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これからの時代のKPIの話

KPIというワードを聞いたことがあるでしょうか?
経営学の用語で、Key Performance Indicatorの略です。日本語では重要業績評価指標と訳されます。
組織においては、あなたの成果をこの指標で測りますということを示すことで評価指標として与えられる物差しです。

ちょっと実験してみたいと思います。
以下の動画ですが、40秒くらいで一旦動画が終わりますので、そこまで見てみてください。
そして、ここで簡単なクイズです。
白いシャツの人が何回パスを出すでしょうか?
これを数えてみてください。あなたは正解できるでしょうか??

さて、白いシャツの人が何回パスを出したかわかったでしょうか?

正解は15回でした!
ですが、
実はこれはどうでもよくて、、
途中、ゴリラが横切ったのが見えたでしょうか?
(ゴリラに気づかなかったという人は、良ければゴリラに注意して見返してみてください。今度は見えると思います)

これが何を意味しているかというと、人間は重要な指標として物差しを与えられると、他に何かもっと大きなことが身近で起こっていても気付かないということを示している有名な実験です。

ここでKPIに話を戻すと、組織をコントロールして成果を上げるにはKPIというのは非常に有用なツールであり、実際に多くの組織で運用されていると思います。目標設定として各人に落とし込まれて、その目標をクリアすることが評価に直結するので、みんな一生懸命に働くわけですね。
これがKPIを利用した組織コントロールです。

しかし、ここ最近、会社の寿命はかなり下がってきました。1つの会社に勤めあげるという時代ではなくなってきています。1つの組織で与えられた目標に対して疑いもせずにマジメに応えていれば報われるという保証はどこにもないのです。
沈没に向かう泥船に乗っていることには自分でしっかり気付き、そのときには船を降りなければいっしょに沈んでしまうのです。組織が絶対的存在で、そのためにあなたがいるわけではありません。組織よりもあなた個人や家族の方がよっぽど大事なのです。個人や家族のためには躊躇なく船は降りましょう。そしてそのためには、例え船を飛び降りることになったとしてもせめて次に乗るべき船まで泳ぎ切るだけのスキルは意識的に身に付けておくことが大事です。

組織からはKPIとして、近視眼的な目の前の目標を設定され、それがすべてであるかのように日々刷り込まれますが、KPIを一生懸命追いかけることに夢中になりすぎると、目の前にとても大きな変化が起こっていても気付けないということが起こります。ゴリラに気付けなかったように。

組織をコントロールする側としても、KPIに頼りすぎるのは時に怪我をすることになり注意が必要です。
強くKPIを追い求める人というのは、なんとしても目標を達成するという意思が強く、成果と正の相関を持ちますが、なんとしても成果を達成しなければと思い込むあまりにコンプライアンス違反に足を踏み入れてしまう確率も上がるのです。
一昔前と違い、コンプライアンスに対する世間の目がかなり厳しくなっている時代、これは致命傷にもなってしまいます。

これからの時代は、組織をコントロールする側・プレイヤー側ともにKPIに縛られすぎずに、適度に意識し、広い視野を心がけることが大事ですね。

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