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バイク用スタッドレスタイヤを作ろう!


雪道ツーリングをしようと思った時、原付用スタッドレスタイヤは販売されていますが、21-18インチのフルサイズオフロードバイク用はありません。
なので、作ることにしました。


とりあえず作ってみる

制作にあたりインターネットで検索したところ、北海道では雪上レースが行われていて、それに出場する人はガミータイヤ(注1)に自分でサイプ(注2)を入れて、スタッドレスを製作しているようでした。まずは、それに倣ってトレールタイヤにサイプを入れることにしました。

(注1) 柔らかいゴムを使ったレース用オフロードタイヤ
(注2) スタッドレスタイヤに入っている細かい溝

サイプをどうやって入れるか。
まずはホットナイフを作りました。
ハンダゴテに刃を付けた一般的なホットナイフだと、刃先まで温まるのに時間がかかり作業性が悪い。そこで、刃に通電させて刃そのものを発熱させるタイプのホットナイフを購入。
あの波刃はどうするか。。。といろいろ探していたところ、野菜をカットするためのスライサーで良さそうなものを見つけたので購入、加工して刃としました。
まぁ結論から言えば、この方法は失敗だったんですけどね。。。

Amaz◯nで買った怪しげなホットナイフだけど結構使えた。

夏から作業を開始して、休日にコツコツとタイヤに切れ込みを入れる。
一気にやれば一日一本できるかな?かなりの忍耐力が必要。
秋には前後タイヤが完成しました。

セローはリアがチューブレスなのでスペアホイールも購入

雪が降るのを待って、試乗に。
夏から作り始めたタイヤ。それがぜんぜん効かねぇ。(涙)
アイスバーンでは、1速でクラッチ繋ぐとアイドリングでもエンストしないでタイヤがくるくる回る。ほとんどサイプ無しのノーマルタイヤと変わらん。


スタッドレスタイヤはサイプの隙間が水を吸い上げ、サイプの角のエッジ効果でグリップしますが、ゴムが硬くてサイプが広がらない感じ。
これは困った。と四輪用スタッドレスを観察する。
すると、サイプには多少の隙間がある。0.5mmくらいかな。
あれは金型で作る製法上出来てしまうものかと思っていたけど、きっと必要なのであろう。
そこで、隙間のある溝を入れることにしました。

溝を変えてみる

どうやって溝を掘るか。ホットナイフによる剪断ではなく、切削、ノコギリでその部分をゴムを削り取ることにする。
具体的には、0.4mm厚の鋼板で丸ノコ作った。これだと波目にはならないけど、タイヤメーカーのバイク用スタッドレスも必ずしも波目サイプではないのだから、良しとしよう。

使用工具は電動ルーターを使ったけど、30Wのルーターではトルクがぜんぜん足りず、刃が止まってしまう。
ごまかしながら何とか作業。とりあえずサイプ形状変更の効果を確かめるだけなので、適当に追いサイプする。

新たにタイヤを買うわけにもいかないので、前のサイプの上から。

で、またテスト。今度は効くようになった。それでも、市販のスタッドレスには遠く及ばない。
何というか、グリップ感が無い。やっぱりゴムが硬いんだろうな。走らないわけでは無いけれど、ツーリングに使うには不安が残る。
トレールタイヤは諦めて、ベースタイヤを変更する。

いちおう、完成?

IRCのTR-011ツーリストは雪道でも使えると評判なので、それを買ってみることにする。
最近のオフロード界はエンデューロでもトライアル的なセクションが入る傾向にあるので、トライアル車以外でも人気のタイヤらしい。
届いてびっくり。これ公道乗れるの?ってくらいに柔らかい。
電動ルーターではトルクが足りないので、電動ドリルに丸ノコを取り付けて使う。

ホットナイフでサイプを入れるより、格段に早い。一本1〜2時間で終わっちゃうんじゃないだろうか。
そして試乗。
コンディションはアイスバーンに新雪が乗った車も滑る路面だったけど、滑るんだけど粘るというか、やる気はあります!ってグリップ。
職務完全放棄だったトレールタイヤとは大違い。これは良いんじゃないでしょうか!
充分、実用に耐えるグリップ。
これで一応の完成として、次回は実際にツーリングに行きたいと思います!

テストに行ったビーナスラインの帰りに寄った、釜飯のおぎのや諏訪店限定の湖畔の釜飯。
すごく美味しいのでおすすめ。

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