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自分の声が嫌いだった

僕の声はとても低いし、ボソボソしている。

「もっとハキハキ喋れよ」とずっと言われてきた。

でもハキハキ喋ろう、大きい声で話そうと
思えば思うほど声は出なくなった。

「ハキハキ喋らなきゃ、大きい声で話さなきゃ」

でも、口から出るのは鈍いくぐもった音。

言葉の形すらなくなってしまった。
苦しかった。情けなかった。

なんとかしたくてネットでハキハキ喋る方法を調べた。
『カラオケで声を出す練習をすると良い』と書いてあった。

そこから一人、カラオケに通いまくった。

でも、何も変わらなかった。
人を前にするとやっぱり声が出なくなる。

自信をなくした。人と喋るのが嫌になった。怖くなった。

他にも自分の嫌いなところがたくさんある。
そんな嫌いなところにまみれて、
どんどん落ち込んでいく。

そんな中、いつも目に入ってくるのは
画面に映るサッカー選手やアイドル、芸人だった。

やりたいことに夢中で、全力で、何より目が輝いている。
自分もそんなふうに生きたい。
目を輝かせて、たった一度きりの人生を楽しく生きたい。
そのためのヒントが得たくて、わらにもすがる思いで「自己理解プログラム」を受講した。

タイトルにある「自分の声が嫌い」という認識はプログラム内の
「オンラインイベント」を通して徐々に薄れていった。

最初に参加するときはすごく怖かったし、緊張で震えていた。
でも勇気を振り絞って参加してみて、
一番に感じたのが「心理的安全性」の高さだった。

僕の声、聞き取りにくいかもしれないけど
真剣に耳を傾けて聞いてくれる受講生のみんながいた。

嫌いだった自分の声を「落ち着きますね」「癒やされますね」
と言ってくださる方がいた。

「オンラインイベント」を通じて、人の温かさや優しさに触れて
僕の心の氷は徐々に溶けていった。

ハキハキ喋らなきゃ、ではなく。伝えたい。
自分もみんなの良いところや素敵なところ、
僕の思っていることを伝えたい。
そう思えるようになった。
自分の声が気にならなくなった。

これを読んでいるあなたにも、自分の嫌いなところがあるかもしれない。
でも、相手から見たらそれは全然気にならないかもしれないし、
素敵なところだと思う人もいる。

少なくとも僕は、
無理して変える必要はないし、
「それもあなたの素敵なところだよ」
と伝えたい。



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