見出し画像

ネクイノ2.0が始まります。

注)このnoteは、株式会社ネクイノ代表取締役の石井健一が株式会社ネクイノメンバー向けに書いているnoteです。そのため、使用している用語に通常で使われているものと意味合いが異なる場合があります。

0.はじめに

今日のテーマはこれ↑↑↑です。本日AMに、共同で記者発表をしてきました。その中で使用したスライドを使いながら、このプロジェクトで「何を」やりたいのかを共有したいと思います。

1.ネクイノの事業領域とその目的は?

改めて、ネクイノのミッションは?

「世界中の医療空間と体験をRe▷desig(サイテイギ)する」です。このミッションを実現のためには、良質なPHRの構築が必要不可欠だ、って僕は考えていて、そのPHRを日本国内で整備するために必要な3つの事業領域を中心にネクイノは活動しています。

PHRとはPersonal Health Record(パーソナル・ヘルス・レコード)の略称で、患者さま本人が生涯にわたって保持する電子カルテ(生涯型電子カルテ)のことです。医療や健康領域におけるICTの導入が進む今、PHRへの注目が高まっています。
PHRは、患者個人の健康に関する医療情報・データを記録し、クラウドなどを通じて一元的に管理します。もともとの設計思想は、国民一人ひとりが健康・医療・介護の情報を自ら管理することで、日常生活の改善などのセルフケアを実現し、健康寿命の延伸を目指すものです。
引用:https://www.doctor-vision.com/column/2021/01/phr.php

スクリーンショット 2021-11-29 12.40.19

図1 ネクイノの事業領域

PHRとはなんぞや?とは、PHRがあるとなぜDXが進むのか?ということについてはまた何処かで書くとして、良質なPHRを構築するためには医療機関レベルの診療情報が必要である→でも医療機関に「ください」って言ってもらえるものではない→では診察をジャックしてユーザーと共有しよう、という思想で診察のデジタル化=オンライン診察に取り組み始めたのが2016年。現在の基幹サービスであるスマルナは2018年から展開しています。2021年10月末までに、そのアプリは62万ダウンロード、ユーザー登録数は48万人を超える国内最大級のオンライン診察プラットフォームです。

スマルナは本人登録を行わなくても利用できる部分があるのでダウンロード数>ユーザー登録数になっています。

スクリーンショット 2021-11-29 12.46.49

図2 スマルナで収集しているデータの特性(本日記者会見資料より引用)

スマルナではユーザー/医療機関との信頼関係のもと、データプラットフォーマーとして医療機関とユーザーを繋ぎ、上記に示すようなデータ類をサーバー上に格納しています。もちろん、個人情報は適切な管理を行い権限のない人/医療者が勝手に診療情報等を閲覧することはできません。

収集しているデータを改めて書き出すと
①本人からのupload情報(主に問診によるもの、合併症や既往歴など)
②診察室でのやりとりを中心とした医療情報(処方されたお薬、および服薬状況、検査データなど)
③ウェアラブルデバイスなどからuploadされるセンシング情報

と言ったもので、これらはそのままの(定量的な)データとしても役に立つし、例えば「定期的に医療機関を受診している」や「医師の指示に従って検査を実行できる」、「処方された医薬品を適切に服用できている」といった医療に向き合う態度・考え方などの(定性的な)情報も活用できたりします。この、定量的な情報や定性的な情報をどう扱っていくか、その他の情報と組み合わせていくか、というのが重要になってきます。

ネクイノではスマルナ(診察のデジタル化)以外に検査のデジタル化事業、IDの繋ぎ込み事業っていうのも実施しているんですが、それぞれがデータを生み出す事業、生み出されたデータを有機的に繋いでいくために必要な事業として重要なポイントがありますが、今日の本筋からはそれちゃうのと、スマルナだけで説明した方がわかりやすいので残りは一旦割愛しますね。

2.で、何をするの?

スクリーンショット 2021-11-29 12.57.21

図4 まとめで使ったスライド(本日記者会見資料より引用)

このスライドだけみるとなんや・・・って感じですが、このPHRによって、病気になる前に自分に最適なアドバイスや生活支援が行える、未病(発病には至らないものの健康な状態から離れつつある状態)の状態で必要な検査や医療機関へのアクセスを確保する、実際に治療が必要な場合に医療機関へ橋をかける・・・と言ったような仕組みが提供されるようになります。

あれ?どこかで聞いたような話・・・?

