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エッセンシャルオイルの教科書①

皆さんはじめまして。日々ハーブについて情報を発信しているけむと申します。最近はコロナ禍で家に引きこもらざるを得ない状況が続いていますね。

家にずっと居るとイライラが募ってしまい、どんよりと気分が下がって憂鬱になってしまったり、テレワークでお家で仕事をして疲れていても休めないなんて状態になっていませんか?

そこでお家で誰でも簡単にリフレッシュできる方法がないかと考えた結果、エッセンシャルオイル(精油)を活用すればいいのでは?と思い、今回の記事を執筆しました。

しかし初めてエッセンシャルオイルを使ってみたいと思っても敷居が高かったり、専門的で扱いが難しいというイメージが先行して中々手が伸びないという方が多いかもしれません。

そこで今回は
・精油の基礎知識
・具体的な作用
・使用上の注意点

これらについて初心者向けに解説していきます。

このnoteを読んで正しくエッセンシャルオイルについて理解すれば誰でも簡単にリフレッシュできるということを学んで頂き、これからのお家時間を快適に過ごす方法の一つとして役立てて貰えれば幸いです。

エッセンシャルオイルとは

まずエッセンシャルオイルって何?という方に簡単にご説明。

結論から言うとエッセンシャルオイルとは何かというと、香りのある植物から抽出した有機化合物の総称で純度100%の天然物を指します。

これらの芳香植物に共通しているのはエッセンシャルオイルを格納している細胞がありこれを油室といいます。なので香りのある植物をもんだりすることでこの油室が壊れて中からエッセンシャルオイルが出てきて芳香を放つというわけなのです。

この精油の本来の役割は良い香りなどで虫を引き寄せて受粉させて自らの子孫を増やしたり、逆に外敵を追い払うための防衛システムという役割も担っています。

これを私達は空間の演出に利用し、例えば華やかな空間を演出するときには華やかな香りのするローズのエッセンシャルオイルを、清潔感を演出するときは清涼感のあるミントの精油を使うことで表現することができます。

ここで簡単にエッセンシャルオイルについてまとめます。

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次にエッセンシャルオイルの抽出法について解説します。

エッセンシャルオイルの抽出方法

大きく3つに別れ、ハーブの品種によって抽出方法が変わってきます。
①蒸留法
殆どのハーブがこの方法で抽出することができ、芳香植物に含まれている油室を水蒸気で破壊し、その蒸気が冷やされることで油分と水分に別れ、上澄みがエッセンシャルオイル、下の水が芳香蒸留水と分かれます。

ちなみに芳香蒸留水はハイドロラットと言う別名があり、この文字をみるとファンタジーゲームや漫画に出てくる必殺技みたいですね。

水蒸気蒸留

②圧搾法
柑橘系の精油を抽出をする際に用いられる方法で器具を用いて皮などから精油を取り出す方法です。水蒸気蒸留法と大きな違いは熱が加わらないので良質な精油が取れるという点が大きな違いです。

しかしデメリットもあり、成分が変わりやすいので冷蔵保存で三ヶ月半から半年で使い切るのが望ましいです。

③溶剤抽出法
バラやジャスミンといった繊細な香りを抽出する際に用いられる方法。石油エーテルやヘキサンなどの揮発性のある溶剤に原料を漬けてゆっくり揮発させて天然ワックス成分の移ったコンクリートを作ります。その後エタノールと合わせて蒸留して精油を取り出す方法です。

この方法で抽出されたものには微量に溶剤が残っているのでアブソリュートAbs)と呼ばれ天然のエッセンシャルオイルとは区別されています。有機溶剤は毒性が強いので皮膚などへの使用は避けましょう。

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簡単に抽出法についてまとめます。
・蒸留させて精油を採る方法→水蒸気蒸留法
・物理的な方法で精油を採る→圧搾法
・溶剤を使って精油を抽出→溶剤抽出法

続きまして香りの分類についてご紹介。

香りの分類

エッセンシャルオイルには空気に触れると蒸発します。これを揮発性といい、香りの元となる現象です。

その揮発する速さはエッセンシャルオイルごとに異なり、これも3つに分けられトップノートミドルノートベースノートに分けられます。

この蒸発する速度の差を利用してエッセンシャルオイルをブレンドすることで香りを長続きさせることができるのです。

精油の基礎知識3

さらにエッセンシャルオイルの香りにはいくつか傾向があり、以下の7種類に分類することができます。

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簡単に香りについてまとめます。
・精油成分は空気に触れると揮発して香りを放つ
・揮発する速さでトップノート、ミドルノート、ベースノートに分かれる。
・香りは大きく7種類に分かれる。

