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1 on 1 あれこれ

(注)このnoteはネクストイノベーション株式会社(以下、ネクイノ)代表取締役である石井健一が、ネクイノメンバーのために書いているnoteです。そのため使用している単語・用語などが本来使用されるものと異なるケースがありますのでご了承ください。

このnoteを書いたきっかけ

ネクイノでは月に2回、経営会議という名目で経営陣が一同に会し(ほとんどRemote)経営課題を侃侃諤々やる会議があるんだけど、今日その会議で「1 on 1」(注:主に1対1で面談を指す)のあり方について結構濃いディスカッションをしたんだ。そんな中、某取締役から「石井(僕)は1 on 1をちゃんとやれてるけど・・・」って言葉が出て、僕自身としては(いや・・・むしろコミュニケーションはヘタだぞ・・・)って思ってるんだけど、自分自身でも1 on 1の時に何を意識しているのかをもう一回整理してみようと思って書き起こしてみた。参考になるかわからないけど、”あーー、そう言う風に考えてるのね”ってくらいに思ってくれたらいいと思います。

ネクイノで大切にしていること・したいこと

ネクイノは2016年に創業して、2017年からオンライン診察に関するサービスを提供している。みんながよく知っているスマルナ(注:婦人科特化型オンライン診察プラットフォーム事業)は2018年からの稼働で、大規模な資金調達をしたのが2019年の夏だから今ネクイノで働いているメンバーの多くは入社してから1年以内、って人が多いと思うんだ。この1年の間、自分たちは何を使命として進んでいくのか(=ミッション)とかネクイノがミッションの実現に向けて大切にする価値観(=バリュー)とかを制定して進みたい方向性を「言語化」してきたんだけど、どんだけハコを整えても、キレイな言葉を並べても、僕は会社とか仕事って突き詰めると「コレ」だよね・・・って一言をいつも思ってるのね。それは、

徹底的に対話して、一人一人が持つ能力を最大限発揮できるかどうか

ってこと。ネクイノでは、このそれぞれのメンバーが持つ能力が最大限発揮されて、「本来あるべき成果」に100%邁進できてる状態を「Execution」(=実行)って定義してて、このExecutionがうまくいっている状態=「ココロもカラダも健全」な状態だと思ってて、(なんか進次郎構文みたいだけど)まぁ、とにかく「やりたいこと(want)」「やるべきこと(must)」が釣り合っていて、その「やり方(how)と持ってる能力(capabilities)」がちゃんとフィットしていて、適切な「管理とフィードバック」が行われているか、ってことに分解できると思うんだ。

1 on 1が「高圧的」だったり、「命令」だったりするのは、このwantの部分のすり合わせだったり、mustがズレていたり、howとcapabilityがあってなかったり・・・多分この辺にあると思うんだ。(ここまで書いてアレ・・・僕できてねぇなコレ・・・って改めて反省・・・特にmustの部分ね 汗)

で、改めてネクイノはコミュニケーションカンパニーをこれから謳っていくんだけど、

徹底的に対話して、一人一人が持つ能力を最大限発揮できる

ことを大切にしてるんですよ。僕がサッカーを好きなのはみなさん承知のことかと思いますが(最近、推しを鹿児島ユナイテッドFCにしました!)いろんなサッカーのチーム戦術って言うのが最近できてきてるけど、何を言ってもまずはサッカーの基本は1 on 1(1対1)なんですよ。1 on 1で負けるな、ってところからスタートする。ネクイノは80名規模の(2020年11月) チームになってきて、社内だけじゃなくて社外のパートナーとの協業もこれからどんどん進んでいく中で、

ネクイノの人って、めっちゃコミュニケーションできるよね

って周りから言われるようにしたいと思うんだ。コミュニケーション・カンパニーだしね。
でも、勘違いして欲しくないのは、みんなに対して僕みたいに「ベラベラしゃべれ」って言ってるわけじゃないんだ。コミュニケーションの形は、人それぞれ。対面を好む人もいれば、チャットがいい人もいる。大事にしたいのは、Executionするために自分と、メンバーと「しっかり対話しよう」ってこと。対話は、「伝えた」じゃなくて「伝わって、相手が動いた」でやっとスタートライン。そのために、そのコミュニケーションの手段として僕は1 on 1をとっても大事にしたいと思ってる。

