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「虚業の二乗」みたいなしょうもない会社と、その本質の探究【前編】

いい歳して恥ずかしいことに、インフルエンサーとして生活している。いつまでたっても虚業家である。

にも関わらず、みんなが異常にチヤホヤしてくれるので態度ばかりが大きくなっていく。よくない環境だ。調子に乗っていたらみんな叱ってほしい。謙虚さを持ち続けたい。


さて、インフルエンサーとして生活なんぞをしていると、「Z世代の価値観をコンサルする会社!」とか「インフルエンサーのためのプラットフォームを提供する会社!」とか、虚業の二乗みたいな会社から死ぬほど連絡が来る。インフルエンサー(虚業)の収入を何となくかすめ取るという虚業。虚業の入れ子構造である。虚業この上ない。虚数は二乗すると実数になるけど、虚業は二乗するとより虚業になるのだ。

「うちの会社に所属してみませんか!?うちの会社があなたを宣伝しますよ!売上の2割を納めてくれるだけでOK!」みたいな話が死ぬほど来るのだが、たいていの場合その会社のフォロワーは300人ぐらいである。なぜそんな宣伝能力のない会社に僕が金を払わないといけないんだ。むしろ所属してやるからお前が金を払え


……いけない。良くない。謙虚さを持ち続けたい。しょうもないオファーが来たからって、晒したり、悪態をついたりするのはやめよう。

とまあそんな方針で、ひっきりなしにくる虚無のオファーを僕はテキトウにやり過ごしていた。「はいはい。また虚無の会社から虚無のオファーね。人間はテクノロジーで生産効率を上げてしまったから、虚業をやらないと労働時間が余るんだろうな」などとテキトウなことを考えながら、オファーメールを読み飛ばす。AIが仕事を奪う、なんて言うけれど、大半の人間の仕事は既に奪われている。仕事を奪われた人間が無理やり生み出したメールを右から左に受け流すのに、すっかり慣れてしまった。


だけど、こないだ来たオファーは、受け流せなかった。

その会社はあまりにも虚無で、あまりにもツッコミどころが多かった。

そして、ダメな会社の特徴をすべて兼ね備えていた。まるで、失敗する起業の典型例を僕たちに教えてくれるみたいだ。

僕は、その会社のWEBサイトを舐めるように見ながら、小一時間ぐらい大笑いを続けた。何もかもダメで、何もかも面白かった。会社WEBサイトを開いた瞬間に爆笑したのは初めてだ。

何もかもが最高だったので、思わず「御社に興味があるのでぜひ詳しく教えてください」とメールを返信してしまった。何もウソはついてない。僕はこの会社に興味津々だ。死んでも所属したくないけど


そういうことで、今日はこの会社について書こう。しょうもない会社についての悪態は書きたくはないけれど、ここまでしょうもなければ逆にエンターテイメントとして昇華できる。悪態の香りなどは一切残さず、純粋に楽しむための文章にできる。

例のごとく、ここから具体的な社名が出るので有料になる。単品購入(300円)もできるが、定期購読(500円/月)がオススメだ。11月は5本更新なので、バラバラに買うより3倍オトク。

また、本シリーズは前後編である。前編ではこの会社のヤバさについてざっくり見ていく、いわば「ヤバい会社概論」である。一方、後編ではこの会社の細かいヤバさと、そこから引き出せる教訓について見ていく。「こういうテキトウな財務だと詰む」といった話を扱うので、いわば「○○株式会社から学ぶ、起業失敗の黄金律」である。ぜひセットでお楽しみいただきたい。前後編でバラバラに買うと600円なので、これだけでも定期購読の方が安い。ぜひこの機会に定期購読をご検討ください。


それでは早速見ていこう。今回オファーをくれたのは、この会社……。

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