次にエッセンシャルオイルの作用する仕組みと具体的な作用について解説していきます。

精油の作用経路

エッセンシャルオイルが吸収されるときの経路は大きく3つに分かれます。

①皮膚ルート
皮膚の表面から吸収された精油成分は油に溶けやすく、皮膚を保護する皮脂に溶けて吸収され、真皮にある体液(血液やリンパ)に入りその流れに沿って身体の各部位に作用します。

②鼻→肺ルート
鼻の粘膜からエッセンシャルオイルの成分が血液に入り、肺を経由して酸素と二酸化炭素を交換する器官を通って血液に入り作用します。

③鼻→脳ルート
嗅覚から吸収された香りは電気信号として脳の中枢にある大脳辺縁系に直接届く。この電気信号が自律神経やホルモンの中枢である視床下部に伝わりさらに香りに対し記憶への照合現象が起き、香りに対して神経物質が放出される。

簡単に言うと香りを嗅ぐことで直接記憶を司る部分を刺激し、自律神経や内分泌系、身体の各機関に影響を及ぼすのです。

次にエッセンシャルオイルの作用について解説していきます。

エッセンシャルオイルの作用

たくさんの効果がありますがその中でも特に2つの作用について紹介します。

心理作用

私達人間は日々ストレスに晒されており、負荷が大きくなると以下のような状態になります。
・睡眠や呼吸が浅くなる
・ホルモンの分泌や免疫力が落ちる
・生命維持のメカニズムがおかしくなる
これらはほんの一部に過ぎませんがこれらの状態をエッセンシャルオイルの香りによって心と体のバランスを調整することで改善することができるのです。ここで2つの例をあげます。

例1)ラベンダーの香り
ヨーロッパで睡眠障害に悩まされていた患者がいてその人は睡眠薬を常用していました。そこで実験としてラベンダーの精油を数週間嗅がせた結果、なんと睡眠薬の常用をやめさせ、睡眠薬と同じ効果が発揮されました

例2)香りとイメージ
アロマテラピーでは患者に南国をイメージしてもらいながら柑橘系の香りを嗅がせることによってリラックス状態になった。という結果になりました。

次に解説するのは生理作用についてです。

生理作用

簡単に言うと身体にどんな影響を及ぼすかを専門的に言ったもので多くの効果があります。

エッセンシャルオイルには複数の効果があるので同じ精油で違う症状にも使えるということを覚えておくと良いでしょう。

ここからは多くの作用が出てきますのでゆっくりと読み進めていって下さい。

殺菌・抗菌・抗ウィルス
人にとって有害な菌を抑えたり殺したりする作用のことで
例)・イランイラン=サルモネラ菌
  ・ユーカリ=大腸菌やブドウ球菌
他にもクローブやタイム、ラベンダーなどにこの作用があります。

