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超ド級の無能仲介者のせいで憤死した仕事の話。

「無能な人が間に挟まった結果、仕事のストレスが爆増した」という経験をお持ちの方は、少なくないだろう。

そもそも、「間に挟まる人間」など、存在しないに越したことはないのだ。人が増えれば増えるほど、コミュニケーション失敗のリスクが大きくなる。伝言ゲームでどれだけ情報がねじ曲がるかは周知の通りだ。やり取りの量は最小限の方がいい。


仲介者がいなければコミュニケーション失敗のリスクは1回のみ



仲介者がいるとリスクが2倍になる


したがって、「仲介をする」というのはこの上なく芸術的な技能である。価値を発揮するのが最も難しい類の仕事と言っていい。よほど上手に気を遣って橋渡しをしない限り、「単に情報を伝えるだけの伝書鳩」になり下がる。価値がないどころか、マイナスですらある。仲介者はいたずらに伝言ゲームのリスクを増すだけになりがちだ。

しかし、往々にしてクリエイティブの業界はこういう形になっており、意味不明な伝言ゲームの中でクリエイターが振り回されることが多い。もちろん優秀な仲介者は美しい橋渡しをしてくれる。でも、残念ながら僕の体感値では、優秀な仲介者は全体の半分に満たない。この世は地獄だ。

「無能な仲介者が消滅してくれれば世界はもっと素晴らしい作品が増えるはずなのになぁ」と思いながら、諦めて日々生活している。無能な仲介者に無意味に報酬を抜かれながら笑顔で生活するのが、大人の責務だ。

クリエイティブの世界に身を置くようになってもう10年近く経つ。無能な仲介者の存在にも慣れた。複雑怪奇な社会の中にはこういうフリーライダーが存在するのは避けがたいのだ、などと達観して暮らすようになり、疑問に思うことすらなくなった。

だが、そんな安寧な生活を送っていた僕に、黒船が訪れた。超ド級の無能仲介者が出現し、「こんなことあり得るのか???オレ、夢でも見てる???」というほどのストレスが降ってきた。

その無能さはまさに驚天動地。僕がいままでに見てきた大量の無能仲介者の中でもぶっちぎりの1位である。2位に百馬身差をつけて勝利する、圧倒的な無能さだった。


その仲介者の無能さについて詳述しよう。

我々に来たとある仕事の話だ。決裁権者は素晴らしく物分かりの良い人で、有能だった。僕たちとも気が合うし、非常に円滑なコミュニケーションが取れた。

だが、間に入った仲介者が極上の無能で、一事が万事意味不明の言動を繰り返した。決裁権者に直接話せば1分で理解してもらえることを説明するのに1週間かかった。この仲介者が我々のストレスを誇張なしで300倍くらいに膨らませていた。

今日書くのは、この極上の無能仲介者の話。僕が舌を巻いた、他の追随を許さない無能を、じっくりお見せしたい。普通に生きていればお目にかかれない珍獣の生態を楽しんでいただければ幸いだ。


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それでは早速見ていこう。今回扱いたいのは、こちらの一件……。


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