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コロナ感染経験談

僕は11月22日に新型コロナウィルスの症状が発症した。

宿泊療養の終わった今でも2回目のPCRを受け、陽性反応。
現在は自宅で隔離、在宅勤務中である。


この記事では新型コロナウィルスに罹った僕の体験をお伝えし、罹患した方が焦らずその後の対応ができるようにする為に情報提供する。


症状

症状は、発熱・頭痛・倦怠感・悪寒

38.8度で、22日の夜は高熱にうなされて眠れることができなかった。

昼間は普段からある偏頭痛と両腕にちょっとした違和感を感じていたのみだった。


最初はインフルエンザだと思っていた。
理由は僕の経験則として、2、3度罹患したことのあるインフルエンザA型の症状ととても似ていたからだ。

しかし、このご時世だ。
念の為、病院に連絡する前に県が運営しているコロナ相談窓口に連絡をして、症状を伝えた。

「味覚・嗅覚障害はない」

上記の内容を伝えると運営側の人はコロナではなく、インフルエンザの可能性が高いと判断。
最寄りの病院へと連絡することになった。


11月23日、病院へ連絡すると駐車場でインフルエンザの検査とPCR検査、抗原検査を受けることになった。


結果としては

インフルエンザ(ー)
抗原検査(+)←陽性反応
PCR検査結果待ち

1時間程待つと上記の結果が出てきた。


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現状の検査方法

先程の結果から気になるところは抗原検査(+)

この抗原検査。
精度は低いというデメリットはあるが、結果が30〜45分位で出るため、迅速な判断ができるというメリットがある。
(ちなみに先生の話では80%程の信頼性はあるとのこと)

検査方法としては鼻の奥の粘膜に綿棒を当てるというやり方で、インフルエンザと変わりはない。

抗原検査で陽性が出るということは現状なんらかのウィルスが体の中に滞在している(=疾患がある)という証拠になる。
インフルエンザが陰性ということは高確率でコロナウィルスに罹っているということがこの時点で分かる。
精度が低い=偽陽性が出るということも理解しておいてほしい。

現状PCR検査の結果が1〜2日かかると言われているので、抗原検査も合わせて実施することが多いのだとか。


先生は検査結果の説明をすると、保健所に連絡を入れる、と。
今後は保健所からの指示にしたがってほしいと伝えられる。


この辺りから実現味を増し、大変なことになったと実感し始めた。


検査後の対応

その後、保健所から連絡があり、感染経路の話や既往歴、今後の対応の話を受ける。

どうやら隔離をしてくれる場所を用意してくれるらしい。


保健所の指示もあり、とりあえず実家へ自身を隔離することにした。
今住んでいるアパートではなく、実家にした理由は下記の通り。


窓から出入りができる
トイレが付属している部屋がある


感染が疑われたらまず考えなくてはいけない事。
それは、極力人に近づかないこと

自身を隔離することを第一に考えなくてはいけない。


お風呂はどうしても共有になってしまう為、お風呂は入らないことを決意。
隔離場所を用意してくれるとのことなので、数日程は我慢。


大量の着替えや生活用品を準備、荷造りを始める。
その間も妻と顔も合わせることもせず、電話越しで必要なものを伝え用意してもらう。


食事に関しては親がいる為、なんとか用意してもらえた。
ご飯の準備ができたら、部屋の扉前にご飯をおいてもらい、親がそこから離れた数秒後に取りに行くということをしていた。
また、親と話す時も対面ではなく、扉越しで話をしていた。

