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上手い選手ほど、誰にパスを出すのか考えている

 今回のテーマは「上手い選手ほど、誰にパスを出すのか考えている」というテーマです。サッカーをしている多くの選手は「あいているからパスを出す」「フリーな選手にパスを出す」「とにかく取られないように近くの選手にパスを出す」という思考でパスを送る先を考えています。数年ほど前から、ポジショナルプレーについて語られるときに、「数的優位性」だけではなく「質的優位性」や「位置的優位性」と言う言葉が話題になりました。「フリーな選手にパスを出す」ということが、どんな時にも正解になるわけではないと知れ渡ったのです。

 スペインにおけるプレー原則では「同じサイドで守備陣形を崩すことができるのであれば、同じサイドでパスを回すべき」と言われています。

 プレー原則としては「どこにパスを送ればチャンスにつながるのか」を考えて、パスの方向を判断するべきです。つまり、フリーであっても効果が薄いと思えば、そこにはパスを送る必要がありません。むしろ、相手ディフェンスが数人いたとしても「質的な優位性」からチャンスにつながると思えば、そこにパスを送る方が良いのです。

 僕の経験上、上手い選手ほど誰にパスを出すべきかを考えています。ボールが奪われやすい選手や、次の判断を間違う危険性のある選手には、パスを出さないという選択をしているのです。誰にパスを出すのかで、自分の価値とチームの結果が変わってしまうということを深く理解しているのだと思います。

 どれだけ相手選手が多くても、ゴールを決めてくれる選手にパスを出せば、自分にはアシストがつきます。チャンスを作ってくれる選手にパスを出せば、チームのゲーム運びは良くなり、その流れのスタートを作っているのは自分だと評価されるようになります。

 つまり、自分の価値を高めるためには、結果を出すことができる選手を見逃したいけないということです。

 言い換えると、チャンスメイクできる選手にパスを送ることができるにもかかわらず、パスを通さなかった選手というのは、監督やチームメイトから、評価されず、信頼も失うのです。

 僕が海外に行った時、どれだけフリーでもどれだけ良い家にいても、パスが来なかったことを思い出します。今では、その理由がわかります。当時は「差別」や「いじめ」だと思っていました。彼らはいたって健全な考えで、判断していたのがわかります。

 初めての環境で、自分にボールが集まってくるような状況を作り出すには、自分でボールを奪って結果を残すことが不可欠です。守備ができないとどうにもならないというのは、ここでもよくわかります。

 最初からパスをもらえる環境は、高いレベルの環境とは言えません。上手い選手ほど、誰にパスを出すべきかよくわかっているので、初対面で未知数の選手に簡単にパスを出すことがどれだけリスクの高いことがわかっています。

 自分の価値を高めて、チームを勝たせる選手になるためには、ひどいと思うかもしれませんが、情けを捨てて「結果を残すことができる選手にパスを出せ」というお話でした。

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VORAZ FUTBOL CLUB(ボラスフットボールクラブ)は、スペイン産ポゼッションフットボールを体現する、滋賀県大津市のサッカークラブです。現在は、日本サッカー協会にチーム登録し、滋賀県・社会人サッカー連盟に加盟しています。活動の場は、主に日本サッカー協会主催の関西社会人サッカー・滋賀県社会人サッカーリーグ戦です。

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