チューブラーホイールを買ってはならぬ

僕はかれこれ10年以上前にロードバイクを買い、通勤等に使っています。特にレースに出ることもなく、ただの移動手段だったので、パーツやら何やらは最低限を交換しながら基本的に買ったままの状態で乗っていました。ところが何を思ったか、ちょっといい部品を使ってみたいという気分になり、簡単に交換できそうなフロントホイールをネットで買ってしまいました。いい部品を使いたいと言っても出費をできるだけ抑えたいので楽天で見つけた中古品を購入しました。ハブは一昔前か二昔前のデュラエースで、価格10000円以下だったので結構お得なんじゃないかなと思っていたのですが大きな勘違いでした。何が勘違いだったかというと、タイトルの通りなのですが、チューブラーホイールだったわけです。

購入したホイールには一応タイヤがついたままでしたが、表面はヒビだらけで素人目に見てもそのまま乗り続けるのは危険そうな代物で、空気を入れても一晩すれば抜けてしまう状態でした。流石に中古タイヤをそのまま使えるとはそもそも思っていなかったので、ロードバイク本体の整備も兼ねて、フロントタイヤを買った中古品に付け替えて、近くの自転車屋に向かいました。そこでタイヤの交換もお願いをしたのですが、なんとそのお店ではチューブラータイヤの交換の取扱をしていないと言われ、断られてしまいました。お店の人曰く、チューブラータイヤの交換には専用のテープが必要らしいのですが、そのテープをこれまで製造していたミヤタという会社が少し前に製造をストップしてしまったらしいのです。なんともトホホな状況なのですが、対応してくれた店員さんが知る限りチューブラーホイールをそのお店に持ち込んで来たのは僕が初めてのケースで、それくらいチューブラーホイールを使っている人は少なくなっているそうです。その話を聞いて自分でもネットで調べたのですが、今のところ一番普及してるのはクリンチャーホイールで、最近はチューブレスやチューブレスレディが数を増やしているようです。それぞれのホイールの違いを知らない人は一度調べてみるといいと思います。僕は調べて初めて違いを理解しました。何事も自分で勉強するのが大事ですね。

さて、自転車屋でのチューブラータイヤの交換を断られた訳ですが、10000円近くお金を出したチューブラーホイールを使わないという選択肢は無いので自分でタイヤ交換をすることにしました。ネットでホイールの種類を調べる中で、自分でチューブラータイヤを交換する方法も見つけ、チラッとみた感じだとそんなに難しくなさそうだったからです。結果から言えば自分でタイヤ交換を出来ました。交換したあと20kmほど乗りましたが、特に問題はなかったので、おそらく無事にタイヤ交換を成功させたと思います。また、交換作業も難しいところは特にありませんでした。ただし、難しくはなかったですがめっちゃ大変でした。労力がかかります。出来ないことはないけど、めっちゃ大変。よってチューブラーホイールを買ってはならぬ、という結論になったわけです。何が大変だったかについては、チューブラータイヤの交換手順に触れながら下に書きます。ここまで読んで、チューブラーホイールのタイヤ交換をすることはないだろうと思った人は、時間の無駄なのでもう読むのを止めて大丈夫です。新品のチューブレスやチューブレスレディのホイールを買って、お店の人にタイヤを交換してもらって、ハッピーな自転車ライフを楽しみましょう。僕も次に買う機会があればチューブレスレディとかにしようと思ってます。

さて、チューブラータイヤの交換がどんな感じだったかというと、僕の場合は、購入したホイールにすでにタイヤが付いていたので、まずはこのタイヤを外すところからスタートしました。調べてもらうと分かるのですが、チューブラーホイールにタイヤを取り付ける際、リムとタイヤをリムセメントという専用の接着剤か、両面テープを使って接着させる必要があります。僕のホイールはリムセメントでタイヤを接着していたものだったため、リムセメントでの接着面か引き剥がすようにタイヤを取り外しました。タイヤのひび割れ状態が物語っているのですが前の人がタイヤをリムセメントで接着してからかなりの時間が経過していたため、リムセメントが劣化しておりタイヤを外すのは特に何の苦労もありませんでした。ただし、ボロボロとリムセメントがこぼれ落ちてきたため、外で作業をするべきでした。