うがい、手指消毒以外の予防策として、とにかく近づかないよう努力をした。


隔離対応をしたその次の日(11月24日)には保健所より連絡があり、隔離する場所が決まったと連絡が入る。

とあるビジネスホテルだった。

自宅の隔離対応は2日程で終了。

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心配事

心配事その1。

僕の妻のお腹には赤ちゃんがいる。
妊娠9ヶ月。
コロナが妊婦に及ぼす影響はまだ感染症報告例が少なく未知の領域。

だからこそ、重症化になる可能性が大いにあることを想定しなければならない。
プラスになることはまずあり得ないのだから。


当時の僕はとにかく自分のできることの最善を尽くし(近くに寄らないこと)、妻子の無事を祈ることしかできなかった。


結果としては、妻は陽性が出ることなく安定。
最悪の事態にならなくて良かったとホッとしている。


当時は同じ部屋で隣に寝ていた。
鍋やコップ等も一緒に使用していたし、お風呂も当たり前に共有していた。
それを考えただけでも、ゾッとする。

移らなくて本当に良かった。


ちなみに妻は濃厚接触者ということで、2週間ほど自宅待機。
毎日検温し、保健所に現状の症状も含め報告していた。


心配事その2

職場の心配だ。

同じフロア内で多くの方と接していた。
症状は出ていなかったにしろ、面と向かって話はしていた。

共有の会社のパソコンも触っていたこともあり、濃厚接触者に分類される方は多いのではないか。
全員PCRを受けなくちゃならないのか、業務停止命令まで出たらどうしようという気持ちもあった。


結果としては、業務停止することもなく、通常業務をしているとのこと。
誰1人濃厚接触者に該当しなかった。


ちなみに、濃厚接触者の定義とは一体なんなのか?
ここで解説をしておくと・・・。

判断基準は2つ
・距離の近さ
・時間の長さ
※厚生労働省ホームページより引用

具体的には、コロナに感染が確認された方と必要な感染予防策(うがい、手洗い、手指消毒)をせず、1m以内(手が届く範囲)で15分以上接触した方が濃厚接触者に該当する。


こういった判断から会社の方達は濃厚接触者に該当することなく、通常業務をすることができた。=PCR検査も任意となる。

ただ、自身の仕事は上司にまるまる乗っかってくる為、そこも申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
転職したばかりでそこまで仕事量が多くないのが唯一の救い。


心配事その3

自身の心配。

世間的にも感染者が増えてきたとはいえ、職場では自身が最初の1人目。
身近な友人や家族にもまだ感染者はいない。

大きな話題の的だ。

周りから何かを言われたわけではないが、感染したという事実だけでも社会からの疎外感を感じた。


責任感のある方なら自身が感染してしまったことに負い目を感じてしまう方もいるかもしれない。

幸いなことに僕の周りの環境は、心配してくれ歩み寄ってくれる方が多かった。
なので、現状はメンタル的に安心していられる状態にはある。


ただ、今は自宅待機の状態の為、外に出てはいない。
問題は仕事を始めた時にどうか。

恵まれた環境にいるにせよ、心配性の僕はどんな顔をしてみんなに会えば良いか正直わからない。


ここは追々追記したい。
ここが感染した方の知りたいところでもあるだろうから。


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宿泊療養

話を戻して、自宅隔離対応後のビジネスホテルでの生活について記していく。

ホテル生活での概要
・入退所日含め宿泊期間は10日間(状況により上下する)
・毎日朝・昼・夕に検温、
常駐看護師による電話での健康チェック
・食事を取りに行く以外での外室は禁止
・スタッフとの連絡は内線により行う
・内服薬の処方はない=体の自然治癒力に任せるスタンス
・宿泊費・食事料金は無料、国が負担してくれる

コロナウィルスは体内にいる3日間は強い感染性を持っている。
以降は体の自然治癒力により段々と感染性は弱まっていく。

7〜9日間は体の中にはいるが、感染性は弱いという状態になる。
そのため10日間は宿泊による隔離対応が必要。

例外もあるだろうが、基本的にはこの期間は隔離対応をしなくてはならないと国で決められている。


内服薬の処方はないというところに疑問を持たれると思うが、僕の場合、PCR検査を受けた医療機関でいただいた解熱薬しか処方されなかった。

内服薬については回復の信頼性を担保できるほどの薬がまだない。
加えて、薬の副作用のリスクを負わせるほどの重症ではなかったこと。
これはあくまで僕の見解だが、こういった理由だろうと容易に想像できる。