こう言う本とか

こう言う本とか、読んでみたらいいと思うんだけど・・・
僕は読んだことないw

1 on 1 で意識していること

あくまで僕の経験でしかないんだけど、僕は「できる限り」1 on 1 する相手が「そもそも何がやりたいんだっけ(want)」をめちゃくちゃ大事にして面談に臨みます。例えば、僕が直接口説いて入ってもらったメンバーなら、その時「こう言うことがやりたい」「こう言う風に世の中変えようぜ」って言ってくれていたこと、言っていたことを思い出す。
で、このやりたい(want)って言うのは「Webマーケがやりたい」とか「経理がやりたい」って言うみたいに組織における「機能的」な部分じゃなくて、そのwantを実行していくことで例えば誰をハッピーにしたいんだっけ、とかどんな課題を解決したいんだっけ、って言うところにできるだけ立ち戻ります。
これは完全に僕の私見だけど、多分これが僕たち人が働くことの根元の大元、ザ・根幹だと思うんだ。もちろん人生の多くの時間を使って働くのだから、給与とか待遇とかそう言うのもめっちゃ大事だけど、自分が働くことで「世の中の役に立っている」「そのために今何をしたらいいんだろう」って言うこと、それを相手と一緒に言語化して、共有すること。
僕はここにフォーカスすることだけに面談の時間のほとんどを使っている気がする。

ここが合わないと、どんな素敵なアドバイスも、どんな怖いプレッシャーも結局「再現性を持って、面談相手に何かを与える、そして自分が相手から何かを与えられる」っていうものにならないと思うんだよね。

だから、優先順位を考えるなら want = must > how ってイメージかな。

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その人が持っているwantの中でしか、mustは実現できないし、重なっている部分のhowを突き詰めていくことが結局一番outputに繋がる(個人の見解です)

ここまで書いて・・・

ふと思った。これどっかで経験したことあるな、と。
僕がNovartisって製薬会社にいた時の、尊敬する上司の面談手法がコレだったんだよね。そういえば。
徹底的に「石井(僕)が何を成し遂げたいのか(want)」ってことから面談が始まって、そのwantの実現のために今何するか、ってスタンス。当時もちろんサラリーマンだったんだけど、このwantの中には「起業したい」っていう、会社の業績とか役割期待と全く関係ないテーマからスタートして、ちゃんと面談の最後には会社の業績とか役割期待を実行するために必要なhowの部分までしっかり仕上がる。コレだ。

スライド1

当時を振り返ると、wantである「起業する」にあたって、上司から口をすっぱく言われていたのは①「一人でやるな、チーム(これは顧客も広義の意味で含まれる)を作れ」ってこと、その能力開発をサラリーマン時代に育んだ上で、②実現可能なビジネスモデルを見つける、考えるって工程に入って(もちろん、面談の中でこのモデルの詳細の話は一切していない)、③じゃぁそれを移植領域を担当するMRに置き換えた場合どこに手をつけるのかって議論になって(この辺から一気にmustに入っていく)で、③を実行しながら同時に④期待役割をクリアするための戦略・戦術にモレがないか(もうこれは完全にhow)って順番でお互いやることが整理されていくんだ。このモデル、いつの間にか身についていたんだなぁ(しみじみ・・・)

改めて。

同じ会社にいて、同じような仕事をしているメンバーと話をするとなんとなく同じような価値観だろうし、改めてwantまで戻って・・・なんて事してると時間がもったいない気がするよね。だから、ついついhowから入る。僕は、howから入る面談は正直「やる意味ないんちゃう」って思ってる。多くの場合、howはよくある選択肢で、地味な打ち手であることも多い。時間がかかったり、大変だったりするしね。正直、情報伝達の効率を求めるなら1 on 1 なんて優先すべき手段じゃないと思うよ、実際。
だけど、頭を使わなくていい金太郎飴みたいなメンバーをたくさん集めたいわけじゃない。それぞれのバックグランドがあって、考え方があって、行きたい先があって、それで「今たまたま一緒に働いてる」だけの関係。そんな関係だけど、相手がどんな人生を歩みたいか(ちょっとでも)理解して、その相手が進む道をちょっとでも一緒できるなら、こんなに素晴らしいことってないと思うんだ。これは、たまたま僕がサラリーマン時代に経験した、その上司から僕に対する(僕だけじゃなくてみんなにきっと同じことしていたんだろうなぁ)Pay it forwardだと思うんだよね。だから、僕も、僕たちもこのPay it foward(参考:ネクイノのバリューの一つにGive it forwardっていうのがある、意味はほとんど一緒)の輪を社内に、社外に、ユーザーに、社会に繋いでいきたいって思ってます。

まぁ、今日はこんなもんで。

2020年11月4日

ネクストイノベーション株式会社
代表取締役 いしけん

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