人見知りが登壇して得たもの
懇親会や飲み会などで、油断するといつの間にか孤立して料理だけもくもくと食べてる、という程度には人見知りな私です。
そんな私が、2018年にはユーザーカンファレンス等で計5回、登壇する機会をいただきました。
その経験も含め、人見知りが登壇して学んだもの、得たものについてつらつらと書いてみようと思います。
経緯
経緯を遡ると、私は普段はゲーム会社にて、いわゆるインハウスデザイナーとしてWebデザイン全般を担当していますが、2016年くらいからAdobe XDというツールを使い始め、Flash時代のクリエイター仲間に誘われて、XDのユーザーグループの勉強会で初めて「登壇」というものをしたことに端を発します。
(ちなみにそのとき話した内容は、某ポ○モンGOネタだったので絶対に映像に残せないやつです)
人見知りが登壇?というと、めっちゃ無理してる感があるように思えますが、自分的には「対人コミュニケーション」と「対多数プレゼンテーション」は別物と感じています。
前者は正直今でも苦手です。知り合いも挟まない初対面の人と話すのはかなりエネルギーを使います。「同じ趣味の人相手だと饒舌になる」とかはオタクあるあるですね。
けど、なぜか昔から多数相手だと割と普通に話せるというか、むしろ学芸会なんかでは率先して立候補して、覚えてるだけで桃太郎とピーターパンとメロスを演じました。
この精神構造はなんなんでしょうね?
そして、今も人前でお話するときの自分というのは、常に「何か」を演じているのだと思います。脳のスイッチを切り替えている感覚。
まさかの大舞台
さて、そんな自分が「初めての登壇」というものを経験して、同勉強会でその後も2回お話する機会があり、4回目はAdobe MAX Japan 2017で登壇させていただきました。
な… 何を言っているのか わからねーと思うが、自分でもマジかよ?という流れで、「プレゼンのイロハ」なんてものを学ぶ前にやたらデカい舞台に立ってしまいました。
今見返すと、スライドの作り方から話し方から、セオリーなんてものを知らずに勢いで突っ走った感が半端ないですが、ありがたいことに「面白かったよ」と言ってもらうこともあり、勉強会での登壇も含めて、いろいろなクリエイターの方と繋がるきっかけになりました。
それまでインハウスでの繋がり以外は割と閉じていた自分の世界が、外に拡がった気がしています。
CSS Niteでの転機
そして2018年、そのような繋がりの縁あって、Web制作のクリエイター向けセミナーイベント「CSS Nite」に、初めて登壇させていただきました。
内容は、Adobe XDというツールにフォーカスしたセッションの一つを担当するというもので、再演版、大阪版も含め、都合3回お話する機会をいただき、「プレゼン」というものについて、目から鱗というくらい大変多くを学びました。
スライドの作り方やプレゼンの見せ方に対する技術的なポイントは、同イベントに参加されたSatoさんの
THE プレゼンター「事前準備」と「伝え方」をマスターしてコミュニケーションの精度度をUP!
が大変分かり易いので是非ご覧ください(ぶん投げ)。
同イベントの初回登壇時は、
・話の合間に無駄な「えー」が多い
・身振り手振りが分かり辛い
という指摘をいただき、自分のトークスキルについて客観的に見直すことができました。
そして同じく登壇者であった長谷川恭久さんのセッションを間近で拝見し、それまで「演台でPCをポチポチしながら話す」ということしか頭になかった自分は、観客とまるで対話するように、壇上を自由に動きまわりながら自然体でお話される姿(いわゆるジョブズスタイル)に衝撃を受けました。
そして、CSS Nite主催者である鷹野さんから、「演台を離れる」というセオリーについて学び、再演版に向けて、自分も演台を離れてプレゼンすることを目標に練習を重ねました。
そして迎えた再演版。
なんということでしょう。
そこには、気持ちだけはジョブズでやたらステージを往復し、ポインター操作にあたふたする自分の姿が!
(↑気持ちだけはジョブズ)
・・・とはいえ、初めての「演台を離れる」挑戦は、その後の自分のスタイルを模索する上での大きな分岐点になりました。
そして3回目となる大阪版。
スライドを空で言えるほど暗記し、客席への視線の向け方を意識し、スライドとリンクした分かり易い身振り手振りを心がけ、反応を予測したシミュレーションに基づく受け答え・・3回目にしてようやく今の自分が納得のいく登壇ができたのではないかと未熟ながら思えました。
(正直Adobe MAX Japanに登壇したときよりも練習しました)
懇親会では相変わらずうまく話せない場面もありましたが、滅多に行かない大阪の地で、現地のクリエイターの皆さんと交流できた(たこ焼きも食べた!)ことは、2018年を振り返る上で特別な思い出となりました。
登壇して得たもの
その後、2018年を終えるまでの別のイベントでお話させていただいたときにも、SNSではつながっていたけど初めてお会いする方や、尊敬するクリエイターの方々とも、多くの繋がりを得ることができました。
2018年の集大成となったAdobe XD Meeting 20
結果的に言うと、人見知りでも練習して場数を踏めばそれなりにプレゼンスキルを上げることができたという以上に、
人と話すことが苦手な自分が、登壇することで人との繋がりが増えた
ということが大きかったと思います。
自分のプレゼンスタイルが、観客に何らかの反応を求めるパターン(多数決でスライド分岐、指名して選択してもらう、喝采を強制するなど)が多いのは、面と向かっては言えないことを、登壇の名を借りた双方向コミュニケーションとして実践しているのかもしれません。
人見知りが治ったわけではありませんが、2019年も機会があれば挑戦していきたいです。
次の目標はあれですね。プレゼンの後に質問されたとき、「いい質問ですね」という、さも分かってるかのような返しをすることです!
おしまい。
撮影:イイダ マサユキ
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