アビガンやオルベスコといった薬もニュースで話題になっているが、現状まだ認証されていないという問題がある。


何か薬が出るだろうと思っている方はそういった理由もあるので、理解しておいてほしい。
この段階で判断できるのは、薬は使わなくても自然治癒で回復できるということ。(熱発等には別の薬でアプローチは必要)

そもそも病院ではなく、ビジネスホテルに隔離をされたということは軽症であると判断して良いと思う。
都内のように明らかに病床が圧迫状態にある地域は話は別だが。


続いて、設備に関してだが。
利用したことがある方も沢山いるとは思うが、念の為記しておく。

ホテルの設備
・シングルルーム ・セミダブルベッド
・テレビ ・冷蔵庫 ・湯沸かし器 ・寝巻き
・ドライヤー ・ハンガー ・スリッパ ・トイレ付きのユニットバス

隔離前の準備として、保健所から言われた通り宿泊準備をしたが、あまり使わなかった物もあるため、必要最低限の物をお伝えする。

必要な物
・宿泊用バッグ
・スマホ ・充電器 ・タブレット(あれば)
・Tシャツ長袖3枚 ・下着3着
・靴下2足(入退所時用)+寒がりはもう1足
・退所時の着衣1セット(上着、トレーナー、ズボン)
・女性は化粧道具(テレビ電話用)、乾燥用のボディクリーム等

正直これだけで良い。

タブレットは娯楽とテレビ電話用で、スマホの画面だと小さくて見づらいという方におすすめ。
娯楽は皆無。自身で準備するしかない。
着衣も入所した時と退所した時には違う衣類でないと汚染された物を着て出ることになってしまうので必ず必要。

保健所から話を聞いて、色々持っていったが基本的には必要物品はホテル側が支給してくれる。

入所時支給してくれるもの
・洗濯用洗剤 ・洗濯バサミ 
・ゴミ取りローラー(通称:コロコロ)
・食器用スポンジ
毎日支給してくれるもの
・シャンプー、リンス
・バスタオル、フェイスタオル、バスマット
・水やお茶 ・歯ブラシ、歯磨き粉 

至れり尽くせりな環境はできていると感じた。
外に出なくても大丈夫なようにはなっている。

逆に沢山物を持っていくと感染された密室に持っていくので、感染物を増やしてしまうことになる。
退所した時に消毒しなければならない物が沢山増えるということだ。

こだわりの強い方は仕方ないが、荷物を多くしたくないという方は参考にしてほしい。


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宿泊施設での症状の動向

日を追って説明するとこんな感じ。

11月25日(発症して3日目) 14時入所(隔離開始)
体温37度台、喉の痛み、頭痛
11月26日 体温36度台、喉の痛み、頭痛
鼻詰まり、軽度の味覚・嗅覚障害が出始める
11月27日 体温36度台、喉の痛み、鼻詰まり(夜には消失)
味覚・嗅覚完全に消失
11月28日 体温36度台、喉の痛み、味覚・嗅覚障害
11月29日 体温36度台、喉の痛み、味覚・嗅覚障害
11月30日 体温36度台、喉の痛み、味覚・嗅覚障害
12月1日   体温36度台、喉の痛み(昼には消失)、味覚・嗅覚障害
12月2日   体温36度台、味覚・嗅覚障害(徐々に弱る)
12月3日   体温36度台、味覚・嗅覚障害(朝には消失)
12月4日(発症して12日目)   体温36度台、症状なし、10時退所

見ての通り、最初は味覚・嗅覚障害の症状は一切なかった。
最初は鼻詰まりのせいかなと思ったが、27日には鼻詰まりは消失している。
ご飯を食べても全く味がしなく絶望した。

唯一、紅生姜のような刺激物が口の中に入ってきたのが分かる程度。
食感(硬いか柔らかいか)は分かるが、味は一切しない。

僕の場合は1週間で味覚・嗅覚は元に戻った。
正直、このまま後遺症として残るのではないかと不安でしかなかったが安心した。


退去後の動向

ホテル退去時、PCR検査を受けるかと思ったが受けなかった。

ホテルのスタッフ、保健所に話を聞いてみると、今年の5月くらいまでは症状が無くなってからPCR検査を2回必ず実施。
2回とも陰性が確認できたら退院という形を取っていたらしい。

