コロナウイルスと金の関係とは?

今回は、金(ゴールド)の性質と価格変動、さらに貨幣需要との関係についてお話しします。 というのも、コロナウイルスの影響で、金の価格が高騰しているからです。日本ではあまりこのようなニュースは聞かないですよね?それは、日本の金保有率が世界の約2%しかないからです。社会の関心度を優先して話題を選ぶ報道関係からすると、金のニュースは取り上げにくいという訳です。

しかし、金は経済の状況を見るために大切な資産です。その理由は、金の価格安定性にあります。つまり金の価格は、他の資産(貨幣や株など)に比べ経済状況に左右されないのです。 金は、歴史的にその価値が認められてきました。あの有名なツタンカーメンの仮面にも使われていますよね?金の化学的性質として、鉄のように錆びることなく、さらに加工しやすい ことが挙げられます。これらのことから、金は長い間重宝されてきました。いわば、人々の 「信用」が金の価値を維持し続けてきたのです。ここまで説明すると、金が有事の時に買わ れることもよくわかるでしょう。

さて、今度は貨幣需要との関係について見ていきましょう。貨幣需要とは「どのような目的 で貨幣を保有したくなるのか」ということです。経済学では、貨幣需要に対して大きく2つ の動機を考えます。それは、取引的動機と投機的動機です。取引的動機とは、 「商品を売買 するのには貨幣が必要になるから欲しくなるなぁ。」といったごく普通の動機です。

今回注目すべきは投機的動機の方です。これは「貨幣と債券を天秤にかけた時に、貨幣の方 が将来的に安定した資産になりそうだから欲しくなるなぁ。」という動機です。つまりは、貨幣と債券が代替関係にあるということですね。債券の価格はどのように決まりましたか? 利子率が大きく関係していましたね。わからない方は、先日のコラムで確認してみてくださ い!! 

今回は、貨幣より価格安定性のある金と債券を代替関係として考えてみます。すると、有事 の際に金の価格が上がることがわかりやすくなるかと思います!今回のコロナウイルス の件で、世界各国で利下げが行われています。これが行われると、お金が借りやすくなり投資が改善されることが期待されますが、その一方で債券価格が上がることになります。よって、債券需要が低下し金の需要が高まることになります。

ここまで、金について説明してきましたがどうでしたか?債券需要との関係の部分は少し 複雑で難しかったと思いますが、じっくり考えて見てください。また、日本のニュースばか りだと金についての情報はあまりないので、海外のニュースについても調べてみるといかがでしょうか?

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