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親でほぼ学歴は決まることを受け入れたくない人々


ひろゆき氏の意見に賛否両論がある記事を目にした。http://blog.livedoor.jp/rbkyn844/archives/9726139.html

ざっくり言うと、親の知能と収入でほぼ学歴は決まるというものだ。彼の主張は研究機関のデータや事実に基づくもので、ただ単にそんな感じがするというところからきているものではない。しかし、反論するものの意見が一様に感情論になっているのが興味深く、論理的に考える格好の材料に思えたので取り上げてみた。

まず、学歴の話でいうと、彼(=ひろゆき氏)の主張のもととなるものは、何か秘密結社が調べてみたものや陰謀論といったものではなく、ちゃんとした大学の公表された研究結果だ。

アメリカの大学による1130万人以上の遺伝子研究の結果、頭のいい遺伝子を持っていてかつ裕福な家庭環境で育った場合は高学歴になりやすいという話がある。
https://www.youtube.com/watch?v=fAuOG5jFvRQ
※ちなみに、高学歴とは高校より大学、大学より大学院といった話で、日本で一般的に思い込まれている東大が他の大学よりいいという意味ではない。

今回は、学歴が高い方が高収入になるとか幸せになるという話は論点と若干ズレるため、メインの話にはしないが、学歴が高い方は低い人より仕事のパフォーマンスが高いとは限らないという話もあるにはある。
世界大学ランキングで上位1000位とそれ以下の人達との差は1.9%程度、1万位の差があってはじめ19%くらいの差がでてくるという話だ。ご参考まで。
https://www.youtube.com/watch?v=Cpe0ge5VcI4
※実際には英語の研究論文で確かめてもらうのが一番だが、わかりやすくまとめてくれているのでDaiGo氏の動画の説明を引用させてもらった。

本題に戻ろう。東大に限らず、トップクラスの大学へ行く人の親は高収入かつその親自体頭がいい傾向にあるという研究結果にもとづき、ひろゆき氏もそれを知ってか主張を展開したものだ。コメントする人の中には、自信の経験からか「~そう思う。」「そういうこともあるかもね」といった主観にもとづく感情論があったり、例外を全体に当てはめようとする反論が多いように見受けられる。

もちろん例外はある。貧乏な家庭から東大にいったものや、親がそれほど頭がいいと言われてなかったのにいきなり子供が東大にいった場合などだ。その数は多いと言えば多いだろう。例えば、ある数年間のそれ(=例外)に該当する人たちが1000人いたとする。一方で、同時期の9000人が裕福な家庭環境で育ち、親も知性・知能が高かったという、単純に統計的な結果だという話だ。例外的なものをさして「いっぱいいる」という話を持ち出しても、「それはあたなにとってはいっぱいかもしれないが、全体的に比較すると少数派だ」という話になってしまう。これが反論している人たちの見落としている視点だ。

逆に両親の頭がよく収入が高いにも関わらず、高学歴にならなかったという人もいるだろう。それはなりたいのになれなかったか、あえてその選択肢を選ばなかったのかは個々人の理由にもよるだろう。が、今回の論点は、「頭がいい金持ちの親のもとに生まれたら必ず東大にいける」という話ではなく、「東大に入った人たちを調べてみたらそうだった」という話だ。

例えば、メルカリで売れるものは24時間以内に売れるというCMを見たことがある人はいるかもしれない。それは、すぐに売れるほどいい出品(物がいいのと、売り方・打ち出し方がいいの)の場合は1日以内に売れていたという話で、みんな出品すれば1日以内に売れるという話ではない。おそらく制作側はそこが理解できないまだ始めてない人たちを取り込もうとした可能性はあるだろう。そこでそういう「あ、じゃあ私もなんか出品ばすぐ売れるんだ」と思うような新規登録会員が増えたなら広告側の狙い通りだ。

今回は論理学の基本、例外を全体に当てはめて論じないということと、やはりデータや事実にもとづくロジカルな意見に感情論をもっても反論にはならなないという話をしたかった。また、取り上げやすい事例がみつかったら考察してみたいと思う。

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