「絶望のシンガソング」セルフライナーノーツ

「正しい声を繋ぎ、また今日を誘う」をリリースしてから早一年
やっと振り返って音源を聴いてみたくなったので制作時期やレコーディング時のことを思い返して書いてみたいと思った
その第一弾(全8曲書く予定です。いまの所)

1曲目  「絶望のシンガソング」

産まれたのは全8曲の中で6番目

制作時期は確か2019末〜2020の夏まで
例によってコロナ禍真っ只中の間に作られた曲である

最初は確かドラムのいおりと2人で出演したライブで披露した曲をバンドで改めて膨らまそうという試みで何回かセッションを重ねていた

確かナンバーガールの復活のライブを見た直後だったので「透明少女」のように綺麗な明るいコード感でサビでシャウトするのもアリだなと思えた時期

ただ、明るいコード感にエイトビートでサビでシャウトする所謂「普通の曲」に仕上がってるように僕は感じた

奏でてる演奏は決して悪くはないんだけれど
ずっと頭をひねってた矢先である


コロナ禍が来た

自分が音楽をやっている人間だったなどと忘れかけてる日々が続く

そんな中、あるきっかけで音楽への気持ちを思い出す

最初はマイブラをサブスクで聴きたくなり
検索すると当時はアルバム音源が上がってなく「soon」のリミックスの一曲しかなかった

↓これ


なんだか聴きたかったソレとは全く違ったのだが不思議とその日の気分とマッチして
「不安定なコードの掻き鳴らしと重いドラムの繰り返し」というアイデアが出てきた


今でも忘れないなー
久々に触ったギターの冷たい感触
錆びてしまった弦
多分この日を逃したら永遠に逃げてしまう感覚を捕まえるため
動かなくなってた指を動かして
無限のようにある時間を費やして僕は
「絶望のシンガソング」を再構築した

その結果
その時じゃなきゃ絶対採用しないであろう冒頭部分が産まれた

この曲の冒頭は僕のコロナ禍の答え
怒り、嘆き、寂しさ
気持ちがそのまま歪んだギターの音に乗って表現できた実感はきっと何者にも変えられない

受け手の聴きやすさよりも
僕は僕のエゴで
冒頭のパートを追加した

2020年7月
ケンゴリアンズ
自主発信で配信ライブを実施
その時が確か初めてのお披露目
この曲をどうしてもすぐやりたかったのだ

そしてポツポツとライブが出来るようになり
今では高頻度でこの曲をセットリストに入れて披露している

有難いことに
数曲披露した中でも
「あの曲が良かった!」と言ってくれる方々も多い

ただこの「絶対のシンガソング」は
ほぼその声を聞いたことが無い

でもソレでいい
この曲は唯一
受け手よりも自分のエゴを選んだ曲

届くように言葉や手段を選んだ本音よりも
ドロドログチョグチョのままの本音をそのまま音にしたのだから

熱意に任せ時を刻め!
産まれた絶望のシンガソング!

ご清聴ありがとうございました。

是非音源も聴いてください。


2020年7月の配信ライブ後の写真
いい思い出



追記

レコーディングの時
僕がドアを開けて「絶望のシンガソング」
とセリフを言うのを録音したい!と突如言った際、聞いていないし面倒くさい依頼を引き受けてくれた中
マイクを持ちながらドアノブを触った時
信じられないほどの感電を身体に受け
「ひゃあああああああああああああ」
と変な声が出たのに
レコーディングの緊張感で全くウケなかったこと
スタジオスペーズ
今ではいい思い出です。

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