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「まえがき」を書き直す。バカに届くように。


この半年間、心血を注いできた本『ビジネス書ベストセラーを100冊読んで分かった成功の黄金律』がとうとう予約開始になった。

1冊の本が出るというのは、感慨深いものである。頭を捻りながら構成を考え、文章を練り、編集者とアレコレやり取りをしながらやっと完成する。「我が子のようなもの」という表現はあまりにも使い古されているけれど、しっくり来る表現だと思う。常套句には、時の篩を越えてきた強さがある。


お陰様で既に結構な予約が入っており、Amazonの「ビジネス実用本」のランキング1位を獲得している。3日連続で。

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※こうして並んでも特に違和感がないのがすごい。実態としては全然ビジネス書ではないし、むしろビジネス書をバカにする本なのだけれど。


大喜利をしやすい、ネット的な本

今回は、前著ほどマーケティングに力を入れているワケではない。日々に忙殺されており、あまり多くの施策を打てなかった。

だけど、ネット上での反応は上々で、前著より良いぐらいだ。

その要因は、大喜利的に参加しやすい、ネット的な本であることが大きいだろう。

「ビジネス書を読みまくっている人を茶化す&騙すぞ!」というコンセプトの上で生まれた本なので、皆がノリノリで参加してくれている。

こうツイートした途端に、皆協力してくれた。





ハッシュタグを検索すると、まったく同じ文言のツイートが100個くらい並んでおり、ちょっとしたテロみたいになってしまった。「レイバンのサングラス激安」を彷彿とさせる。アルゴリズムでBANされないか不安である。


「皆でバカを騙そう」というこの上なく性格の悪い試みは、往年の2ちゃんねるっぽさがある。計算してコンセプトを決定したワケではないけれど、結果としてインターネットに映える本になった気がする。

なんというか、プロセスが紆余曲折あった上で最終的に良いゴールにたどり着いたという感じだ。これがプロセスエコノミーである。(「いや違うだろ。プロセスを見せると物が売れるって話だろ?」と思われた方もいるだろうが、驚くべきことに『プロセスエコノミー』は用語の定義がグラグラで、こういう使い方もされていた。面白かった)


定義の揺れが面白いので、『プロセスエコノミー』はオススメの本である。「あなたの定義揺れが価値になる」といった趣がある。


予約特典もあるので、予約してね

これがどういう本なのかについては、noteでもYouTubeでもTwitterでも散々語ってきたので、多くは語らないでおく。一言で表すなら「ビジネス書の教えを上手いこと矛盾するように並べて茶化した本なのに、パット見はビジネス書とまったく同じ外見に仕上げた現代アート」である。Amazonレビューでキレる人まで含めて初めて完成する本だ。


で、新たな情報として言っておきたいのは、「予約特典を用意できたので皆予約してほしい」だ。

それは、ビジネス書100冊のうちの1冊『読みたいことを、書けばいい。』の著者である田中泰延さんとの対談である。


前後半の配信にして、前半はマイルド、後半はぶっちゃけ、という内容にする。前半は誰でも見られるようにして、後半は予約者のみが見られるようにする。過激な部分に課金させるスキーム。

YouTubeにちょっとエッチな動画を投稿して、もっとエッチな動画は有料で配信する人がいるが、アレとほとんど一緒である。過激さに課金させると儲かるようなので、僕もあやかりたい。実質ライブチャット嬢である。


対談相手の田中泰延さんは著書の中でもノウハウ本について苦言を呈しており、「ハーバード流スタンフォード術なる本を読んでも、そう簡単にハーバードしたりスタンフォードできたりはしない」みたいなことを書いていたので、対談相手としてすごくピッタリだと思う。

開催概要はこんな感じ。

【開催概要】
・4/13(水)19時~21時半
※アーカイブ視聴可能

・前半(マイルド)は誰でも視聴可能、後半(ぶっちゃけ)は予約者限定

・泰延さんなりの視点から、ビジネス書/ノウハウ本についての意見や、インターネットで怒られることについての所感を語ってもらいます(僕もめっちゃ喋ります)


で、申込み方法はこれ。メール送らないと申込みにならないのでご注意を。

【申込み方法】

Amazonでご予約の上、予約したことが分かるスクリーンショットを添付して、以下のメールアドレスに空メールをお送りください。

horimoto.business@gmail.com

〆切:2022年4月13日20時30分(※それ以降でも受け付けますが、ライブ配信開始までに送付が間に合うかどうかは保証できかねます)


