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2021/11 帰国後の自主隔離レポート

「2021/11 ベルリン渡航記」の続きです。今後海外に出られる方々の参考になるのではないかと思い、帰国後の10日間の自主隔離生活について記すことにしました。

1.自主隔離場所と自主隔離期間

羽田空港では検疫に非常に時間がかかり、着陸から到着ゲートに至るまでに2時間以上を要したことはお話したとおりです。帰国後は公共交通機関を使うことができないため、①「公共交通機関以外の方法(自家用車、親類・知人の車、レンタカー、ハイヤー等)を使って仙台の自宅に帰って自主隔離する」、②「羽田空港近くのホテルで自主隔離する」、のいずれかを選択する必要がありました。私は①を選択しました。

自主隔離期間(待期期間)が3日間に短縮されたという報道がありましたが、「ワクチン接種証明書を保持し、日本国内の受入責任者から特定の省庁へ提出した誓約書及び活動計画書を含む申請書式について事前に業所管省庁の審査を受けた方」という限定があるほか、「受入責任者の管理の下に活動計画書の記載に沿った活動」が認められるだけであり、自主隔離期間(待期期間)自体が短縮されるわけではないことに注意が必要です。

また、現状でも、14日間が一律10日間に短縮されているわけでもなく、原則は14日間のままです。空港検疫でワクチン接種証明書の「写し」を提出し、かつ、入国後10日目に自主検査を受けて厚生労働省の入国者健康確認センターに陰性の結果を届け出た場合に期間短縮が適用されるのです。

2.MySOSの報告内容と自動ビデオ通話

自宅到着後は、早速、空港検疫で強制的にインストールされた「MySOS」というアプリで「待機場所」の登録を行いました。その翌日から、1日1回の「健康状態報告」のほか、1日数回の「現在地報告」、及び1日1回のAIによる自動ビデオ通話に応答する生活が始まりました。「現在地報告」の通知と自動ビデオ通話は特に時間が定まっておらず、毎日ランダムに連絡が入るようになっていることから、スマホから目を離すことができませんでした。

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帰国翌日(1日目)の午前と午後の2回、「現在地報告」を求めるポップアップが立ち上がりました。ちょうど在宅勤務中でスマホを机の上に置いていたので、速やかに応答することができました。こちらは5分以内に応答する必要があります。10日の間、2回ほどスマホから離れていて応答できないことがあったのですが、特に問題はなかったようでした。最初の通知は早くても午前8時くらい、最後の通知は遅くても午後7時くらいで、さすがに夕食後のお風呂の時間や、深夜寝ている時間には通知はなかったようです。

AIによる自動ビデオ通話は、1日目は午後5時過ぎにようやくかかってきました。1度目は取ることができませんでしたが、約1分後に再びかかってきました。ビデオ通話ではこちらの映像が取得されるようになっており、中央の白枠に自分の顔を合わせて30秒間映し続ける必要があります。背景画像から屋内にいるかどうかを確認しているそうですので、位置情報が合っていても屋外の画像だと問題となる可能性があるかもしれません。

じつは一度だけ、正午過ぎにシャワーを浴びたタイミングで、たまたま自動ビデオ通話がかかってきたことがありました。タオルで身体を拭きながらスマホの履歴を見た際に着信に気が付きました。履歴を見ると、自動ビデオ通話を知らせるポップアップの約1分後に1度目のコールがあり、そのさらに約1分後に2度目、そしてそのさらに約1分後に3度目があったことがわかりました。どうやら3度目でも応答しないと、4度目のコールはないようです。折り返しの電話もできないようになっていました。少し心配になりましたが、その日の夕方に再び自動ビデオ通話がかかってきて、それに応答したことで特に問題はなかったようでした。

3.自主隔離期間短縮のための検査

9日目には自主隔離期間(待機期間)を短縮するための案内がポップアップで届きました。10日目に検査を受けて陰性となれば、その翌日に自主隔離から解放されるというわけです。

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ところで、自主隔離期間を短縮するために受ける検査については注意すべき点が3つあります。

まず1つ目は、「PCR検査」または「抗原定量検査」のいずれかであることが必要であるという点です。実際に入国者健康確認センターに電話して確認したのですが、「抗原定性検査」では期間短縮の対象にはならないということでした。

