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就職希望は特別養護老人ホーム【3】

就職希望先は特別養護老人ホームと決めていた。養成校では「若い人はまず特養で勉強するべき」という風潮があった。若い時に、体力的にキツイと言われている特養で技術を学び、実務経験を積む事が正解だと刷り込まれていた。

※特別養護老人ホーム(略して特養)、介護保険的には介護老人福祉施設と言う。簡単に言えば、要介護者の終の住処。基本的に要介護3以上の方が入所の対象で、それ故に食事、入浴、排泄の3大介護が重介護となり職員にのしかかる。

もちろん他にも選択肢はあったが、選択肢が広すぎて逆に迷ってしまう事を考えれば、シンプルに養成校での風潮に流されてみようと言う感じだった。

あの時、たとえば訪問介護事業所に就職していたら、私の人生は変わっていただろうと思うと、意外と重要な選択肢だったのではと思う。

そんな事を言えば、高校を卒業する時に自分が介護業界で働く事になるとは夢にも思っていなかったわけだから、本当に人生何が起こるか分からない。

実は、18歳で高校を卒業し21歳で介護業界で働くまでの3年間は、私にとって非常に重要なターニングポイントだと自負している。これについてはまた後日お話し出来ればと思う。

さて、介護に纏わる勉強をしたとは言え、私はまだまだ知らない事が多いヨチヨチ歩きのヘルパー2級の卵。特養に就職したいと思い、求人を探すが、実際は特養について何もわかっていなかった。

とりあえず難しい事は何も考えず「家から近い介護施設」で探した。当時も今と変わらずたくさんの介護施設が職員を募集していた。その中でもただ、私の自宅から近い介護施設というだけで、一つの特養が見つかった。

その特養は比較的スムーズに面接まで漕ぎ着けた。自慢ではないが、私は面接で落ちる事が非常に多い。因みにこれは正社員に限った事ではない。

何回バイトの面接で落ちただろう。某スーパーの面接は品出し要員だった。スーパーに出向いて面接を行ったが、結局私の何が悪かったのかわからないままだ。

某ゲームショップの面接もそうだ。『好きなゲームソフトは何ですか?』「はいメタルギアソリッド2です」

いったい何が駄目だったのか。いや、違う。あれは店長の自慢語りへの私の相槌が悪かったに違いない。

『ここのゲームショップは恵まれない立地条件にも関わらずチェーン店の中でも売り上げがトップです。知っていましたか?』「いいえ。知りませんでした。凄いですね」

この辺りの受け答えが不味かったに違いない。と言う事で、様々な失敗を糧にして、いざ特養の面接に挑む私であった。

続きます。

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