耳をすますと
遠くから
空のほどける音

目覚めたわたしは
心の中でほどく
その音を ひとり

あらゆるものをほどく
あらゆるものはいつか
ほどかれなければならない

ほどくのが答えなのではない
ほどくことが
ひとつの問いなのだ

あらゆるものはほどかれる
あらゆるものにほどかれる
問いの地平へむかって

しかし
ほどくことで何かを問うときに
ほどいた果ての答えなど
探されていない

ほどかれざるものを
ほどきつづける
そのリズムはいつか
鼓動と手をつなぐ

目をとじると
内側から
わたしのほどける音

ほどかれた空は
見知らぬ色でさそう
わたしを あの地平へ

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