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花田菜々子『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』 感想

仕事に対して、自身の結婚生活に対して閉塞感を感じていた著者は、出会い系サイト "X"で出会った人にその人にあった本を勧めていき、その出会いを通じて自分の知らない世界に接していく実録私小説。

著者は好奇心が旺盛な人なんだろうなと思った。面白いと思える事、好きだと感じられる事、そういった事をしっかりと受け止めて大事にしている。だからこそ他人の素敵な所を見つけられて、その人にあった本を紹介できるのかもしれない。

私にはこの本に書かれているような体験ができる気がしない。なぜなら作者のように多くの楽しい多くの苦しいを抱えられるようなキャパは無いからだ。
そして、楽しかった苦しかったと認識するためには時間を酷く要する。認識し、言葉にするのはもっと時間がかかる。

ただ、それが故にそんな人の行動を追体験でき、自分が今面白いと思えている事にどう向き合っていけばいいのかを考えさせられる面白さにこの本の魅力はあるなと思う。

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