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四角いものが丸く見える話

今日からプロ野球のセパ交流戦が始まります。
私が応援している日本ハムファイターズは、新庄監督が現役時代にプレーした阪神タイガースと甲子園球場で対戦します。
・・・というわけで、今日は野球にちなんで、新庄監督の摩訶不思議な発言を取り上げます。

新庄監督はタイガースの岡田監督のことをリスペクトしていて、2年くらい前に岡田監督の采配に対して「岡田監督には四角いものが丸く見えている」という発言をされたことがあります。

私は新庄監督のその発言に衝撃を受けましたが、この意味、わかりますか?

今日はその言葉からの学びについて書きたいと思います。


四角いものが丸く見える


以下の図を見て、多くの人が疑いなく「これは四角形(正方形)」と見えることでしょうけど、新庄監督いわく、岡田監督にはそれが「丸い形」に見えるってことですから、まったくもって衝撃ですよ。
では、なぜこの四角形が丸い形に見えるのでしょうか?

ここで、上記が立体物だと仮定してみましょう。
それを正面から描くと「四角形」になりますが、視点を変えて真上から見て描くと「円形」になる物体を想像すれば、なんのことだかわかります。

その立体物の正体は、円柱(cylinder)です。

つまり、多くの人には四角く見えるものが岡田監督には丸く見えるってのは、他者よりも多角的な視点で事象を見れるってことになり、監督の仕事であれば相手には見えないところに手が届くような采配ができるということなのでしょうね。


企業がコンサルタントを雇うことの意義


新庄監督の発言から、私は自身の仕事について考えさせられました。

企業にとってコンサルタントを雇うことの意義のひとつには、ふだんとは異なるモノの見方・捉え方を得ることが挙げられます。

モノの見方・捉え方がふだんとは異なることが企業にとって何が嬉しいかというと、自社のルールに沿ったビジネスの見方では見えてこない強みや機会を理解することが、次の一手を講じる創造力を掻き立てることにつながるからです。

視点を変えるって意外と難しいことは、新庄監督の例え話でもわかるかと思います。だから、そのために外部のコンサルタントの力を借りるのもひとつの選択肢になるのでしょう。

そもそもの話として、すべてのコンサルタントに視点を変えてその先を描く創造力が備わっているというわけではありませんが、知識があれば視点を切り替えることも可能ではあります。


鳥の目、虫の目、魚の目


経営コンサルタントが備えている一般的な知識、クライアントの状況を診る代表的なフレームワークには「SWOT分析」「3C分析」「バリューチェーン分析」などが挙げられます。
これらは、これまで見えにくかった課題を見極めて解決策の提言につなげる際に役立つ基本ツールです。

また、視点を変えるという意味では、以下の3つの視点は分析に役立ちます。
「鳥の目、虫の目、魚の目」と言われています。

「鳥の目」とは、高いところから俯瞰してモノゴトを捉える見方です。
「虫の目」とは、細部をしっかりと捉える見方です。
これらはズームイン・ズームアウトと解釈すればよいでしょう。
さらに、「魚の目」とは、時間軸での変化を捉える見方になります。

新庄監督の「四角いものが丸く見える」は、この「鳥の目、虫の目、魚の目」で考えると、どの視点が適用されたのでしょうかね??
(どれにもピタリとは当てはまりませんが、強いて挙げれば「鳥の目」かも?)

ちなみに、デザイン思考インストラクターとしての私の場合は、自身の経験に基づく「顧客起点」の切り口から診ることを得意としていて、その見方・捉え方が付加価値を創出する源泉となっています。
要するに見方・捉え方というのは、コンサルタントの命みたいなものです。


むすび


今日は「モノの見方・捉え方」について書きましたが、新庄監督が岡田監督へのリスペクトを表現するにあたって「四角いものが丸く見える」と喩えたのは、最高の賛辞に思えます。

要するに新庄監督は、「相手の戦術を上回る発想が出てくる岡田監督は凄い!」ってことが言いたかったのでしょうけど、視点を変えることが監督が備えるべき創造力を高めていることは想像に難くありません。

コンサルタントとして学ぶべき新庄監督のひと言です。

今夜の「阪神vs.日本ハム」、試合開始時に岡田監督は新庄監督とハイタッチするでしょうかね??(笑)


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