次の作業ですが、リムにくっついているリムセメントを剥がす必要がありました。リムに新しいタイヤを装着するときは、リムセメントをきれいに取り除かないといけないそうです。最終的にはリムにタイヤを接着させるわけですから、接着する表面から不要なものを取り除くのは当たり前ですね。リムセメントを剥がすためには専用の溶剤を使った方がいいということで、アマゾンでリムセメントクリーナーを購入しました。以下にアフィリエイトのリンクを貼っておくので、クリーナーが必要な人は踏んでください。リンクを踏みたくない人は、リムセメントクリーナーで検索すればすぐに同じものが出てくるので、それを買うといいと思います。

タイヤを取り外した後ですが、リムにはセメントがガッツリこびりついていました。クリーナーを使うとは言え本当に取れるのかと思ったのですが、やっぱり全然取れませんでした。何度もクリーナーを塗ってクロスでゴシゴシと拭き取ろうとしましたが、セメントがガチガチに固着しており全然取れませんでした。20分ほど頑張りましたが表面が湿っぽくなるだけで、取れる気配が全くなかったので、工具箱に入っていた金属ボルトを使ってセメントを削り取る方法に切り替えました。なんとか少しずつリムセメントが削れ始めました。この方法は下手をするとリムを傷つける恐れがあるので、お勧めしません。

茶色の部分が固着したリムセメントです。クリーナーは、蓋の裏にハケがついていたので塗る作業は容易でした。


金属ボルトを使って削り取りました。繰り返しますが、リムを傷つける恐れがあるのでお勧めはしません。

なんとかリムセメントを少しづつ剥がすことに成功しましたが、この作業がめちゃくちゃ大変で、結局2時間近く作業をしました。リムセメントの削り節は大量に出るし、握力はだんだんなくなってくるし、もう二度とやりたくない作業でした。こんなことをする羽目になる可能性があるので、チューブラーホイールを買うことはお勧めしません。というか買ってはいけません。

2時間ほど頑張ってリムセメントを削り取りましたが、完全には除去できませんでした。

その後は、専用の両面テープをリムに貼りました。テープがリムに対して太めだったようで、少しはみ出てしまいました。きちんと寸法を測って買うのが重要ですね。テープを貼る時は、指の腹の部分でゴシゴシ擦るように貼るのがコツだと思います。指の先端や爪で貼り付けようとすると力は入りますが、ムラが出て非効率的だと思います。

バルブの穴のそばから貼り始めます。
バルブの穴を塞がないように注意しましょう。

テープを貼ったら、両面テープの保護シート部を少しだけ剥がして、タイヤを取り付けます。タイヤを取り付けたら、センターが出ていることを確認し、保護シートをタイヤの隙間から引き出していきます。力強く引き出すと保護シートがちぎれて残留してしまうので注意しましょう。


保護シート部分を少しだけ剥がして、リムの外側に出しておきます。
タイヤを取り付けます。タイヤを取り付ける作業もそれなりに力が必要で大変ですが、少しづつリムに収めていけばなんとかなるので頑張りましょう。
保護シートが千切れないように引き出します。

保護シートを引き出したら、タイヤに空気を入れて作業完了です。僕が使った両面テープとチューブラータイヤのアフィリエイトのリンクも以下に貼っておきます。よかったらリンクを踏んでおいて下さい。踏みたくない人は、アマゾンや楽天で、「チューブラータイヤ 両面テープ」、「チューブラータイヤ」で検索して下さい。

両面テープはアマゾンで購入し、届くまでに1〜2週間くらいかかりました。中国の住所から届いたので、やはり世間的には流通が減っているのかもしれません。ネットで見つけた記事では、建設材の両面テープを使用している人もいたので、案外なんでもいいのかもしれません。ただし、安全に関わる部分なので、自己責任でお願いします。タイヤは楽天で買いました。僕のリムは古く少し細めのものだったので、700cの幅23mmを使う必要があり、その中で手頃なものを買いました。この辺りは自分のホイールに合わせて適切なサイズを自分で探して下さい。

以上でチューブラータイヤの交換方法は終わりです。ここにタイヤ交換の方法を書いたのは、僕と同じようにどうしてもタイヤ交換をしないといけないけど、何をしたらいいかわからない人の助けになるためです。これからわざわざチューブラーホイールを購入することは決して推奨していません。ちなみに、ネットにはチューブラータイヤは乗り心地が違うみたいなことも書いてありましたが、僕には違いはわかりませんでした。素人レベルでは大した差ではないので、乗り心地を理由にチューブラーを選択することもやめた方がいいでしょう。

それでは、みなさん楽しい自転車ライフをお過ごし下さい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?