希望の資本論
書籍名:希望の資本論
著者:池上彰×佐藤優
発行所:朝日新聞出版
初版発行日:2015年3月30日
読了日:2018年10月5日
目次(コンテンツ)
第1章 ピケティからマルクスへ
第2章 一冊の本が世界を変えた
第3章 マルクス主義先進国ニッポン
第4章 「イスラム国」とコミンテルン
第5章 女性が資本主義を支える?
第6章 私と「資本論」
第7章 知性という最大の武器
第8章 さぁ、読んでみよう
本書の内容
知の巨人・佐藤優さんと、TVでおなじみ・池上彰さんの資本主義の本質と抱える問題点について対談形式で読み進める本。マルクスの「資本論」を読んでいると資本主義の限界を理解することができ、リーマンショックのようなものが起きても「ああ、これか」と冷静でいられると説く。そして資本主義の限界にどう向き合うか、対比として社会主義やイスラム金融を挙げながら論じている。
資本主義の中に入ってしまうと資本主義システムの内部で頑張ることでしか考えられなくなり、それを続けていると人間が壊れ、人々は疲れ果ててしまう。「資本論」のような難しく、しかし理屈の通ってる本をていねいに読んでると、ものごとを理屈建てて読むことが出来るようになり事柄の本質が見えてくる。そして自分が生きている社会を相対化し、自分自身を対象化する力を与えてくれる。そして人生も家族も全てお金に換算される「資本主義の論理」から抜け出る・俯瞰する力を付けることが必要だと結論づけている。
私の感想
まず本書内に多く出てくるアカデミックな言葉の意味を理解するために、下記の本を読んでおくと良いかもしれません。難しい言葉もマンガ形式で理解しやすいです。
いやぁ哲学的で難解な考察が多くなかなか頭が疲れる本でした。ただ普段考える機会のない社会主義にも触れられて面白かったです。もちろん理解できたのは触りの部分だけですが。なお中ほどの記述では左翼とか学生運動の描写については血生臭い事実も多く、読んでて辛いところもありました。
そして社会人にとって資本の論理を学ぶことは大切だなぁと。今の日本は資本の理論・資本の経営者側の論理に支配されていてかなり疲弊してるように見えるのです。労働者でも資本の知識を持っておくのは生きる上で武器になると感じますが、3巻まである「資本論」自体を読むのはかなり辛いとは思います・・・まずは上記のマンガからがオススメ(笑)。
理論が多く難しい本ですが、頑張って読み進めれば(最後の方まで読めば)、ブラック企業とか労働による健康破壊とか家族崩壊などのリアリティある話とともにお二人の話が腑に落ちます。
個人的にはAIなどテクノロジーの発達・普及に伴い資本主義はどう変化するか非常に興味があります・・・ディストピアの可能性もありますけど(怖)。
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