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恋に落ちるって、世界で一番怖いことかも知れない

皆さんが今まで経験した中で、最も怖かったことはなんですか?

もし僕が同じ質問をされたら、こう答えると思います。

「恋に落ちること」

恋に落ちるって、凄く怖くて、危険な経験だと思います。
落ちていくのが自分一人だと分かった瞬間は特に、世界が崩れていくような、そんな感覚になっていきます。

恋に「落ちる」とはよく言ったもので、落ち始めると、自分ではコントロールができなくなるんです。今まで自分で操縦していた自分の人生が、羽を捥がれたかのように、ただただ落ちていくんです。


僕はまさに、そんな気持ちを抱えて、この恋文を書いています。


愛は選択である、という言葉があります。
誰を愛すのか、どのように愛すのか、はすべて自分の選択なんです。
はたまた愛さない、という選択もあります。選択をしないことも選択のひとつであるという、実存主義の考え方です。


けれど、恋となると、どうでしょう。
すべて自分の選択・・・という訳にはいかないことが多いと思います。
誰を好きになるとか、いつ好きになるとか、そんなことは誰にも分からないんです。
気付いたら好きになってしまったってことの方が多いと思います。

僕だって好きになるつもりで会った訳ではないし、
好きになったら好きになったらで、相手が転勤で付き合えないと言われたのも、最早自分がコントロールできる範疇じゃない・・・
それでも、一度好きという感情に気付いてしまったら、もう止められないんです。
坂を転がり始めた石が、底に着くまで、もう止められないんです。


好き・嫌い・会いたい・憎い・・・
感情の起伏が激しくなり、自分でもどうしたらいいのか分からなくなる。

今の自分の気持ちを表そうと思っても、言葉が邪魔をしている。
でも、きっと言葉にできないことって、あってもいいのかなとも思う。

言葉もそうだけれど、写真だったりって、ひとつの道具だと思うんです。
道具にしてしまったら、何だか自分の気持ちが、”形あるもの”に思えてくるんです。
形あるものは、皆平等に時間と共に朽ちていき、過去になると思えて仕方ないです。
だから、あえて写真は撮らなようにしています。思い出に留めているままのほうが、永遠を感じるからです。
言葉にしない方が、ずっと残るような気がするからです。


いつも通り、話が二転三転していますが、ここで私の恋文の本題に入ろうと思います。

先で、”永遠”という言葉を使いましたが、皆さんは永遠を信じていますか?

僕は最近、哲学の勉強を始めていて、とある哲学者の言葉に出会いました。
ヘラクレイトスという哲学者が言うに、「万物は流転」する、とのことらしいです。
ヘラクレイトスは人生を川に例えてこう言いました。
「同じ川に入っても、同じ水に出会うことはない。」
つまり、人生は変わり続けるものであることを言っています。
人生に普遍はというものはなく、唯一普遍があるとするのならば、「この世にあるものは変わり続ける」のだそう。


時間が経てば自分の考えも変わる、人生のステージが変われば大事なものも変わる、歳を取れば友達も変わる。

きっと僕も、時間が過ぎれば、今の好きな人を忘れて、新たに好きな人を見つけると思う。

寂しく、残酷なことに、僕も時間を経れば変わっていくし、今の自分の感情も、きっと過去になる。

どうせ過去になるのであれば、せめて美しい過去にしたい。
今一緒に居れる時間を精一杯楽しんで、出会えて良かったと思えるようになりたい。
好きになって良かったと思えるようになりたい。
好きだから一緒に居たいとか、自分のものにしたいとか、そんなことは考えずに、
好きにさせてくれてありがとう、こんな気持ちにさせてくれてありがとう、
そう言えるような時間を過ごしたいと思う。

きっと今の僕は、好きな人のために、精一杯できることをやっている。
時には尽くしすぎてしまったり、寝れない夜が増えたり、お酒が増えたりすることもある。
その気持ちと行動が報われないことを分かっていても、気持ちを止められずにいるのだと思う。


とても辛いし、しんどいこと。

その気持ちが叶う日は来ないかも知れない。
自分の成長に繋がったなんて、言えないかもしれない。
でも、誰かを好きになることは、素敵なことで、奇跡だと思う。

誰かを好きになるってことは、自分の心を相手にあげることに等しい気がする。
それは、とても怖く、勇気の要る事で、誰にでもできることではないし、誰にでも起きることではない。

そんなことを考えながら、この恋文を書いています。
自分に言いかけせるかのように、書いています。


きっと間違ってはいない。嘘偽りもない。出会ったタイミングが悪かっただけ。
今はそう思えないけれど、いい思い出だったねと、言える日がくることを願っています。



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