなさけないはず
でも
はずかしくても
人は生きてゆくし
はずかしくても
いつか愛を語らなきゃいけない
うちにもあまり涙を見せないあなた
これでも泣いてるほうだよというけど
もっと泣いてもいいと思う
うちがあなたの倍以上
あなたに泣きつくからとかじゃなくて
たってぶっちゃけ　はずいのが人間だから
ひとしきり泣いたらパンたべよ
きのうは甘いバターのパンだったから
きょうはポン・デ・ケージョにしよう

あなたには言ってなかったけど
うちらふたりのキャッチフレーズ
勝手に心のなかできめてます

あかるく　たのしく　はずかしく