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セロトニン

自分の心や身体の状態を理解し、それをより良い状態に持っていく方法を身につけておくことは、様々な病気から身を守るためにとても大切なことです。

特に脳内物質、ホルモン様物質、神経伝達物質について知っておくことは、自分の身体の中にある自己治癒力を高めるために非常に役立ちます。

それら一般的に脳内ホルモンと呼ばれるものは、どんな西洋の薬にも勝り、自分の身体に最も適した天然の薬となり得るのです。

現代社会の中ではびこる慢性的なストレスによる脳や体の機能不全は事前に予防すべきです。

過剰なストレスは神経伝達物質を減少させ、うつ病をはじめ様々な病気の症状を引き起こします。

なぜ、現代社会がストレスフルと言われるかを考えることも必要でしょうか。

現代の私たちは平均寿命も80年超えと大幅に伸び、労働時間も土日関係なく朝から深夜まで働いていた戦前戦後の時代よりはるかに短くなっています。

高校進学率はほぼ100%、大学進学率も50%を超えてきており、最新の家具家電、ゲームやインターネットも普及しており、殺人件数も昭和30年の3081件から平成30年は915件と3分の1以下になっています。

これ程までに最も自由で安全な時代に生きている私たちがなぜそんなにストレスを感じるのでしょうか。

ひとつは人が本能的に危険や悪いニュースを過大視する傾向があることがあげられるでしょう。

情報過多となり、誰もが簡単に膨大な情報を目にすることができるようになり、メディアは人が本能的に興味を示す事故や犯罪、麻薬やスキャンダルなどの悪いニュースをより多く取り上げ、人々の関心を引こうとするようになりました。

私たちは本質を見失い、治安が悪化した、未来は明るくない、労働環境が改善されていないから国が悪いなど、外部要因に対してよりストレスを感じるようになりました。

他にも、例えばエアコンや暖房器具の普及など、生活環境が実際には良くなり身体的な負担が減少していることで、気づかない内に私たちのストレス耐性自体が弱まっていることも考えられます。

ちょっとしたことでも暑い寒い辛い、パワハラだ、ブラック企業だとハラスメント扱いし、自分に甘くできる環境、自由に自己主張できる風潮がより私たちのストレスを助長させてしまっているのです。

様々な当たり前の定義が変わってきており、自分が置かれた環境に対する諦めがきかず、現実から逃れたいという意識が高まってきているのだと思います。

そして、年功序列、終身雇用の時代であれば給料は上がっていき、老後は退職金と年金による豊かな老後が送れるという希望という名の傘がありました。

現代はどうかというと、年功序列は崩れ企業の内部留保も増加し給料は上がらず、単純作業はコンピューター化されいつリストラされるかもわからず、退職金や年金も約束されずに、個々人の能力や付加価値が必要とされる将来が約束されない時代になりました。

2020年以降世の中は刻一刻と変化し、将来に対する不安が常につきまとい、ますます慢性的なストレスとなって私たちに降りかかります。

他にも、デジタル化の中で生まれたテクノストレス症候群や、超高齢化社会による老年期うつ病の増加といったこともあります。

そういった時代の波に晒されているということを認識しつつ、人間として生物学的にバランスの良い生活を心掛けないと、私たちは今後ますます蔓延する現代病に抗えなくなってしまいます。

題目にあるセロトニンは三大神経伝達物質の一つで幸福ホルモンとも言われます。

三大神経伝達物質には、ドーパミンとノルアドレナリンとセロトニンがあります。

ドーパミンは快感ホルモンと呼ばれ、過剰分泌はギャンブルや薬物などの依存症などを引き起こし、過小分泌は意欲、気力の低下につながります。

ノルアドレナリンは怒りのホルモンとも呼ばれ、過剰分泌は血圧上昇や怒り、イライラを引き起こし、過小分泌は抑うつ状態を引き起こします。

そのドーパミンとノルアドレナリンの暴走を抑制し、脳内神経のバランスを保ち安定化させる役割を担っているのがセロトニンであり、過剰分泌によって心地よさ、満足感、幸福感を得られますが、過小分泌は不安やうつ症状につながります。

