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『エセ著作権事件簿』の感想

友利昴氏の『エセ著作権事件簿』(パブリブ)を読み終えました。副題は「著作権ヤクザ・パクられ妄想・著作権厨・トレパク冤罪(過剰権利主張ケーススタディーズ)」です。

540ページを超える大作で、昨今の「コンパクトさ」を追求する出版業界の動向に反するところもあります。ですが、それだけに大変読みごたえがある内容でした。著者の語り口が独特で、その点で好き嫌いが分かれるかもしれませんが、著者が自らの立場を明確にしていることから、私としては自然に読み進めることができました。

この本のタイトルにもなっている「エセ著作権」は、私が『楽しく学べる「知財」入門』(講談社現代新書)において指摘した「知財もどき」と似た概念です。

『エセ著作権事件簿』では、本来であれば権利など存在しないのに、あたかも何らかの権利が存在しているかのような怪しげな主張の胡散臭さをひとつひとつ丁寧に解説しています。

非常に有名な事件から、あまり知られていないマイナーな事件まで幅広く網羅されており、私も大変勉強になりました。「パクリ騒動」が発生するたびに条件反射的に騒いでいる方々には、ぜひ読んでいただきたい作品です。

なお、参考文献として拙著を2冊も挙げていただきました。少しでもお役に立てたのであれば光栄です。ありがとうございました。

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