技能
技能を語る前に、まずは私たちが生活する上で欠かせない、言語というものについて話していきたい。
世の中にはさまざまな言語があるが、それらの差異はソシュールの言うように、事象の区切り方によって生まれる。例えば英語のchargeという単語は日本語では料金という意味があるが、それ以外に責任という意味も存在する。これら複数の意味を日本語で一つの括りにすることはできない。なぜそれができないかといえば、英語圏と日本語圏の事象の区切り方が異なるからだ。
事象というのはその地の自然や文化によって区切られ、それが進行することで英語や日本語という概念が形成される。つまり、言語というのは私たちの目の前に現れた自然を、その地の感性によって小部屋を作るように仕切り、出来たたくさんの小部屋を集結させ大きな家にしたものだといえる。その小部屋を集合とおけば、言語は膨大な集合からなる、一つの巨大な集合である。
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