セロトニンにより脳の働きを活性化させ、精神的にモチベーションを維持することは特に現代社会では大切な役割を担うと思います。

普段からこのような心や身体に効く、自分の体内で生成することができる天然の薬を意識して効果的に使うスキルを身につけることは、健康を保つためにとても大切ではないでしょうか。

トレードにおいても感情をコントロールする上で役立つことがあります。

人は本能的に危険や良くないことを過大視するものですから、損切りであったりトレードで上手くいかなければ、そのことばかりに過度に意識が向きがちです。

自分の中ではルール通りにトレードをしているつもりでも、連続して損切りにあったり、なかなか思うようにいかず利益につながらなければ、自分がトレードする時だけ上手くいかないと思うようになり、冷静な判断力を失いノルアドレナリンが分泌し、怒りやイライラにつながります。

そういう場面でそのイライラを自分の性格や能力のせいだと思わずに、人間として当たり前の反応であり、ホルモンのせいだと認識することから、メンタルの問題解決を図ります。

人は分からないことに対しては不安を感じます。

なぜ自分がイライラしているのか、どうしてこういう状態になっているのかを理解するだけでもその感情は軽減されるものです。

怒りやストレスを感じている時に、ホルモンのせいだからその分泌をうまく調節してあげればいいと考えることで、具体的な解決策にもつながります。

ホルモンバランスが崩れているのであれば、セロトニンの分泌を行動によって促し、そのバランスを整えてあげればいいわけです。

プロのトレーダーも稼ぐときに稼いで、あとは良く旅行に行く人も多いものです。

自然はセロトニンの分泌を促します。

自然、運動、食事、良く寝る、良く噛んで食べる、朝日を浴びる、信頼できるパートナーと会話する、リズム運動、お風呂、笑い、そういったものでホルモンバランスを調節します。

セロトニンは寝ている間はほとんど作られませんので、朝起きた時の過ごし方が大切です。

不安やイライラで精神的に不安定な時、トレードでイライラが溜まりやすいという時も、朝の過ごし方に問題がないかチェックしてみてはどうでしょうか。

朝太陽の光を浴びることで網膜からセロトニン神経を刺激し分泌が促されます。

真夏の燦燦と照り付ける太陽を頭の中でイメージすることも効果があると言われます。

ウォーキングや呼吸、歌、咀嚼など一定のリズム性の運動を集中して行うことでもセロトニンが分泌されます。

家族やパートナー、ペットとの触れ合いやマッサージ、友人との会話もグルーミングという心地よさを重視した触れ合いと言われ、健康増進や若返り効果までも期待されます。

食事では、セロトニンの材料は必須アミノ酸のトリプトファンです。

豆腐、納豆、みそなどの大豆製品や乳製品などに含まれ、炭水化物とビタミンB6も必要であり、バナナなどはバランス良くこれらが含まれています。

セロトニンの元は90%が腸内に存在し、それが脳に届くとセロトニンとなり精神安定効果を発揮しますので、腸を整えておくことも大切です。

セロトニンがしっかり分泌されている人は若々しく、直観力も優れています。

セロトニンはイライラ、無気力、抑うつ、不安、心配、ネガティブ、気がかりといった状態に特に効果を発揮します。

そういう状態に陥っている時には、自分の性格だと思うのではなく、ホルモンのせいだと考え、強制的にセロトニンが分泌される行動を取ることで、メンタルの状態を回復させる経験を積むことができます。

何度か繰り返しそういった経験を積むことで、心の状態を安定的に保つ自信も生まれてきます。

自分が長年培ってきた性格のせいで不安や恐怖に苛まされやすいんだと思うとメンタルの問題を解決するのに相当な時間と労力が必要だと思ってしまいますが、そうではなく目の前の現象に対して本能的にホルモンが分泌していると理解し、誰でも起こり得ることで、それはちょっとした行動によりホルモンバランスを調整すれば簡単にコントロールできることを経験すれば、案外簡単に今自分が抱えている問題も解決されることがあるかもしれません。

冷静かつ合理的な判断を狂わせる負の感情に蝕まれないよう心身の状態を保つことが普段の生活でもトレードにおいても大切であり、セロトニンの分泌を意識的に促すことがその一旦を担えることもあるのではないでしょうか。

幸せだから笑っているのではない。むしろ僕は、笑うから幸せなのだ。
アラン


それでは、本日は以上になります。

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