びびりをせんとや生まれけむ

やる理由はスルーするくせに
やらない理由は二秒で見つけるいくつでも
確たる意志もないのに動きたくなさが
かたい石のように足腰をかためてしまうのです
石の上にも三年とはいうけれど
わたし自身がもう石です

やる気がないんじゃないんです
失敗したらどうしようどうしようもない
そんな不安と出不精が
うっかりはちあわせた結果です
予期せぬものぐさ太郎の印籠ひかえおろう
自家薬籠中の化学反応なら
自家中毒のうちにひれ伏すしかないのです

かと思えば びびったあまりの大胆な行動
集団行動のできないレミングのようにひとり
タイミング悪くハプニングに襲われて
追いつめられたあげくフライングするように
目をつぶって全力で駆けて危険にダイビング
怯懦の戸惑いと窮鼠の血迷いの間で
ハミングする余裕もなくきりきりまい

びびりと粗忽でできたわたしにも
こころの底に怒りくらいはあります
荒れた海に錨を投げおとしても
怒りが錨をその場にとどめず流してしまう
怒りに流されるな 百も承知ですが
怒りを流したのもまたわたしなのです
とはいえ
怒りの雨 のち ひかりが降るでしょう
怒りとひかりは一文字ちがい
だから びびらずあせらず待つ時間を
少しだけわたしにわけてください

びびりとあせりにしがみつきながら
怒りがひかりに変わるまで待つわたし
かげろうのむこうに
うっかりハピネス
そんな未来を待ちながら
びびりながらも歩み寄る日々です

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