米国株マーケット考察 2021.1.8

マーケットサマリー

米国株式相場は反発。ダウ平均は211.73ドル高の31041.13ドル、ナスダックは326.69ポイント高の13067.48ポイントで取引を終了し、
主要三指数とも大台を超え、ダウ、ナスダック総合指数とも史上最高値を更新しました。ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比3億2903万株減の11億5230万株でした。

米国議会がバイデン氏の大統領選勝利を確定し政局不安が後退。米南部ジョージア州の上院選決選投票は、民主党が2議席とも確保し、上下両院で主導権を握る構図となり、バイデン次期大統領が主張する大規模な財政出動実現への期待が高まり、幅広い業種が買われました。

更に12月ISM非製造業景況指数が好調だったのも相場の後押しをしました。12月ISM非製造業景況指数は57.2と11月の55.9から悪化予想に反して上昇し9月来で最高となり、これで7カ月連続で50を上回り活動の拡大が証明されました。年末の消費が思った以上に好調だったのが原因と言えます。

メディアコメントでは、株式市場は強気一色。バイデン政権がこれから導入しようとしている規制強化懸念は完全に無視されているのがとても不可解に思えます。これもあからさまな大統領選不正選挙の概要を意図的に報じないメディアの陰謀なのかと勘繰ってしまいます。

そのメディアで報じているシナリオは米国の政治的不透明感が消え、コロナ問題はワクチンが救世主となり、あとは、企業業績回復するだけだというもので、投資家やトレーダーは安心感に満たされつつあります。10年債利回りは1%を超えましたが、それもポジティブに認識しているようです。これに関して、FRBも歓迎モードのコメントを出しています。

拙速な判断は禁物ですが、米国金利上昇を受けて、教科書理論通り、為替市場ではドル高円安的な動きになっています。

用語解説


-ISM非製造業指数ーISM(Institute for Supply Management:供給管理協会)が全米の非製造業375社の購買担当役員に対するアンケート調査を実施し、その結果を基に作成する景況感を表す指数。アンケート項目は受注、在庫、雇用、価格など10項目。「増加・良くなっている、同じ、減少・悪くなっている」の三者択一となっています。10項目のうちの4項目、事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延について、季節調整をかけた上で総合指数を算出します。

ISM製造業の2営業日後、毎月第3営業日に発表され、労働省による雇用統計の発表と前後しますが、雇用統計よりも発表が早い場合、雇用における非製造業の割合が大きいこともあって、先行指標として注目されています。


立沢賢一とは

元HSBC証券社長。
会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。
・立沢賢一 世界の教養チャンネル
http://www.youtube.com/c/TatsuzawaKenichi

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