そうです、↑↑↑これです。(まだ動画解説の2発目のnoteリリースを出してなくてごめんなさい)

2021年現在に僕達が提供しているスマルナはこの「治療(処方)」フェーズを主にカバーしています。ですが、

スクリーンショット 2021-11-29 13.33.37

図5 ウェアラブルデバイスから情報を取得しているシーン

スクリーンショット 2021-11-29 13.34.04

図6 診察予約をAI(アバター)がレコメンドしてくれているシーン

これなんかはまさに「未病」フェーズのアプローチです。この状態でリアルの医療機関を受診(検診)できるケースって少数派で、多くの人は「もうちょっと様子をみよう」という状態のまま時間が経過してしまいます、で、結果的に「治療」フェーズでの受診・・・ってなるのを防ぐものです。

こういった、データに基づく◯◯◯をそうやって提供してくか、ユーザーに返していくか、ということに頭を捻ってたどり着いたのが今回の取り組みなんです。

そうそう、こういったデータの利活用の時に「個人情報は!!!」って論点があるので、そこも整理をしておきます。

スクリーンショット 2021-11-29 13.54.57

図7 個人情報の取り扱いの概念図(本日記者会見資料より引用)

3.NTTコミュニケーションズ社のSDPH

今回のパートナーとなってくださる企業は、NTTコミュニケーションズ社です。そうです、あのNTTグループです(拍手)!!彼らが開発した、Smart Data Platform for Healthcare(以下、SDPH)という仕組みにスマルナのデータを格納します。(SDPHについてはコチラ

僕達ネクイノは、医療データの取り扱いに関して3省2ガイドラインなどに準拠したデータ保存を行なっています。が、今回の取り組みのようなデータを用いた利活用、個人情報の取り扱いなどについては技術的なポイントだけでないユーザーや市場からの「信頼」という目に見えないものを必要とします。そう言った中、上記に書いたようにNTTグループ!!という最も信頼できるプレイヤーの方々とコラボできることはネクイノだけでなく、ユーザーにとっても大きな安心感を提供できるのではないかな、と考えています。

このSDPH上では、データを利活用する際に必要な個別合意の取得秘密計算(個人情報を外した統計データ処理)など高い技術力に基づくコンポーネントが実装されており(今後実装される予定含む)このように技術力・信頼度の高い大きな企業とのコラボで僕達が提供したい未来を実装していくフェーズにネクイノも進化してきました!、ということを皆さんに共有したいと思います。

4.「で、なにが課題」だっけ?

いつも言っている、「日本の医療は本当に素晴らしい、だけど」をここでも書きます。まず、スマルナが属する領域でもある、(産)婦人科医療を引きで見ると、①婦人科腫瘍(がん)の領域、②お産を含む周産期の領域、③妊活など生殖・内分泌領域、④全般的な体のケアを行う女性医学(セクシャルウェルネスもここに含まれる)があります。

スクリーンショット 2021-11-29 14.52.32

図8 産婦人科領域とは(本日記者会見資料より引用)

スクリーンショット 2021-11-29 14.52.41

図9 乳がん・子宮がんの生存率(本日記者会見資料より引用)

①の領域について。生存率が全て、ではないのですが諸外国と遜色のない世界最高水準の医療が提供されていることがわかります。

スクリーンショット 2021-11-29 14.52.46

図10 周産期死亡率について(本日記者会見資料より引用)

このグラフは縦軸に妊婦死亡率、横軸に新生児死亡率をプロットしています。②周産期において、日本では妊婦・新生児共に低い死亡率にあることがわかります。改めて、日本の医療は素晴らしい。

スクリーンショット 2021-11-29 14.52.57

図11 婦人科検診の受診率(本日記者会見資料より引用)

一方、病気になる「前」のプロセスについてはどんなもんでしょう。↑↑↑は婦人科検診の受診率を他国と比較しています。

スクリーンショット 2021-11-29 14.53.02

図12 HPVワクチン接種率(本日記者会見資料より引用)

最近、積極的推奨の見直しの中止(なんて日本語だ・・・)が発表されたHPVワクチンについて、これは明らかに「低い」接種率です。いろんな事情があるのは十分承知の上ですが、日本という社会の中では「病気になる前」の選択肢に対するリーチが諸外国に比べ充足していない、というのが正しい解釈かな、と思います。(設備や技術はキャッチアップしているにも関わらず)

5.ネクイノ2.0とは

ここまでつらつらと書いてきましたが、事業領域の横軸を

治療だけでなく未病、疾患啓発フェーズへ

っていう時間軸の進化と

データに基づいた最適化の提案で、
予防的アプローチに大きなイノベーションを

っていう新しいコミュニケーションのあり方を強力なパートナーと共に紡いでいきます、という意思表示が今日でした。この、2.0への進化もとっても重要ですし、当然2.1以降のアップデートについてもすでに準備は始まっています。なので、これからもネクイノメンバー一丸となって

世界中の医療空間と体験をRe▷design(サイテイギ)する

っていうミッションの実現に向けて、一歩一歩前に進めていきましょう!

2021年11月29日
株式会社ネクイノ
代表取締役 いしけん



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?