実際に使った100冊を机上に並べつつ、「この本すごいっすよね~ww」という話をしようと思う。

田中泰延さんはややこしい写真などもお持ちなので、多分おもしろくなると思う。面白くなるように精一杯頑張りますので、皆さんよろしくお願いします。


ご予約はこちらからどうぞ。


「まえがき」を2パターン公開

さて、今日は本の販促noteとしてこの上なくベタな「まえがきを公開」をやろうと思う。

ただし、公開するまえがきは2パターンある。

ひとつは、実際に本に使われたヤツだ。

そしてもうひとつは、封印したヤツ。なぜ封印に至ったかというと、バカにしてる感じが出てしまったからだ。


本書は現代アートであり、「ビジネス書を愛読してる層がパラパラ立ち読みした結果、間違って買って帰る(そして、Amazonレビューでキレる)」という流れを志向している。

そのためには、前書きでバカにしてる感じを出してはいけないのである。

かといって、ウソをつくワケにもいかない。僕は書き手として誠実でありたいので、ビジネス書を礼賛することもできない。

ではどうなったかというと、どうとでも取れそうなボヤッとしたスタンスで書くことになった。

早速、ご覧いただきたい。


まえがき(採用バージョン)

シントピカル読書、という言葉がある。

同じテーマについて書かれた複数の本を読むことを指す。初めてこの言葉を知ったとき、「なぜそんなことをするんだ?」と思った。当時の僕は大学生で、シントピカル読書の価値はよく分からなかった。

それから僕は物書きになり、文章でメシを食うようになった。プロになってからは、いつもシントピカル読書をしている。一定以上の品質の文章を書こうと思ったら、シントピカル読書は必須だ。

なぜなら、一冊の本に書かれている情報は、著者の偏見から逃れられないからだ。テクノロジーに否定的な著者の本を読むと「テクノロジーは悪」と感じさせられるし、テクノロジーを礼賛する著者の本を読むと「テクノロジーは素晴らしい!」と感じさせられる。一冊だけ読んで何かを論じると、他人の意見に引っ張られてしまう。だから、テクノロジー賛成派と反対派、両方の本を読んだ方がいい

シントピカル読書の本懐はそこにある。色々な立場の人が論じているものを合わせて読むことで自分の意見を醸成させることができるし、多角的な視点を組み合わせることで、一冊では見えてこなかった答えが見えてくることもある。何を学ぶ上でも、シントピカル読書は大いに役に立った。

こうなってくると、気になることがある。

この手法を、ビジネス書に応用したらどうなるだろう?

ビジネス書といえば、「こうやれば成功できるぞ!」という、成功するための教えが並べられているものだ。その中には、似たようなものもあれば正反対のものもある。たとえば、「血を吐くほど努力しろ」と「結果を出すまでは1日も休むな」はほとんど同じ教えだが、「ムリは絶対しちゃダメ」や「自分の心をじっくり休めよう」とは矛盾する。

でも、こういうものを全部並べて、整理して、比較してみたら、何か素晴らしい発見にたどり着けるんじゃないだろうか?

だから、僕は今回、ベストセラーになったビジネス書を100冊読んでみることにした。100冊読んで、すべての教えをスプレッドシートにまとめて、一覧を作った。
これらの教えの共通点や相違点を考えることで、「本当に良い教え」、いわば「成功の黄金律」だけを抽出できるんじゃないだろうか?

そんな探求を本の形にまとめたのが、本書『ベストセラーのビジネス書を100冊読んで分かった成功の黄金律』である。ビジネス書にしょっちゅう出てくる教えだけを抜粋して並べ、比較検討しつつ、組み合わせて利用可能にした。

皆さんは本書の教えを活用したり、眺めて楽しんだり、お好きに使ってほしい。ビジネス書を100冊読むのは大変でも、本書1冊ならば鼻歌交じりで読めるだろうから。

それでは、そろそろ出かけよう。成功の黄金律を巡る、探求の旅へ──!
(※)

※……ベストセラーのビジネス書は、まえがきのラストがこんな感じのことが多かった。まえがきの黄金律である。


採用バージョンについての所見

どうだろうか。最後だけちょっとイジリが漏れてるけど、全体としては「もしかしたら成功できるかもしれないから試してみました!」という内容になっており、特に腐してはいない。

一方、以下の「不採用バージョン」は、バカにしてる感じをもっとはっきり出してしまった。しかも、N進数がどうとか、小難しい話をしている。これでは普段からビジネス書を読んでいるちょっと頭が弱い人に買わせるのは難しいだろう。

以下、丸々掲載する。有料になるが、興味のある方はぜひ課金して読んでほしい。単品購入(300円)もできるが、定期購読(500円/月)がオススメだ。いつ入っても今月書かれた記事は全部読める。3月は4本更新なので、バラバラに買うより2.4倍オトク。


まえがき(不採用バージョン)

書店を歩いていると、大きな文字で書かれたタイトルが目に飛び込んでくる。『人は話し方が9割』。

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