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稲荷参道隧道(仮称)と山根稲荷神社 長柄町桜谷/山根


長柄町桜谷集落から山根稲荷神社までの道は「稲荷参道」として昭和初期に整備され、途中の山路には素掘り隧道が一つ設けられている。

しかし、山根稲荷神社は2019年の大規模台風による被害で社殿の大部分が倒壊して以降、2023年現在まで再建されていない。
稲荷参道の一部を兼ねていた桜谷林道も現在では廃道となってしまった。

今回はそんな稲荷参道を辿ってみようと思う。

・参道を辿る

山路起点近くの堰

稲荷参道の"起点,,は不明だが、今回は桜谷集落側の山路から参拝する。

山路の起点。
この道は「桜谷林道」として往時は車も乗り入れていた車道だった。
しかし現在は付近に造成された新道に役割を奪われ、廃道となっている。

立派な切り通し。

路面を見ると、往時のものと思われる砂利が残っていた。

しばらく登ると幅員が異様に広い道に。

路面には下草が茂っている様子は全くない。

道が狭まり右に尾根が迫ってきた。

と、ここで隧道が登場!

綺麗な丸彫りの隧道だ。

隧道は桜谷林道から分岐する形で位置している。

隧道脇の開通記念碑

土地寄付者、資金寄付者の名が連なっている。
銘年は昭和七年十二月二十五日となっている。

隧道を抜け、山根稲荷神社を目指す。

隧道反対側の参道は倒木こそあるものの、下草が茂っている様子はない。
定期的に管理されているようだ。

山路の終点。

尾根を超えた先の谷津田。

.....しばらく辺りを彷徨ったが、参道を見失ってしまった。

道なりに進んでも荒れた藪に合流してしまう。

参道の追跡は諦め、現道へ復帰した。

・山根稲荷神社

舗装された道から砂利道へ遷移した。
山根稲荷神社はもうすぐ近くである。

到着。
神社前は下草が茂っている。

鳥居脇の廃墟。

鳥居をくぐり、石段を上り境内へ。

社殿跡にはコンクリートの基礎(?)が造成されていた。

倒壊前の社殿はGoogleマップから確認できる。

台石の間に社が。

稲荷神社なので狛犬ではなく、狐の石細工が鎮座する。

寄り添う二匹

境内には社殿の一部と思われる材木が残る。

キノコが生えてしまっている。

かつては参拝の為にわざわざ隧道を造成されるほど人々との関わりが強かった神社も、今では下草に埋もれてしまった。

往時の光景を隧道や境内の石細工が示すばかりである。

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