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「自分の強みを発揮するのに、なぜ顧客理解が大切なのですか?」とお客さまから訊かれたときの話

「自分の強みを発揮するには顧客理解が大切」なことについて今日は書きたいと思います。

ここ数回、当noteで「自分ブランドづくり」の話を多めに書いてますが、自分ブランドにしても他者目線、すなわち「顧客理解」が必要です。
けど、「強み」と「顧客理解」が単純に結びつかない感じで、おそらくイメージしにくいかと…?

「強み」は自分視点で、「顧客理解」は他者視点。・・・一見すると正反対なことを言っているようですが、ちゃんと結びつきます。
今日は自分ブランドづくりの考え方のひとつとして、他者目線への取り組み方について書きたいと思います。


強みの基準は他者との比較とは限らない


お客さま企業から「自社の強みを引き出してそれを伸ばす」ご依頼をいただくことがあります。
そのご依頼を明言される機会自体は少ないのですが、多くのお客さま企業は潜在的にはどこも「自社の強みを引き出してそれを伸ばす」ことを考えています。

では、「強み」とはそもそも何でしょうか?

ここで、企業から個人に置き換えて話を進めます。

多くは「他者と比較して自分が秀でている部分」と認識されているかと思います。
間違っていないのですが、必ずしも競合他者との比較から語る必要はありません。たとえば他者から「あなたの強みってここだよね!」と言われたことはありませんか?・・・つまり、強みを引き出してくれるのは他者ということです。

詳しくは後述しますが、自分の強みを認識するにあたって、その意識を競合との比較から顧客の心理に向けることが大切なのです。
そんなときに私がよく使う手法に「カスタマージャーニーマップ」というものがあります。


カスタマージャーニーマップとは


「カスタマージャーニーマップ」とは、想定顧客の購買行動を可視化して、改善すべきポイントを見極める際に使われるツールです。
下図はカフェを例にしたカスタマージャーニーマップです。

筆者作成

想定顧客がカフェ店内でカフェの注文から受け取りまでの行動を可視化するとこのようなマップができます。
図中「アクティビティ」とは想定顧客の購買行動を示したものです。
そして、そのアクティビティの下には顔アイコンと共に「折れ線グラフ」と「吹き出し」が書かれています。
単純化すると、カスタマージャーニーマップとはこのような構成で成り立っています。

このマップを使って、カフェのサービスを改善するとしたらどこに着目すればよいでしょうか?
・・・はい、想定顧客の心理です。

図中の「折れ線グラフ」と「吹き出し」は想定顧客の心理を可視化したものです。
折れ線グラフは感情の起伏を示していて、吹き出しはそのときの心のつぶやきを示したものです。

さすがにこんなものは目に見えるものではないので、サービス提供者が「顧客目線から推察して」可視化します。
顧客目線で推察して、顧客の心理がネガティブなところを改善すればよいと考えることができます。

カスタマージャーニーマップはこのような使い方ができますが、とりわけチームで仕事するときに役立ちます。
なぜなら、チームのメンバー一人ひとりが異なる想定顧客を思い描いていては、異なる感情の起伏や心のつぶやきを推察してしまいます。
そこでマップを使えば、チームで扱うべき問題に対して共通認識を持てるのです。


自分の強みを発揮するのに、なぜ顧客理解が大切なのか?


改善すべきポイントはマップで導き出せますが、改善策はどうしましょうか?

改善策は自分の強みを発揮するチャンスと考えてください。

ここで、子供向け番組、たとえば仮面ライダーのようなヒーローもの番組をイメージしてみてください。
ヒーローがヒーローになれるのは、ピンチを救うアクションがあるからですよね。

それと同じで、顧客の心理をベースに改善すべきポイント(すなわち、顧客にとってのピンチ)を見極めたら、そこに自分ができるアクションを注ぐのです。
せっかくですからそのアクションで「強み」を発揮しましょう。

ヒーローもの番組であれば、必殺技とか出てくるシーンですけど、これは自分の強みを発揮すると置き換えて考えることができます。
言い方を変えれば、顧客のピンチが自分の強みを引き出してくれていることに等しいです。

つまり、そもそもどこで顧客にピンチが訪れるのかをわかってないと、また、そのとき顧客に何をしてあげたらよいのかをわかってないと、ヒーローにはなれないってことです。
自分の強みの発揮は顧客理解が前提にあることを認識すべきです。


むすび


顧客理解が浅い企業には、私は徹底して顧客理解を促します。
どうやって理解を深めるかは、事業者が顧客に共感することから始まります。
カフェの事例を使ったマップで示したとおり、なぜ想定顧客の感情や心のつぶやきを推察できるかと言えば、それは顧客に共感しているからでしょう。

自社(/自分)の強みを表現する際には、ぜひ「他者目線」を意識してください。
他者とは、自社の強みを受け取って幸せになる人のことです。
その人の目線から、自社(/自分)が何ができるのかを考えてみてください。

自分ブランドづくりと言っても、いちばん大切なことは自分ブランドを通じて誰を幸せにするか?をイメージできることなのです。

他者目線の認識を高める上でも、今日ご紹介したカスタマージャーニーマップは大変役立ちます。
競合他社のことよりも先に意識すべきことは、顧客目線です。


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