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突然送られてくる名入れボールペン!怪しそうな会社ナショナルペンがやばい。

俗っぽいタイトルですいません。

じつは会社が創立50年を迎えます。
会社でもオリジナルプリントをしているので、工場のプロセス管理やWEB to Printとかが大好きで、色んなサイトやサービスのビジネスモデルが気になります。

そんな中、50周年だし「なんかノベルティとか作ろうかな?」とおもっていたけど、入稿とかアイテム探しめんどくさいなと思っていたら、突然名入れされたボールペンが送られてきました。
しかも中にチラシが入っているのを見たら、「この商品でよければFAX送ってくれれば注文完了です!」という注文書まで。

勝手にサンプルが来て、発注も簡単なのですぐ頼める

きづいたら、総務の人が「備品のボールペン買おうと思ってたけど、やすかったから名入れボールペン頼んでみた!」っていって注文してました。

だって、名入れなのにサンプルがすでに手元にあるし、発注のお膳立てもあるから、返信するだけですしね。

でも、怪しそうなので、いろいろしらべてみたら、日本資本のサービスでない怪しい雰囲気がぷんぷんします。

最近よくある、気づいたら海外の工場で作って一括で日本に送付されて国内振り分け発送するタイプのモデルっぽいなと思い、調べてみました。

しらべてみるとネット上では賛否両論巻き起こり、「送りつけ詐欺だ!」などのクレームも多い事がわかりました。

世界で同じものを同じ方法で売るビジネスモデル(想像)

本社はアメリカのNational Pen Co. LLCで、日本での販売はアイルランドのナショナルペン・プロモーショナル・プロダクツ・リミテッドがやっています。いろいろ調べてみた個人的な想像でまとめるとこんなところかと思います。

(1)レーザー名入れに特化して大量に作って、世界に販売
(2)世界中の国で会社名簿から一斉にバリアブルプリントでサンプル作り
(3)頼まれないけど勝手にサンプルを送りつけて、細かい顧客対応はなし
(4)コールセンターはアイルランド集中で移住促進
(5)アメリカ本社、製造会社アイルランドで節税対策して税金を抑える

(1)レーザー名入れに特化して大量に作って世界に販売

日本の名入れボールペンとかって、ちゃんとした価格の一流メーカーのものに名入れか、名入れグッズメーカーのやっすいボールペンに名入れかほぼ二択のなかで、世界中に同じビジネスモデルで展開するから、絶妙に安くて、書きやすい無印ブランドのボールペンが作れます。もちろん名入れしやすい外装材をつかって名入れ前提です。

なので、「安かったし手軽でかってみたけど、値段の割に品質が結構いい」っていうポジショニングです


(2)世界中の国で会社名簿から一斉にバリアブルプリントでサンプル作り

(あくまで個人的推測です)
0.ビジネスモデルはアメリカで作り、ライセンスをアイルランドの販売会社が行う
1,日本では国税庁などでも配布されている法人リストを手に入れる
2,創立年月日から〇〇年の企業をターゲット
3,(アイルランド)データベースからバリアブルシステムでサンプルを大量印字して国内で振り分け。

みたいな感じっぽいとおもっています。今の所販売は世界中で売っています。サイトもだいたい同じデザイン。
オーストラリア、オーストリア、ベルギー、スイス、ドイツ、デンマーク、スペイン、フィンランド、フランス、英国、ハンガリー、アイルランド、イタリア、日本、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア(旧市場)、スウェーデン、スロバキア。

(3)頼まれないけど勝手にサンプルを送りつけて、細かい顧客対応はなし

アイルランドでできたサンプルを日本にもってきて、一斉に振り分けして送りつけていきます。もちろん申込書も一緒に。僕は写真取ってなかったけど、このブログの人みたいな感じです。

商品がきて興味を持って電話すると、実はアイルランドにかかっているとおもいます。そして申込み後はある程度のロットをまとめて印刷しておくるので、個別対応の納期や対応など全くしていなそうだし、おそらくするつもりも無いと思います。このあたりが「顧客満足なんてひつようない」ジャンルの効率化中心のネットビジネスっぽいですね。

電話番号の口コミもいい感じです。

日本ではここから注文もできます。


もちろんみんな「荷物が届かない詐欺だ!」「電話が通じなけしからん!」などと口コミしていますが、最初から細かい対応しないスタンスだろうとおもうので、あとは早いか遅いかは運だとおもいます。うちは結構すぐとどきました。

多分日本の注文も増えてスケールしたから落ち着いたんだと想像しています。

(4)コールセンターはアイルランド集中で移住促進

受付販売はアイルランドでやっているはずなので、しらべてみるとコールセンターで働いた人のブログとか、事件に巻き込まれた人のニュースも出てきます。税金回避といわれるアイルランドはこういった企業の工場で働くひとの経済圏ができているのもすごいです。

「アップルやフェイスブックなどハイテクのアイルランドと『その他大勢』のアイルランドがある」と、ギリシャの前財務省ヤニス・バルファキスが話したように、「その他大勢のアイルランド」とは、実際にアイルランドに職を求めて移住する若者たちのことです。

実際に日本でもindeedなどのサイトでも募集があり、移住してナショナルペンで働いた人の話が色々出てきます。

Indeedあたりの求人サイトでは世界中からの働いた口コミがあつまっていてなかなか楽しいです。全体的に仕事は単調で電話の数がおおいけど雰囲気はよさそうでもあります。大変そうだけど。

この実際に働いた人のブログがリアルで、大変だけどヨーロッパで働いてみたい人の入り口にはいい会社なんでしょうね。ちなみにその方のブログはnoteのURL禁止リストに入っているようで貼れませんでした。

他には勤務明けに事件に巻き込まれた方のニュースもありました。


5)アメリカ本社、製造会社アイルランドで節税対策して税金を抑える

グーグルやアップル、フェイスブック、アマゾンなどが使っているとされて有名なアイルランドとオランダの会社を挟んだいわゆるダブルアイリッシュ・ダッチサンドイッチあたりの節税スキームが採用されていると思われます。

ココらへんは専門でないのでリンク貼っておきます。


かっこよさやお客さんの対応満足度より、利便性と利益を追求してマーケティングして、徹底的に自動化するビジネスモデル

ナショナルペンを知ってからいろいろ調べましたが、僕はこういうビジネスって自分はやらないけどすごく興味深いなと思っています。

日本にいると、すべてきめ細かく対応してお客様は神様で悪い口コミかかれないようにしないと。。。と思いがちです。

反面こういう海外ビジネスではある程度の割り切りをして、悪い評判があったとしても利便性と価格優位性でお客さんを選別して離れるお客さんは繋ぎ止めない方法を取るのがすごいと思います。

そして徹底的に世界規模で効率化して名入れのオペレーションを機械化していくことでできる価格メリットだと思っています。

いろいろ不満はあるかもしれないけど、頼んでもないのに名入れサンプルがきて、簡単にオーダーグッズが作れるのって本当に手間がかからなくてたすかりますよね。そんなビジネスもおもしろいこの頃です。

ちなみにボールペンたのんだら、ちょっと高いLEDライトのサンプルがとどきましたよ。


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