第一回 「ムカデ人間」 〜イヌイが映画とかを観るだけ〜

「つ・な・げ・て・み・た・い」


※この記事には映画のネタバレが含まれています



イヌイです。

記念すべき映画レビューの第一回は、伝説的インモラル・ムービーこと

『ムカデ人間』

です。
正直セレクトがどうかしてると思いますが、面白かったので許してください。
あと、レビュー内容も映画が映画なのでエグめになってます。

●この映画を観ようと思った理由


 「ムカデ人間」というタイトル自体は、やっぱり皆さん聞いたことがありますよね。なんてったって有名ですから。謎に。
 僕も雑談をしているときに、空恐ろしい作品としての例えによく「ムカデ人間」を出していましたが、ふと思ったのです。

「映画を観たことがないのにタイトル名を出すのはスゴイ・シツレイなのでは?」

 例えるなら、シュワちゃんが溶鉱炉に沈むシーンだけ知ってる状態で、「ターミネーターかよ!」ってツッコむみたいな・・・(もっとも、彼が沈むのは『ターミネーター2』ですが)

 それはいけない。仮にも好きなTRPGに『永き後日談のネクロニカ』を数えている奴が、観なくていい理由などあるだろうか。

 そんな訳で、丁度U-NEXTで配信してましたので観ることにしました。


●すごいざっくりとした映画のあらすじ


 とあるところに、ハイター博士というヤベー医者がいました。彼は3人の人間の口と肛門を繋げた「ムカデ人間」を作るのが夢でした。

 ので、実際にやってみることにしました。

●感想

 正直に言いましょう。面白かったです。

 いや、割とゲテモノ映画と聞いてはいましたが、そんなに心に負担なく見れました。ムカデ人間、いいね。

 サイコホラー洋画の被害者パーティーは、大抵色んなタイプの人間がいるものですが(陽キャカップルの男女とか、ヒステリー女とか)「ムカデ人間」のパーティー編成は一味違います。構成は以下の通りです。

・ヒス女
・ヒス女
・謎の日本人

 もう尖りすぎています。というか、なぜ日本人がいるんだ。外国人枠なんだろうか。

 序盤はヒス女(リンジーさんとジェニーさん)が二人もいるおかげで、とても話が進みやすくなっています。二人だけで旅していたり、車が山中で壊れたり、助けを呼ぼうとして遭難したり、やっとのことで見つけたのがイカレ狂人の家だったり。被害者として120点のムーブです。さらに序盤でヒスりまくるので、観客は「早くムカデ人間になってくれ」と心待ちになること間違いなしです。

 そして可も不可もなくハイター博士に捕まり、ムカデ人間の説明を受けます。手術の解説をする博士が楽しそうで何よりです。このとき追加されたのが謎の日本人(カツローさん)です。私は字幕版で見たのですが、何を隠そう謎の日本人、めっちゃ流暢に日本語を話します。それもバチバチの関西弁で。彼が話すときだけ字幕が出ないので、洋画の中でいきなり邦画が流れ出したような、奇妙な感覚を覚えました。この感覚は恐らく日本人しか味わえないでしょう。

 そして手術ののちにムカデ人間、爆誕。なんと先頭が日本人、後ろの二人がヒス女です。なぜ彼を先頭にしてしまったのか。この時点で英語を話せる登場人物がハイター博士一人になりました。ですがこれはこれで、「言葉の通じない獣と主人」みたいでいいんじゃないでしょうか。

 私は劇中後半から始まる、ムカデ人間の生活パートがこの映画で一番好きです。意志の異なる3人が勝手に一つに纏められる。最高ですね。苦しみも3倍です。ムチで叩かれて調教されたり、ペット用食器でご飯を食べさせられたりと、人間扱いされてないところに惹かれます。
 あと、ムカデ人間の肝とも言える脱糞シーン、いいですね。出す側はひたすらひたすら謝りながらも、生理反応なので抑えられない。受け止める側も手術で見事に口と肛門が接続されているので、いくら嫌でも飲み込まざるを得ない。素晴らしいですね。最初にムカデ人間のシステムを考えた人は天才だと思いますし、この映画を見て新しい扉を開いてしまった人がいるんじゃないでしょうか。

 そして最高なのがラストシーンですね。先頭のカツローは日本人らしく自決、最後尾のジェニーは疲労と病気によって死亡。助けに来た警察官二人はハイター博士に殺され、逆にハイター博士も警察官の一人に眉間を撃ち抜かれて死にます。
 つまり残されたのはムカデ人間の真ん中ことリンジーのみ。彼女は真ん中であるがゆえにその場から一歩も動けず、うめき声を上げることしかできない。挙句の果てに助けも来ない。超バットエンド。救いがなさすぎて逆に拍手したくなる、そんないい結末でした。

●結論

 奇抜さだけで有名になった映画かと思いきや、内容がちゃんと面白いという良い意味で期待外れな映画でした。人間を改造する系の映画だとかなりオススメの部類に入りますね。(『武器人間』も個人的に好きです。)

 配信サイトが少なかったりビデオ屋で借りづらかったりしますが、ぜひ観てもらいたい部類の映画です。もっとも、家族や友人と観るのはお勧めしませんが・・・。

●余談
思いのほかゲテモノレビューになりましたが、僕は書いてて楽しかったです。

明日は『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』を観てくる予定なので、もう少しマシなレビューができると思います。

レビューの内容、濃度は気分次第でかなり変わります。何しろ三日坊主なので。

これからも
よろしくおねがいます。


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