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100年続くビジネスを築くには/TED Talk

 ボストンコンサルティンググループのコンサルタント(パートナー)、マーティン・リーブス氏のTEDトーク。

 平均寿命30年と言われるアメリカの公開会社が「100年続くには?」を考えるにあたり、ビジネスの持続性をヒトの免疫システムになぞらえて、その6つの特性、
  1)余剰性(Redundancy)
  2)多様性(Diversity)
  3)モジュール式(Modularity)
  4)適合性(Adaptation)
  5)思慮深さ(Prudence)
  6)組込み式(Embedded)
による生物学的な保護を作り上げる必要性を説いています

 それに反し“短期的な効率”のみを重視する姿勢を、「冬が来て新型のインフルエンザウイルスに出会っただけで1週間も経たないうちに死んでしまう」とその脆弱性を揶揄しています。

 氏は、この6つの法則が実践された事例として、コダックと富士フィルムの事例(思慮深さ・多様性・適応力が存亡を分けた)や、モジュール式・余剰性を備えたトヨタの強固なサプライチェーン、破壊的イノベーションの流れを常に敏感に察知していち早く技術を我がものとする思慮深さ・適応性を持つメガネレンズ大手エシロールなどを挙げて簡潔に解説した上で、ビジネスの現場でこの法則の実践を妨げるのは「機械的な考え方」、すなわち効率性と短期的な成果を優先した問題解決姿勢であると述べています。

 ゴール設定・問題分析・計画立案・着実な実行、という機械的な考え方は、比較的安定した環境で 比較的単純な問題に取り組む際には有効でも、今日のようなダイナミックで 先が見えない状況では、より謙虚に、そして繊細に先が見えない複雑な状況に適応していかなければならないと言うのです。

 短期的な成果だけを考えることの危険性を繰り返し主張したうえで氏が最後に発するメッセージ、「このゲームは いつまで続くだろう?」にはっとさせられます。



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