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メンバーの「自己実現欲求」を把握する

今日たまたま「エンジニアリングマネージャーのしごと」を読み返していて、ちょうどマズローの欲求階層について思うことを少しまとめます。

まず、マズローの欲求5段階説はそのまま鵜呑みにしない

マズローの欲求5段階説は本当に使い勝手が良く、マネジメントにおけるいたるところで説明に使われる概念ではあるのですが、Wikipediaにもあるとおり

「すべての人が」「あらゆる場面において」同一の欲求階層をたどるとは限らない

ものとして扱う必要があると思います。ちょっと考えても、4段階目の「承認欲求」が無い状態でも5段階目の「自己実現の欲求」を求める場面はありそうですし、性別や文化で考え方が異なるだろうというのは想像がつきます。

ということで「マズローの欲求5段階説」の図(下の図です)が出てきた時点で、その記事の信憑性は半分くらいに見立てておくのが良いかと思います。

ウィキペディア「自己実現理論」より引用

自己実現欲求に関する考察

マズローの欲求5段階説は一旦否定されるとしても、その5段階目に属する「自己実現欲求」という概念は重要であると考えられます。マズローの4段階目までは欠落したものを充足させる欲望として捉えることが出来ますが、最後の5段階目の「自己実現欲求」は人の内側にある本質的な性質の発露であり、何かを追い求めるのではなく自然な状態であろうとすることだと言えます。

(ネットで検索をしてみると、マズローが主張していた内容はこのような考え方で概ね合っているようです)

自己実現欲求を満たそうとしているとき、人はその過程を楽しんでいる

「自己実現欲求」は人の内側にある本質的な性質の発露であり、何かを追い求めるのではなく自然な状態であろうとすること

ということはどういうことでしょうか。

マズローの4段階目までは欠落したものを充足させる欲望

ということを深掘りすると、4段階目までは欲望を満たす過程は基本的に「苦しい」状態の中で「努力をして」いる、一方5段階目の「自己実現欲求」を満たす過程は「あるべき姿」の中で「楽しんで」いる、と整理できるのではないでしょうか。

ワクワクできる仕事をメンバーに渡すことができるか

マネージャーとメンバーはお互いの「自己実現欲求」に対して開示しましょう。1on1や採用面談で私がよく尋ねることの一つに「仕事をしていた中で本当に楽しいと思った経験は何か」というものがあるのですが、これはその人が人生の中で何を成し遂げたいか、どのような仕事を過程も含めて楽しいと思えるか、を確認するために行っています。

メンバーが自らを楽しませられる仕事を把握することができれば、おそらくそれは「自己実現欲求」に基づく「やりたいこと」や「なりたい姿」に非常に近いものであり、またそれはWCMシートで言うWillそのものであるとも言えます。最終的にはこの「自己実現欲求」を、仕事の上で実現させることこそがメンバーへ行うマネージャーの重要な仕事であると言えるでしょう。

みなさんはメンバーの自己実現欲求を把握できているでしょうか?


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