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S&Cコーチの仕事は誰のどういう悩みを解決しているのか?

S&Cコーチとして活動していると、全ての人がストレングス&コンディショニングコーチについて知っているような錯覚になりますが、ほとんどの人が聞いたことがない職業名だなあと改めて思いました。

まず、仕事とは何か?から考えてみます。

本来、仕事は需要と供給でなりたっています。

ほしい人がいて、必要だから”お金を払って”買う

商品を作る人がいて、”お金をいただいて売る

しかし、チーム内で商売が発生しているわけではありません。「あなたのトレーニングをいくらいくら払って買います」「私のトレーニングは1回いくらいくらです」という売り買いがありません。

そこに金銭のやり取りがなかったとしても、誰かの困っていることを解決するのが仕事です。

しかし、ほしいからお金を払う、ほしくないし払わない(=ほしくないものをムリヤリ買わせようとしても買うわけがない。)関係がないため(?)

か自分はこれがやりたいんだ!S&Cとはこうあるべきだ!となってしまい、うまくいかないことも多々あります。(決してゴマをすった方が良いと言っているわけではありません。むしろゴマはする必要はありません)

そこで、S&Cコーチの仕事をただ羅列するのではなく、その仕事は誰のどういった悩みを解決しているのか?という視点から紹介したいと思います。


▶ 「S&Cコーチとして何ができるのか」を伝える

チームに初めて入る時または新しいシーズンが始まる時に、コーチングスタッフやパフォーマンスチームのスタッフ、選手、その場にいる全員に「私はS&Cコーチとしてこういう考えを持っていて、こういう仕事をします」ということを伝えます。なぜ、こういうことをするのかというと、

・S&Cコーチって具体的に何をする人?なんとなくわかるけどイメージがわかないと思っている人
・S&Cコーチはわかるけど職域をはっきりさせたい、、と思っている同じパフォーマンスチームのスタッフ
・どんな感じでトレーニングするの?(やみくもにガンガン?)と思っている選手

こういうカタチで、S&Cコーチに対するイメージが違ったり、何をする人?という疑問や不安を少なからず持っている人もいるので、それらを払しょくするためです。(1回で全てがまとまるとは思ってませんが)

例え全員の前で伝えたとしても「え?そういうことする人?」「以前のチームの人と違う。」「前にいた人と違う」という意見も必ず出てきます。それは仕方がありません。でも、みんなの前で話すことをしないと、コーチングスタッフや他のスタッフに「あの人は何をする人なの?トレーニングはわかるけど、細かなことがわからない」と思われたり、または「え?リハビリはするんですか?」とパフォーマンスチーム内で仕事がオーバーラップし、共有できなかったりする可能性も十分にあります。結局、仕事ができません。自分の仕事ができないということはチームの進み具合も遅くなります。なので、自分の考えを伝えることは早いに越したことはないんです。どのポジションでも同じだと思いますが、実はここが一番大切だと思います。

チーム内のそれぞれのスタッフが持っているフィロソフィーと仕事の仕方を知ることと共有すること。

「あなたはこのチームにどう貢献してくれるの?」と聞かれたら私はこう答えています。

勝ち続けるチームに欠かせない1つの歯車として、選手の強いカラダをつくることで貢献します


▶ トレーニングプログラム作成&指導 / 栄養・食事指導

・S&Cコーチの仕事とは? または

・S&Cコーチにしてほしいこと

と言えばトレーニングが真っ先に思い浮かぶと思います。

選手が「コート上でこういうプレイができるようにしたい」「こういう(強く、早く、高くなど)体をつくりたい」という目標を達成するためにS&Cコーチがトレーニングプログラムを作成し、指導します。つまり、こうなりたいけどなかなか自分1人だと達成できないという悩みを解決することがトレーニングプログラムの作成&指導で

目標にしている体をつくるため、動きをよくするために「いつ、何を、どれくらい食べたら良いのかわからない」という疑問を解決することが栄養・食事指導になります。

それを選手と話をしながら短期的に一つ一つクリアしていくもの、または長期的に効果を出していくものなど計画を練ってトレーニングを継続していきます。

チームでの共通したプログラムもあれば、1人ひとりのもっと細かな疑問や課題に対応することももちろんあります。

また、普段の練習や全員共通のプログラム以外で言えば、試合のプレイタイムが短い選手またはゼロの選手への対応があります。長いシーズン試合数が多いとは言え、プレイタイムや出場試合数によって”より多く”トレーニングをする機会が必要な選手もでてきます。それは「試合に出たときに動けないのは嫌だ(➡いつ呼ばれてもベストパフォーマンスが発揮できるようにしたい」「試合にでないことでコンディションが下がりたくない(➡コンディションを上げ続ける)」という問題、不安を解消するためです。


▶ カラダや動き、パフォーマンス、疲労度の測定や評価

・今の自分は筋肉がついたのか?太ったのか?
・速く走れるのか?走れるようになったのか?
・高く跳べるのか?跳べるようになったのか?
・強くなったのか?変わらないのか?弱くなったのか?

など、今の自分がどうなっているのか?知りたい人のために行うのが測定と評価です。それはこれからトレーニングをスタートする前の自分を知るためなのかまたは一定期間のトレーニング後の自分を知りたいのかがあります。選手が今の自分を知りたいと思うのと同じように、コーチが「あの選手は強くなっているのだろうか?」という疑問を解決することにもつながります。

日々の評価として疲労度を見ることもありますが、これを行う1つの例として「どれくらいの量の練習をしたら良いのか難しい(強度より量を気にされている方の方が多い印象。おおつか調べ)」と考えているコーチがいることが挙げられます。コーチは練習を沢山したいけど、やりすぎたら怪我をしてしまいそうで、どこがその境界線なのかがわからないということがあります。その疑問を解決するために、選手の疲労度をモニタリングしたり、練習プログラムを事前にコーチとS&Cで共有することが大切になってきます。

▶ 各スタッフが持っている情報や考えの伝達・共有

それぞれが進んでいる方向はあっているのか?と確認しながら進めていくことの大切さを感じます。チームが掲げている目標達成のために、今のやり方で今のスピードでタイミングで良いのかということのすりあわせです。

これはお互いが何を考えているのか疑問、不安というのを解消するためです。毎日、同じ場所に同じ時間いるからといって同じ考えて全てを共有しているとは限りません。必ずすり合わせをし続ける必要があります。

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上記以外にももう少し思い当たることもありますが、ひとまず大きくこの4つがメインになるのではないかと思っています。気づいたことがあったり、ご指摘いただいた場合は加筆・修正を行いながら記事は残したいと思っています。

サポートありがとうございます! これからもますますがんばります! うれしいです!