抗炎症
炎症を抑える作用のことです。

エストロゲン
女性ホルモンと同じ働きをする作用のことです。

肝機能促進・肝臓強化緩下(かんげ)
腸の中を緩めて排便を促進する作用のことです。

強心(心臓強化)
心臓を刺激して活性化させる作用のことです。

解毒
体内の毒性物質を中和させる作用です。

健胃
胃の不調を改善する作用のことです。

強壮
体の様々な機能や能力を向上させる能力のことです。

筋肉弛緩
穏やかに緊張を和らげる作用です。

去痰
気管支内の余分な粘液を排出して除去することです。

駆風
腸内に溜まったガスを排出することです。

血圧降下
そのままの意味で血圧を下げる効果のことです。

血圧上昇
こちらもそのままの意味で血圧を上げる効果のことです。

血液流動化・血管運動刺激
血液を流れやすくすることです。

血管収れん
血管壁を収縮させる効果のことです。

抗うつ
憂鬱な気分を明るくする作用のことです。

抗感染
感染を予防する作用のことです。

抗酸化
皮膚の老化を防ぐ作用のことです。

催淫
性欲を高める作用のことです。

催眠
眠気をもたらす作用のことです。

殺菌
細菌を殺す作用のことです。

抗真菌
真菌を殺す作用のことで代表的なものは水虫を引き起こすカンジタ菌です。

止血
出血を止める作用のことです。

収斂
組織を引き締めて収縮させることです。

消化機能亢進・蠕動運動促進
胃や腸の機能を高めて消化機能を向上させることです。

自律神経調整
自律神経の機能を正常に働かせることです。

神経強壮
アドレナリンの分泌量を増加させ、エネルギーを増進させる方法。

神経高揚(興奮)
気分を高める効果のことです。

神経刺激
神経に反応を起こさせる作用のことです。

頭脳明晰化
頭をはっきりさせることです。

制汗
汗を抑える作用のことです。

制吐
嘔吐を抑えることです。

創傷治癒
傷ついた組織を治す作用のことです。

代謝促進
新陳代謝を促進することです。

体内浄化
血中、内臓の老化物、不純物を除去することです。

胆汁分泌促進
そのままの意味で胆汁の分泌量を増やします。

鎮痙
痙攣を鎮める作用のことです。

鎮静
興奮を抑えて気持ちを鎮める効果のことです。

鎮掻痒
かゆみを鎮める作用のことです。

鎮咳
咳を鎮める効果のことです。

鎮痛
痛みを和らげる作用のことです。

通経
月経のリズムを規則的にする効果のことです。

粘液溶解
粘膜の過剰な分泌を抑えること。

鼻粘液排出
鼻詰まりを解消することです。

皮膚軟化作用
皮膚を柔らかくする効果を指します。

瘢痕形成
はんこんと読み、カサブタを助ける作用のことです。

皮膚・組織再生、弾力回復
細胞の成長を加速させて組織を回復することを指します。

防虫
虫による侵食を抑えることです。

防腐
腐敗やカビの繁殖を防ぐ作用を指します。

保温
血行を促して体温を維持することです。

免疫力向上
免疫機能を調整し、免疫力を高める作用。

利尿
排尿を促進させることを指します。

冷却
冷やして症状を鎮めること

続いて精油を使う上での注意点についてお話します。

精油を扱う上での注意点

結論から言うと植物から抽出したエッセンシャルオイルは数百種類に及ぶ化学成分が存在し、心身に働きかけてくれますが危険を伴うこともあります。

なので、それを防ぐためにまず使いたい精油のパッチテストを行うのが望ましいです。

パッチテストの方法
腕の内側にキャリアオイルで薄めた精油(1%以下に薄めたもの)を1滴塗り、30分後に肌の状態を確かめる方法のことです。

赤みやかゆみを伴ってしまう炎症が起きてしまう場合は何らかのアレルギーを引き起こしてしまうので反応が出たらその精油を扱うのは止めましょう。

次に一部の精油が引き起こす光毒性と皮膚粘膜刺激について解説。

光毒性
柑橘系の精油にある毒性でクマリンという成分と紫外線が反応して肌がメラニン色素を生成する速度を早めてしまうため、シミの原因や皮膚の色素沈着水泡などを引き起こしてしまいます。

そのため柑橘系の精油を使ったら最低4~5時間は日光に当たらないようにしましょう。

皮膚粘膜刺激
精油の原液は植物の成分が濃縮されたものなので肌に直接つけることは、皮膚がかぶれる原因となります。

特に敏感肌やアレルギー体質の肩上は十分に注意をして扱ってください。

最後に精油の取り扱い注意点をまとめます。

精油取り扱い注意点

①精油の原液は直接肌に塗ったりするものではありません。

②精油を飲んだり、点眼してはいけません。

③精油は引火しやすいので火気の周り使用厳禁。

④光毒性のある精油は紫外線と反応して色素沈着やシミなど原因となるので取り扱い注意。

⑤心臓病、血圧に問題のある方、肝臓病など医師の指示を受けている場合は担当の医師と相談してから使用すること。

⑥お年寄りや既往症のある場合不快感や異変が出た場合にはすぐに使用をやめてお医者さんに相談をしましょう。

⑦妊娠初期段階でのエッセンシャルオイルの使用は十分に気をつけましょう。

⑧3歳未満の乳幼児に使用は厳禁。3歳以上でも体重を考慮して成人の1/4の量に留めます。過敏な反応が出た場合は使用をやめて新鮮な空気を吸わせてあげましょう。

⑨合成オイルと混同して使用するのは使用してはなりません。

⑩子供やペットの手の届かないところに保管します。

⑪キャップをしっかりと締めて冷暗所に保管します。

⑫精油の消費期限(開封前)
柑橘系・・・3ヶ月から半年
花/葉から抽出された精油・・・一年以内
樹脂系の精油・・・3年以内

上記の期限は条件によって変わるので保証されません。

開封後は早めに使い切りましょう。

最後に

精油は非常に便利ですが使い方を間違えてしまうと非常に危険なものなので自己責任においてエッセンシャルオイルは正しく使いましょう。

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