拡大する核燃料税
朝日新聞デジタル(2021年1月11日)で、核燃料税が拡大していることが報じられました。核燃料税とは、原発立地自治体が電力会社のもつ核燃料にかけている税金です。この税金は、電気料金に溶け込んでいます。
この核燃料税、拡大している理由は、おそらく原発立地に伴う交付金が減るなか、原発依存の構造をもつ自治体が、交付金にかわる財源にしたいという思惑があるのではないかと思われます。
立地自治体にとって、核燃料税は少なくない規模です。
原発に依存してしまうと自治体が放漫財政になりがちで、交付金によって施設を建設したりしてしまいます。それがかえって施設の維持管理費等をうみ、それをまかなうための資金が必要になります。そのため、さらに交付金が必要になる、という悪循環が生じるわけですが、交付金や固定資産税が少なくなる中、苦肉の策として核燃料税が拡大している可能性があります。
しかしこのような原発依存を続けても、地域のコミュニティーに展望は開けません。一時的にうるおうかもしれませんが、長期的にみて若者が展望をもてないものになってしまうでしょう。
立地自治体の原発からの自立は大変重要な課題です。好むと好まざるとにかかわらず、原発は衰退、終焉期に入っています。廃炉が続けば、必然的に、原発ゼロ地域が次々にできていきます。こうした自治体が、原発から自立できるようにするために、単に資金面だけでなく、自らのちからで内発的に発展を遂げられるような支援が必要になっています。
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