原子力に関する情報の提供にご注意

最近、資源エネルギー庁、環境省、電力会社、原子力文化財団など、原子力利用、開発を進めるサイドからの情報提供が非常に多くなっています。

例えば、カーボンニュートラルとか、処理水、除去土壌(汚染土)のはなしとか。

みてみると、一見非常にわかりやすく、ソフトにできています。

ウェブサイトもきれいだし、写真も入り、動画もうまくできています。有名な俳優さんまで登場してます。

また、善意にあふれているようにもみえます。

では、本当の意味での情報がまんべんなく提供されているか、というと全然そうではありません。

たとえば、原発事故のはなし。

福島原発事故は現実に起きました。事故によって、多くの方々が被害に遭われました。被害地域では今も元通りにはなっていません。

賠償も十分とはいえず、国も東京電力も謝罪していません。
(※賠償費用の大部分を東京電力が負担していないという問題もあります)

被害者の多くの方々が、国や東京電力の姿勢に納得できないとして、集団訴訟を提起しています。

裁判で、東京電力は謝罪するどころか、賠償はすでに支払い済み(もらいすぎ)だ、ふるさとを無くしたという被害(ふるさと喪失損害)など、賠償すべきものではない、という主張を繰り返ししていて、被害者の心を痛めつけています。

処理水の問題も同様です。

福島の地元の方はなかなかおもてだって話しにくい状況にあり、そのためメディアでも報じられません。

私が直接お話を聞いた、原発から非常に近い地域に住んでいる福島の漁師の方は、「東京電力は絶対に信頼できない。この10年間、いくら質問しても、まともに答えないし、対応もしてくれない。そもそも責任者が謝罪したこともない」ということを具体的に話してくれました。

漁業の再開に向けて努力しているのに、国も東電も一体何を考えてるんだ、というのが本音だといいます。

お話を聞くと、思いがあふれてきて止まらなくなるくらいに、沢山の思いをもたれています。

このようなことを背景に、福島や宮城の人たちが中心になって、ALPS処理水放出反対の署名が17万人以上集まっています。

こうした被害のリアルな情報は、原子力開発や利用を進めるサイドにとっては不都合なことでしょう。

資源エネルギー庁、電力会社、関連団体の「情報提供」は、広告代理店に、多額のお金を払ってやってもらっているのですから、わかりやすくて当然です。

これらは、いかに話がわかりやすくても、「話半分」の広告ないし宣伝だと受け止めるほうが国民にとっては賢明だと思います。

他の件でも情報が公開されていないことは実は沢山あります。

最近は、メディアも深く取り上げることがなくなってきたので、こまったものですね・・。


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