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ビジネスに必要な創造的思考力をつける話

私にいただくお仕事のほぼすべてが、いわゆる「思考法」と呼ばれるものを扱うことなのですが、その中でも特に多いのが、アイデア創出の方法といったような創造力を高める思考法についてです。

今日もたまたまそのような仕事のために資料を整理していたので、今日はビジネスに必要な創造的思考力について、簡単に書き留めておこうと思います。



そもそもなぜ、ビジネスに創造力が求められるのか?


創造力を高める取り組みがビジネスに貢献できる理由ですが、これはざっくり以下の3点かと思ってます。

  1. イノベーションの促進

  2. 問題解決力の向上

  3. 従業員のエンゲージメント向上

で、特に1.と2.ですよね、どうやって取り組めばよいか?!と取り組みに具体性を求められるわけです。
DX(デジタルトランスフォーメーション)といったバズワードも、表に見えるところは「IT化」ですけど、裏っ側には上記1.と2.の取り組み方がわかってないと実際にDXを推進することはできません。

なお、3.については、エンゲージメントを高めるためのいくつかの切り口のうち、創造的な取り組みが貢献できるのはおそらく「自己効力感の向上」とか「コラボレーションの強化」とか、そいうったことでしょう。

創造力が高まることで上記3つの効果を得られるというのであれば、創造力がビジネスに重要なエッセンスであることをご理解いただけるかと思います。

以下、「1.イノベーションの促進」を中心に話を進めます。


創造的な取り組みにも論理性は有効


前述のとおり、ひと言に「創造力」と言っても、私にはその具体的な方法が求められます。

創造力と対比して使われる言葉には「論理性」などが挙がりますが、私にしてみればそれは二項対立の関係ではありません。
コレってすごく重要で、「創造力を引き上げます!」と約束しておきながらもその具体的方法がないと、限られた時間の中で私はコンサルティングの成果を出すことができないわけです。
なので、創造力を高める方法を展開する人にとっては論理性が必要になるのです。

創造力を高めるコンサルティングを実施する際には、状況にもよりますが、論理的な課題についても実際にクライアントに取り組んでいただくこともあります。
これがあると確実に前進させることができるからです。

私がたまに使う、論理性から創造性への展開でいちばんシンプルなフレームワークは、以下のとおりです。

ステップ1:分析(筆者作成)
ステップ2:創造(筆者作成)

上記のとおり、ステップ1の「分析」は現在のことで、ステップ2の「創造」は未来に向けた洞察のことです。
「鳥の目、虫の目、魚の目」という分析型の思考法を実践したのちに、この3つの目をマトリクスに並べ替えることで、今度は創造力を引き出す思考法へと展開します。

創造力を引き出す「ステップ2」のポイントは2つあります。

ひとつは、縦軸に配した「鳥の目」と「虫の目」、これで課題の粒度を調整しながらアイデアを創出することです。
課題の粒度とは、別の言い方をすれば、抽象と具体の度合いのことです。
近視眼的になりがちなところに抽象的な概念を加えれば、事業を俯瞰して見れて、それが創造力を引き出すことにつながります。

ふたつめのポイントは「魚の目」です。
時系列に情報を並べて未来を洞察するのですが、「現在と未来だけ考えればいいじゃん!」とときどき言われます。
ですが、非連続的な発展を考える力を求めているので(VUCAな時代ですから!)、あえて私は「過去」まで入れてます。
・・・これについては次のセクションで説明します。


非連続的な発展を考える力をいかにしてつけるか?


非連続的な発展を考えるにあたって、以下のスライドをご覧ください。
「歩きながら音楽を聴く」と「写真を撮る」の進化を表現しています。

破壊的イノベーションのステップ(筆者作成)

4枚に並べたスライドのうち、右上のスライドに注目してください。
ここでは、先ほどのセクションでご紹介した、縦軸の切り口である「鳥の目・虫の目」を表現していませんが、代わってイノベーションの3要素である「技術・ビジネスモデル・人にとっての有用性」から見ています。

「歩きながら音楽を聴く」事例にしても、それから「写真を撮る」事例にしても、魚の目(つまり時間軸)で過去から現在、未来と並べて見たときに、非連続的な発展があることが理解できます。
その非連続的発展の要素が「技術・ビジネスモデル・人にとっての有用性」に顕れるわけですが、「創造性」という点から見ると特に大事なのが「人にとっての有用性」です。

なぜ「人にとっての有用性」にウェートを置くかというと、結局は人に行動変容を起こさせない限り、世の中に変化を起こすことはできないからです。
もちろん「技術」も「ビジネスモデル」も重要で、そこから人に行動変容を起こさせることも多々あります。サブスクで購入意欲が高まることもありますし。

ですが、技術とビジネスモデルについては論理的思考力を中心に新しいことができても、「人にとっての有用性」を考えるにあたっては創造的思考力を働かせない限り、解をつくることはできません。
そんなわけで、「人にとっての有用性」は大事であるにも関わらず、その具体的な取り組みが不明瞭なのでなかなか手つかずになりがちで、それ故に私にお仕事があるものと思ってます。

このようにして、比較的取り組みやすい「論理性」のところから出発して、最後はイノベーションにつながるアイデアを創出していただく、そのような取り組みを展開しています。


むすび


蛇足ながら、今日は私のコンサルティング技法をご紹介させていただきました。

前回のnoteでは「無料セミナーを全然やってない!」ことを私自身の反省材料としていましたが、今日のような話をちゃんと動画なり本なりにして、無料でご提供できることを検討しています。

でも、こんな感じに理論だけ書いていては「無料=低関与 → 役に立たない」となってしまうので、有料でやっているお仕事と同等に力を入れて、顧客の関与を引き出すコンテンツを無料でも出せるように継続して検討します。


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