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僕とボードゲーム

なんとなく最終回っぽいタイトルです。
全然特に連載していないので別になんもないですけど。

先日、ボードゲーム制作の依頼をいただきました。
声をかけてくださったきっかけは、僕の作ったどれを遊んでくださったのでしょう?
って尋ねたところ、きっかけはなんとこのnoteを読んだからとのことです。

ありがたいお話です。
皆さん書くといいっすよnote。仕事に繋がるかもです。

で、そのときのお話で興味深かったのは
「大塚さんの好きなようにやっていただきたいです」
と、言っていただきまして。

や、めっちゃ、わかります。共感します。
僕も美容師さんに髪切ってもらうとき必ずそう言います。
「僕は髪型全くわからん。だから、プロにいい感じにしてもらいたい!」
希望はそれ以外にはありません。

常々言っていますが、麺の固さとか味の濃さとかラーメン屋さんには聞かないで欲しいです。シェフが思う最高を出して欲しいです。
で、また来るかどうかを判断したいです。

ただ、不思議な物で、自分が依頼いただく立場だと、
めちゃめちゃコミュニケーションを取って、どんなゲームが欲しいのか
とにかく探ろうとします。
課題を探り、問題を解くっていう気持ちになります。
それもまた楽しくて好きだったりします。

ただただ“好きなように”は自分で作るときだけかなって思ってたので、
自分が言われて驚きました。

で、そんなときですよ。
デザイナーとして迷わずすっと答えられなきゃダメですよね。
“大塚健吾の好きなボードゲーム”
実際に話した内容をまとめておきたいと思います。

“自分がなぜボードゲームが好きなのか”
多分、みんなあんま言語化してないと思います。
厳密にきっちりとって意味では僕もしてませんでした。
かの有名な団長さんも自分を掴むカギはそこにあるって言ってたので、
やってみるといいです。

僕の場合、要するにコレです。

“知的でカッコイイ非日常体験だと思ったから”


大っきい字で書いてみました。見出しに。
約12年前ですね。最近ボードゲームに興味を持たれた方は多分信じられないでしょうけど、僕は確かにそう思ったんでした。

ただ、はっきりとこの表現で語れるようになったのはここ数年の事で。
以前は次のように言っていました。

“『カイジ』をリアルにやれるんだぜ!!”

『シノミリア』のコレとかそういう感じ

意味としては、まぁ、同じことを言っていますが、
例えた分、本質的なとこが伝わりづらい表現だなと今なら思います。

これもこのnoteで繰り返し書きましたが、
“ボードゲームは◯◯である”
みたいな定義にあんま意味はなくて。
というのも、主語である“ボードゲーム”がめちゃくちゃ広いので、
「いやいや、そうじゃないヤツもいっぱいあるでしょ」
っていう例外がめっちゃあって意味ないです。
結構、みんながそのへんを忘れられがちです。

「ボードゲームの作り方を教えてください!」
って聞かれたときに申し訳なくなるのが、
「麺料理の作り方を教えてください!」
ってのに近いというか、
ラーメンとスパゲッティでは大分違うし、
ラーメン屋さんって言っても出してる料理全然違うし、
一応、うちの店で出してる料理をどう作ったかなら話せますけど、
それでもよろしいでしょうか?
と尋ねています。

で、そんないろんな物がある中で、僕が何を好きになったかってのがさっきの要素です。

“知的でカッコイイ非日常体験”

僕自作ではこの3つをめちゃくちゃ大事にしています。
「大塚さんは独自の作品を出されている」
と評価いただくのは完全にそれが理由です。
結構なネタバラシをしていますね。ホントそれだけです。

世の中的には“ボードゲーム”にこのイメージどれくらいあるんでしょう。
単語3つ並べてますけど、順位的にはどんなもんでしょう。

この3つは一見良い要素に見えますが、こじらせるとそうでもなくて。

例えば、“非日常体験”。
「海外、特にドイツではボードゲームがいろんなとこで気軽に遊ばれてて~中略~日本もそうなればいいのに」
ボードゲームを作って売っている人間としてどうなん?って話ですが、
僕コレ昔から単純に賛成はしてませんでした。
“非日常”と“いろんなとこで気軽に”は基本相反します。

“カッコイイ”。
なんか趣味ギターとか、ギター弾く人はもちろんその音色に惹かれてるわけですが、ぶっちゃけ、“なんかカッコイイ”から弾くのだそうで。
僕は運良くと言うか、12年前にそれと同じイメージを抱けるような出会いをしています。バーを貸し切ってテレビ業界のイケてる人達がディーラーの格好してアテンドしてくれました。

と、何より、僕は子供の頃から『将棋』をやっていて。
真剣な表情で謎のゲームをやっている人はそれだけでカッコイイイメージがありました。

ちなみに、処女作『理想の納豆』ですけど。
当時は、その“すかし”がカッコよかったんすよ。

“知的”
これもね。乱暴に言ったら、“なんかややこしそう”ってことですからね。
“考えなくても楽しめる!!”
みたいな言葉がポジティブなコピーになったりします。

ただ言いたいだけのこと言うと、
自分の憧れる“知的”。
複雑なテキストを読み込んで「◯◯と✕✕は噛み合うっしょ?」
みたいなの以上に
人間観察して「~と、お前は思ったよなぁ!!」
っていうのに興奮します。

そんな感じでいろいろややこしい僕の
“好きなように”
おそらく、多数のそれとは違うと思うけど、
それでも、僕がなんとかやっていけているのは共感してくださる方のおかげです。

単語3つって書きましたが、ホントは4つあって。
非日常体験。非日常と体験に分けるなら4つで。
特にムズいのが体験をデザインすることで。

『サラウアバク』なら主に岩元さんや山﨑さんのお力で世界を作ったり、
『シノミリア』なら異様に重たいチップで奪われたくないという感情強めたり。
これらはゲームを真剣に遊びたくなるようにってデザインで。
ホント“気軽に楽しく~”というのとは真逆をいっています。

ブランドイメージみたいに言うと完全に大げさですけど、
大塚がなんかやるんだったら“知的でカッコイイ非日常体験”できるんじゃね?って思っていただけたら嬉しいです。
なんかやっていきます。

あと、作り手の方で、そういうのが俺も好きだって方。
作品めっちゃ遊びたいんで連絡ください。
なんか友達になっていただけたら嬉しいです。






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