ふわふわしている

ぼくらのなかみはたぶん
ふわふわしている
そしてそとづらも
タオル地のように
ふわふわしている

圧されればへこんで
離せばぼわっと戻る
叩けばほこりが出て
日なたに干せば
ふくれていく

あやふやで軽く
弾力はたしかで
抱きしめると
はりのあるふわふわで
寄りそい返してくる

やわらかく
圧をたたえ
やわらかく
のびちぢみするタオル地
綿はそのなかで
誰かから抱きしめられるのを
きっと　ずっと
待っている

綿をつつむタオル地も
タオル地ごと綿を
抱きしめる誰かも
ひとつのかたちを
あたえてくれる

うたがい　いさかい
にくしみ　うらやみ
こわばり　つよがり
おそれと　さびしさ
そういった身構えを脱ぎすてた
ぼくらの中身は
きっと　もっと
ふわふわしている