次に2つ目は、期間短縮の適用を受けるための自費検査を提供する検査機関が、「厚生労働省のリストに掲載されているところに限られる」という点です。市や県が承認した検査機関であっても、厚生労働省のリストに載っていないところも多いので注意が必要です。

そして3つ目は、検査結果を当日に知らせてくれる検査機関が極めて少ない点です。翌日または翌々日に知らせてくれるところがほとんどなのです。首都圏ならば、当日対応の検査機関を探すことはそう難しくはないのかもしれませんが、地方はなかなか大変です。

実際に、私の自主隔離が始まった時点では、厚生労働省のリストに載っている宮城県内の検査機関のうち、当日に結果を出してくれるところは、「仙台空港北クリニック」の1件しかありませんでした。しかも、週2日が休診日となっており、私が検査を受けたい日に限って休診日であったことから、当日結果を出してくれる山形県内の医療機関まで車で1時間かけて検査を受けに行くことまで考えていました。(実際に予約まで入れました。)

4.隔離10日目の検査体験記

そんな中、当日結果を出してくれる検査機関として、「木下グループPCR検査センター仙台駅前店」が仙台駅東口にオープンし、ここが厚生労働省のリストに新たに追加されたのです。これは「渡りに船」と、山形の予約をキャンセルして、急遽、こちらでPCR検査を受けることにしました。一番町の自宅から徒歩15分程度でしたので、その点でも大変助かりました。

ところで、厚生労働省のリストは毎日のように更新されることから、日々内容を確認することが重要ですが、リストの記載には色々と怪しいところも多いので注意が必要です。たとえば、先ほど挙げた「木下グループPCR検査センター仙台駅前店」のURLとして、なぜかしら北海道にある「札幌大通店」のURLが記載されていますし、イムス仙台クリニックの住所や電話番号が古いままです。更新が「やっつけ仕事」になっているような印象がありますから、リストの記載内容はそのまま信じない方がよいでしょう。検査を受ける前に直接検査機関に電話するなどして様々な点について確認をしておいた方が無難だと思います。

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なお、PCR検査のために自宅から外に出ること自体は問題ありません。念のため、事前に入国者健康確認センターに電話して確認したのですが、PCR検査のための外出は想定内なので、たまたま外にいたときに現在地報告の通知や自動ビデオ通話があっても、特に問題はないとのことでした。ただし、公共交通機関での移動はできません。

5.MySOSの待機解除通知

PCR検査を受けたところ、結果は陰性(NEGATIVE)でした。早速、陰性証明書を写真に撮って、入国者健康確認センターのサイトからアップロードしました。私よりも少し前に自主隔離生活を送っていた知人のSNSに「約1時間後に待機解除通知が来た」と書かれていたのですが、2時間待っても通知が来ません。画像を送信した際に受信確認通知などもありませんでしたから、心配になって入国者健康確認センターに電話してみました。すると、「担当者が忙しくて時間がかかっているのかもしれません。画像はちゃんと届いています。もうしばらくお待ちください」との説明がありました。

すると、そのやり取りから30分も経たずに、「待機解除通知」が届きました。自動ビデオ通話はAIでやっているにもかかわらず、陰性証明書の確認はどうやら担当者が目視で実施しているようです。

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6.おわりに

こうして、この翌日に自主隔離が無事に解除となったのです。午前9時頃にMySOSから「入国者健康確認センターと連携を解除しました」というメッセージが届きました。ここで改めてMySOSを見ると、トップページの画面が一変しており、救援依頼、救命処置、応急手当などのアイコンが並んでいました。この時点で初めて気が付いたのですが、MySOSは、入国者・帰国者の健康管理(というか監視)のために開発されたアプリではなく、もともとは救命・健康サポートアプリであって、それに入国者・帰国者の健康管理(というか監視)の機能がオプションとして付加されたもののようです。

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なお、自主隔離期間中は在宅勤務をしていて、意外に仕事もはかどったことから、自宅での生活自体にそれほどのストレスは感じませんでした。一番のストレスは、何よりもMySOSからの通知でした。MySOSからの解放が一番の喜びであるといっても過言ではありません。





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