だが現状、爆発的なコロナ罹患者の増加、医療従事者又は関係者の人数不足により手が回らない状態。
これまでの実例結果から10日以上の隔離対応がされ、症状が明らかに落ち着いていれば退院(退居)できるというのが現状の対応だ。

前述したが、10日経つと感染性はない(極めて低い)ということになる為、そういった対応になるが、陰性が証明できないまま、退院(退居)するわけだ。


不明確なまま家帰っていいの?
仕事はどうすればいいの?
という疑問が出てくる。


僕の現状(12/12)はというと、実家ではなく妻のいるアパートに帰ってきている。
下記は自宅での対応。

家では基本的にマスク着用
自分の部屋に引きこもる。
定期的な換気。(3時間に1回くらい)
1日1回スマホ、パソコン、タブレット、ドアノブ、テーブル等のよく触る物の消毒。気になったら都度。

妻と食事の場所は一緒だが、皿を分ける、極力話さない


仕事に関しては現在、在宅勤務中である。
職場に連絡すると、直接人と接する仕事でもある為、陰性の証明が出ないことにはお客様に納得のいく答えが出せないと。
説明したところで陽性者が仕事をしているという捉え方になることは目に見えている。

世間的にはまだ、コロナ感染者が陰性の証明が出ていない状態で退居せざるを得ない状況であることは知らないだろう。

退去後については職場の方とよく話し合っておくべきだ。

退去後の対応を保健所に聞いても、本人と職場の考え方に任せるようなニュアンスであった。
正直そこまで面倒は見切れないのだろう。


僕は現在陰性が出るまで在宅勤務をしながらタイミングを見てPCR検査を受けている状態だ。
発症から3週間弱経っているが未だに陽性反応あり。症状はない。
保健所の話によると感染性はなくてもウィルスの死骸がまだ体に残っているため、それを検出し陽性反応が出てしまうのだとか。
2〜3週間は陽性反応が出てしまうのはしょうがないと。

ここを世間がちゃんと理解、浸透してくれないとコロナ感染者はいつまで経っても家の中から出られない。

全員の理解を得ることは難しいことはわかっているが、個人的には証明なんかなくとも感染性は無いから働いても(遊んでも)大丈夫なんだという理解が広まってほしいと願う。


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予防策

今一度改めて確認。

うがい
手洗い
マスク着用
人との1m以内で接触は避ける、人混みには行かない
よく触るものは都度アルコール消毒
帰ったらすぐお風呂に入る

持論も多少含まれているが、常に感染しているかもと思うことが大事。

潔癖とまではいかないが、僕自信しっかり消毒していたのに今回罹ってしまった。
どんなに気をつけていても罹る時は罹る。

だからといって、消毒を怠ることはしないでほしい。
実際に何人もの方が亡くなっている。

自身が感染源にならないように予防策を徹底していただきたい。


まとめ

コロナに感染したことで、周りの環境がガラッと変わった方もいるかもしれない。
身体的にも精神的にも大変な方もいるかもしれない。

僕も正直、職場に通うようになったらどうなるかわからない。
どんな顔をすれば良いかも分からない。(マスクで顔を隠せてよかった)
不安要素はまだある。

感染しないというのが、一番の理想な状態だが、感染したくてしている人はいない。
万が一のことも考え、感染した時の準備、知識補充をしておいても良いと思う。

薬も確立しておらず、体に後遺症も残るかもしれない。
国としてもまだ制度が曖昧なところもある。
世間的にも感染者に対して冷たい視線が注がれるかもしれない。

もしも感染してしまった時のことを考えると不安でしょうがなくなる。
そんな先行きが見えない不安な状況の中、僕ができることとしてちょっとした情報でも届けられたらという想いでこの実体験を書きました。

この記事が誰かのためになることを祈って。

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