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「21世紀のビジネスになぜモチベーションが大切なのですか?」とお客さまから訊かれたときの話

「21世紀のビジネスにはモチベーションがいちばん大事なんですよ!」と、私はそのように助言したことがこれまでに何度も何度もあります。

別に根性論のことを説いているわけではありません。

モチベーションが大事な理由は至ってシンプルです。
それは、モチベーションがあれば失敗しても立ち上がって成功するまで取り組み続けることができるからです。

「失敗しなきゃいいじゃん」と言われそうですが、(後述しますが)今の時代に失敗のリスクを取らずして成功を手にすることは難しいかと思います。
なので、失敗したとしてもすぐに立ち上がってまた挑戦し続ける姿勢が、企業活動において大事なことと私は認識しています。

今日はそんな話をしたいと思います。

「予測不可能な時代」とは何か?


「今の時代に失敗のリスクを取らずして成功を手にすることは難しい」と、私が考えるその理由についてお話しします。

それは、21世紀になって世の中が予測不可能な次元に入ったからです。

逆に言えば、20世紀まではある程度は予測可能な社会でした。
(そのほうが意外と思う若い方も多いかも知れませんね)

20世紀までが予測可能な社会だった理由は、目に見える「不」がまわりにたくさんあって、それを解決すれば価値になったからです。
なので、「不」に対するニーズの大きさも測りやすく、ニーズの大きさに応じてビジネスとして展開すれば、企業は利益を得ることができたのです。

ではその一方で、予測不可能となった21世紀の現代はどうでしょうか?

社会が成熟するにつれて、目に見える「不」はどんどん解消されていきました。
ですが、目に見えない「不」はまだまだたくさんあります。

たとえば、ストレスの原因を自分で自覚できている人ってどれくらいいるでしょうか?
そこに「不」があることは自覚できていても、その正体が何なのか?となると、深く洞察していかなければ自分でもよくわかりません。

目に見えない「不」をビジネスで扱うとなると、それまでの目に見える「不」とはその難しさは全然違ってきます。

まず、「不」の正体やニーズの大きさは容易には測れません。
たとえばニーズの大きさを測るときにアンケート調査を当てにする人もいますが、アンケートでは目に見える「不」しか引っかかりません。
なぜなら、目に見えない「不」は本人ですらそれを特定できていないから、(アンケートで)訊かれてもちゃんと答えられないからです。

次に、目に見えない「不」の解決策は、それまでの目に見える「不」ほど単純ではありません。
「不」の捉え方を間違えると、当然ながら解決策は的外れになります。

結果、提案する解決策がその「不」を捉えることができているかどうかを、失敗するリスクを取りながら探っていくことが有効な手段となります。
小さな失敗を繰り返して学習した結果、正しく「不」を捉えることに辿り着いた企業が他社よりも先んじて成功を手にしていますし、さらに言えば、予期せぬ失敗などから得た教訓でビジネスを成功に導いたケースも少なくありません。


モチベーションは何の役に立つ?


目に見えない「不」そのものは大昔からあったことでしょうけど、前述のとおり、20世紀までの社会はわざわざ目に見えない「不」の解決に挑戦しなくても、目に見える「不」を扱っているだけで十分な経済成長につながる価値創造ができました。

そうは言っても、やっぱり時代を切り拓いたかつての偉人たちの中には、まわりが気がついてない「不」や解決が難しい「不」を扱って大きな成功を手にしている人もいます。
当然ながらそういった「不」の解決は、相対的に価値が高くなります。

たとえばその代表格には、エジソンやピカソなどが挙げられます。
エジソンは電球を発明するのに1万回も失敗を重ねたとも言われてますし、ピカソは他のどの画家よりもたくさんの作品を世に残したと言われてます。

「不」を捉えることが一発でできたらラッキーでしょうけど、現実そんなラッキーが一発で得られるほうが稀です。
エジソンが電球を発明するのに1万回も失敗を重ねたことは前述のとおりですが、エジソンは「1万通りのうまくいかない方法を発見した」と言ってます。
つまり、1万回の挑戦から学んだ結果の成功ということです。

要するに、大きな成功を手にするには、たくさん挑戦することが必要なのです。
これはただの根性論ではなく、不確実性に対峙する有効な方法です。

これはエジソンやピカソなどの時代に限った話ではなく、今の時代においても有効な方法です。
アップルやテスラが何回失敗したかは知りませんが、スタバにしろネトフリにしろ、創業者のみなさんには例外なく情熱があります。
その情熱が繰り返し「よりよい解決策」を提案し続ける原動力となり、その結果、ビジネスが大きく花開いたことはまぎれもない事実です。
(無論、情熱さえあればよりよい提案ができるというわけではありません)

そんなわけで、企業が大きな成功を手にするには、たくさん挑戦することがやっぱり大切なのです。
何度も挑戦するためには資金調達ももちろん大事ですが、それを含めて私は挑戦の原動力となる「モチベーション」がいちばん大事に思えます。

いつ成功するかわからない挑戦を、自分の人生の時間を賭して成功を信じて繰り返し行うには、情熱だのモチベーションだのといったことが欠かせませんよね。


むすび


20世紀の社会では目に見える「不」がたくさん散らばっていましたが、そんな時代では論理に従って実行していれば成功を計算できたのでしょう。
ですが、不確実性が高まった21世紀の現代は、これまでの論理が当てまらない成功事例が目立ちます。

たとえば、パンデミック前の世界で、同時に100人がオンラインでミーティングすることが当たり前になる時期を正確に予測できた人はどれくらいいるでしょうか?
パンデミック後の世界に最も適応できたオンラインミーティングアプリがZOOMだったのは、ZOOMにしてみればラッキーそのものです。
失敗のリスクを取ったからこそ掴むことのできた幸運です。

もうひとつ、例え話をします。
3Mのポストイットは、くっついても剥がれる糊がそのベネフィットですが、あれはそもそも「糊の失敗作」から生まれた商品です。
どこに価値があるかなんて、どこで成功を掴めるかなんて、やってみないとわからないのです。

不確実性の高い社会では予測など当てにならないから、自分たちで仮説を立てて、自分たちの強みを伸ばしつつ適応できる波をタイムリーにつかまえる、そのために挑戦を続けるのではないかと。
つまり、創造的な取り組みの重要性が相対的に高まっているのです。

  • 不確実な世の中にどう対峙すればよいか?

  • どうすればイノベーションを実行できる組織を作れるのか?

・・・そのようなご相談を私は多くいただいておりますが、成功に近づくための知識・スキルの醸成と共に、モチベーションアップのために私ができることにしっかりと取り組んでいきたいです。


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