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スタートアップがエンジニア組織を組成していく取り組み

はじめに

こんにちは、SARAH CTO の林です。
この記事では SARAH の事業が拡大していく中で、昨年取り組んだエンジニアの組織体制構築についてご紹介します。

組織を考えるにあたり、あらためて組織とはどういうものなのかを調べてみました。
Google の Oxford Languages では以下のような定義がされています。

「《名・ス他》ある目的を目指し、幾つかの物とか何人かの人とかで形作られる、秩序のある全体。そういう全体としてのまとまりを作ること。また、その組み立て方。」

私はこれを「目標を達成するために必要な機能と役割を持った集団」ということと捉えました。

SARAHでは全社で目指す目標をミッションとして定義していますので、
エンジニア組織としては、ミッション(目標)を達成するために必要なエンジニアリング(機能)とロール(役割)を持った集団という形になります。


SARAHのミッション

SARAHのミッションは「よりよいごはんとの出会いをつくる」です。このミッションを達成するためにメンバー全員で動いています。具体的には食のエコシステムを作ることでこれを実現しようという構想を描いています。これは「外食」だけにとどまらず、コンビニをはじめとした「中食」、自宅で作る「内食」までの情報を集約し、ひとりひとりに合った食に出会うことができる世の中をつくることを目指しています。

詳しくはこちらの会社説明資料も読んでみてください。


SARAHの事業構造

ミッションを達成するために、SARAHでは現在2つの事業を開発運営しています。
ひとつめがユーザ投稿型のグルメコミュニティアプリSARAH (以下 SARAH App) です。ユーザが投稿しやすいようスマートフォンのネイティブアプリを提供し、料理一皿一皿に対する口コミを集め、ひとりひとりに合った一皿との出会いをつくります。

ふたつめは一昨年に正式版をリリースしたFoodDataBank 。SARAH App に投稿されたデータを活用し、外食市場や顧客ニーズを明らかにするSaaS型の分析サービスです。
食品メーカーなど食を作る方が、消費者が何を食べ感じているかを知ることができるサービスです。

そしてもうひとつ飲食店向け電子メニューサービスSmartMenuもこれから立ち上げていくところです。


SARAHのエンジニア組織

事業を進めていく上では様々な課題に直面しますが、組織はこれらに適切に対応できなければなりません。エンジニア組織としては、事業戦略を基にそれらをエンジニアリングに落とし込み、素早くサービスへ反映していくことが求められます。そしてこれらは時間とともに劣化していくため適切なタイミングで刷新していく必要もあります。

これまでは、初期からいるメンバーがフルスタック的に開発できたこともあり全員が各領域を兼任しながら開発を回すことができていました。SARAH App の開発が落ち着いたタイミングで、FoodDataBankの開発に移り、それが終わるとまたSARAH Appの開発に戻るという感じで、逐次的に開発を進めていました。

この進め方は SARAH Appの開発で得た教訓や反省点をFoodDataBankに活かすことができ、FoodDataBank開発で得た知見をSARAHにフィードバックできるなど良い面もありましたが、FoodDataBankが正式版としてリリースされ、事業として本格的に稼働していくことになり、各事業ごとにスピード感を持って開発に集中できるように体制を整える必要がでてきました。
またシステムの増改築を繰り返してきたこともあり、溜まってきた技術的負債についても適切に解消していくことが求められてきます。


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いままでの組織体制

組織形態には機能型組織、事業部制組織、マトリクス型組織などいろいろな形がありますが、今回SARAHのエンジニア組織では事業を主軸に置きながら機能と役割を繋いだ形を取りました。

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新しい組織体制

SARAH AppはBtoC、FoodDataBankはBtoBというようにビジネスの性質が違い、(またフロントエンドもネイティブアプリ主体とweb主体といった形で)、プロダクト開発の進め方も異なるため、それぞれの事業に合わせて機動性を高められるような形を取りました。

SARAH、FoodDataBank、SmartMenu の事業ごとにフロントエンド、バックエンドの役割を担うロールを設定することで、それぞれの事業ごとに他の職種と密に連携し、SARAHの課題、FoodDataBankの課題を明確に分けて扱うことができるようになりました。
(Spotifyモデルでいうところの Squad と Chapter の構造に近いかもしれませんが、まだ小さな組織なので 1事業=1Squad のような感じで、Tribeはありません。)

また、システムやデータのサイロ化を防ぐため各事業とは別に、SREとデータ周りを専門的に扱う役割を事業横断的に定義しました。

これにより全社的な目標である食のエコシステムを構築する上で重要となるアーキテクチャ戦略、データ戦略を一元化して考えられるような体制にしました。自然言語処理、画像解析処理、レコメンドなどを中心に、食のエコシステム構築に向けて欠かせない技術を主体的に扱っていくことを考えています。

また、週1回エンジニア全体の定例ミーティングを設け、各事業やロールで扱った技術や自分の試した技術を発表するなどして情報の共有を図っています。

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これから

P.F.ドラッカーは著書の中で以下のように書いています。

「組織は創造的破壊のためにある」
「組織は自ら確立した、製品、サービス、プロセス、技能、人間関係、社会関係など、習慣化されたもの、馴染みのもの、心地よいものを体系的に廃棄する仕組みをもたなければならない。絶えざる変化を求めて組織されなければならない。」

今回組織体制を整理したことで、整理する前と比べ、各機能・役割が明確になりました。とはいえ世の中は時間とともに変化していきます。そしてそれに合わせて事業も変化していきます。

その中で機動性を損なわず事業戦略と密接に繋がり各事業の目標を達成するよう、エンジニアが主体性を持って世の中の課題を解決していける組織を作っていきたいと考えています。

SARAHでは バックエンドエンジニア、SREエンジニア、データサイエンティスト全方位で新しいメンバーを募集しています。

SARAHという会社・事業に興味を持たれた方、食という最も身近なところから世の中に価値を届けるサービスを一緒につくっていきたいという方はお気軽にお声がけください。

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