適正化法第76条　（財産の分別管理）

第76条（財産の分別管理）

管理業者は、管理組合から委託を受けて管理する修繕積立金その他国土交通省令で定める財産（規則87条1項）については、整然と管理する方法として省令で定める方法により、自己の固有財産及び他の管理組合の財産と分別して管理しなければならない。

■関連施行規則　第87条（財産の分別管理）

１　分別管理で定める財産は、管理組合または区分所有者等から受領した管理費用に充当する金銭または有価証券とする。

２　省令で定める方法は、以下に定める方法とする。
①　修繕積立金等が金銭である場合次のいずれかの方法

イ方式

　●修繕積立金等金銭
　区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を収納口座に預入
　当月分の修繕積立金等金銭から当月分の管理事務費を控除した残額を「翌月末日までに」収納口座から保管口座に移換。
　保管口座において預貯金として管理。

ロ方式

●修繕積立金
　区分所有者等から徴収された修繕積立金を保管口座に預入。
　預貯金として管理。
●一定の財産（管理費）
　区分所有者等から徴収された一定の財産を収納口座を預入。
　当月分の管理事務費を控除した残額を「翌月末日までに」収納口座から保管口座に移換。
　当該保管口座において預貯金として管理

ハ方式

●修繕積立金
　区分所有者等から徴収された金銭を収納・保管口座に預入
　当該収納・保管口座において預貯金として管理する方法

②　修繕積立金等が有価証券である場合
　金融機関・証券会社に、当該受託有価証券の保管場所を自己の固有財産及び他の管理組合の財産である有価証券の保管場所と明確に区分させ、かつ、当該受託有価証券が受託契約を締結した管理組合の有価証券であることを判別できる状態で管理させる方法

３　管理業者は、イ方式又はロ方式により修繕積立金等金銭を管理する場合は、区分所有者等から徴収される「１か月分」の修繕積立金等金銭又は一定の財産の合計額以上の額につき有効な保証契約を締結していなければならない。
　ただし、次のいずれにも該当する場合は、この限りでない。
①　修繕積立金等金銭や一定財産が区分所有者等から、管理業者が受託契約を締結した「管理組合等」を名義人とする収納口座に直接預入される場合
②　管理業者若しくは管理業者からの委託者が、区分所有者等から修繕積立金等金銭や一定の財産を徴収しない場合
③　管理業者が、「管理組合等」を名義人とする収納口座に係る印鑑、預貯金の引出用のカードその他これらに類するものを管理しない場合
　※「通帳」を管理業者が管理しても問題はない

４　管理業者は、修繕積立金等金銭を管理する場合にあっては、保管口座又は収納・保管口座に係る管理組合等の「印鑑、預貯金の引出用のカード」等を管理してはならない。
　ただし、管理組合に「管理者等が置かれていない場合」において、「管理者等が選任されるまでの比較的短い期間」に限り保管する場合は、この限りでない。

５　管理業者は、毎月、管理事務の委託を受けた管理組合の対象月における「会計の収入及び支出の状況に関する書面」を作成し、翌月末日までに、管理者等に交付しなければならない。
　管理者等が置かれていないときは、「会計の収入及び支出の状況に関する書面」の交付に代えて、対象月の属する管理組合の事業年度の終了の日から２ヶ月を経過する日までの間、書面をその事務所ごとに備え置き、区分所有者等の求めに応じ、管理業者の業務時間内において、これを閲覧させなければならない。

６　用語の意義

収納口座

　区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭又は一定の財産を預入し、一時的に預貯金として管理するための口座

保管口座

　区分所有者等から徴収された修繕積立金を預入し、又は修繕積立金等金銭若しくは一定の財産（イ方式若しくはロ方式に規定するもの）を収納口座から移し換え、これらを預貯金として管理するための口座であって、管理組合等を名義人とするものをいう。

収納・保管口座

　区分所有者等から徴収された修繕積立金等金銭を預入し、預貯金として管理するための口座であって、管理組合等を名義人とするもの