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生理の貧困・・・を考える

注)このnoteは、株式会社ネクイノ代表取締役の石井健一が株式会社ネクイノメンバー向けに書いているnoteです。そのため、使用している用語に通常で使われているものと意味合いが異なる場合があります。

1.はじめに

今回のnoteは、↑↑↑の投稿の続きで、気がつけば半年以上も経ってしまった続編です。toreluna(トレルナ)という名前の新しいサービスについて書きます。
まず、本日から南海電鉄様、イオンモール様などにお力をお借りして実証実験がスタートします。早速、取材をしていただいたものがこちら。

おっと、いきなり「生理の貧困」文脈デスね・・・あながち否定をするものではないのかもしれませんが、実はこのプロジェクトの推進にあたり根底にあるコンセプトとして「生理の貧困」を意識してサービス設計をしていません。

「課題」を社会と対話していく上でこの生理の貧困文脈はある意味分かりやすく共感を得やすいものである一方、サービスを提供する側と受ける側の間に一方通行なコミュニケーションを発生させてしまう可能性があります。これは、僕たちがここまで積み上げてきたスマルナを中心とするサービス・顧客価値の作り方とは一線を画しているものであり、僕たちらしくないよね、とも言えます。

蛇足ですが、そのサービスを必要とする/触れるに際して「明確な理由や目的」なんて別になくてもいい(明確にしなくてもいい)、
と僕は思ってます。
分かりやすいのが、スマルナでいえば「ピルを飲む理由」。ピルには避妊のほかに生理痛の改善や月経周期を整えるなどの効果があるとされていますが、どの理由であるにせよ「自分が困った・課題と考えている」ことの解決策を考えるのに、わざわざ他人に説明する理由をもとめることなんてそれこと意味がない、って思ってます。

だから、「今」生理用品を必要とする理由がどんな理由だっていい。その課題の解決を一過性のムーブメントとか、いつまで続くかわからない財源に依存していくのではなく「事業」という仕組みを用いて長期に渡り続けていく。
これこそが、本当にサスティナブルな取り組みだと思うし、今の日本の社会に本当に必要な価値観なんだと思っています。

2.なぜ、ネクイノが取り組むのか

これについてはもう一回

このnoteの中に書いているのですが月経(生理)にまつわるトラブルを大別すると

  • Birth Control(産みたい時に産む≒避妊含む)

  • 月経痛&生理周期の改善

という医学的な課題に関するアプローチと

  • 突然始まってしまう

という想定していないシチュエーションのようなものに分けることができるんですが、前者についてはまさに医学的なアプローチ(スマルナ)で解決への足がかかりを作れますが、後者については今まで全くカバーできていなかったんです。
今回のトレルナは、まさにこの後者の課題について真っ直ぐ向き合っていくプロジェクトで、スマルナが医療へのアクセスの改善(橋渡し)だとしたらトレルナは安心を用意するプロジェクト、とも言えるかもしれません。いずれにせよ2018年のスマルナ立ち上げからずっとこのテーマに向き合ってきたネクイノだからこそ取り組める(やるべき)課題なんだろうな、って思っています。

話は全然脱線しますが、今日(5月9日)は月に1回の社内イベントでもある「全社会」が行われました。その中で各セクションごとにユーザーが抱える課題感とか、うまく言語化できていない不安をどう解消するか・・・みたいな報告が出たんですがうちのメンバーは本気の本気でここに取り組んでるんです。いつかどこかでこの形を共有したいなぁ・・・とは思っていますが、こういった部分へのこだわりの一つ一つが、サービスへの信用とか信頼の源泉を作っているんだろうなぁ・・・と感動しています。

3.どうやって収益化するの?

話を本筋に戻します。まだ実証実験のフェーズなので詳細なビジネスモデルなどは模索中ですが、簡単にいえば「タクシー広告」のモデルを踏襲します。ただ、タクシー広告は極端な話お客さんへのメリットってほとんどないですよね。これを、最初は生理用品を受け渡す・・・という体験から始めて双方向にコミュニケーションが発生する所まで進化させちゃえ・・・と言うのが大きな構想です。まだまだ実証実験なので結果どうなるかわからないですが、少なくとも「持続できる形」でこのサービスを継続していきたいな、と考えています。

4.もしかしたら

昨今の外部環境を見ていると、こう言う取り組みに対して「女性を使って収益化している」とか「広告を強制的に見せることで・・・・」といった反論が出るかもしれません。また、完全無償での給付・配布を「是」とする方々から見たら「けしからん」とお叱りを受けるかもしれません。

でも、今回の取り組みは僕たちにとっても大きな挑戦であり、社会に対する提案の一つだと思っています。

社会が抱える課題を”給付”ではなく、持続的な仕組みの中で解決していく

こういった未来を作るために、自分たちが何をしていけばいいのか。
少なくとも、生理用品へのアクセスの課題解決に向けたお取り組みをされている方々にとっては私たちが目指すゴールは全く同じ地点だと思っています。そこに向けて、より早く社会と対話をしていくためにもよかったらこの「トレルナ」プロジェクトを一緒に推進していきませんか?

素敵な未来を一緒に作っていきたいです。
2022年5月9日
株式会社ネクイノ代表取締役
いしけん


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