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【猪犬閑話】「義清の鉄」の祖犬をたどる

本稿は『けもの道 2017秋号』(2017年刊)に掲載された記事を note 向けに編集したものです。掲載内容は刊行当時のものとなっております。あらかじめご了承ください。


↓本稿とあわせて『【猪犬トリビュート】『紀州名犬語り草』で称賛される紀州三名犬』をお読みいただくことをおすすめします。

「義清の鉄」の祖犬をたどる

著者|八木進

「紀州3名犬」のうち「義清の鉄」(写真)は現代でも語り継がれる名猪犬ししいぬであるが、当時の犬(大正8年か10年頃と、出生には諸説ある)には珍しく両親とも判明している。

義清の鉄。「鼻喰い斑玉」の直仔。「尺9寸、8貫目」の大型犬。今更説明を要しない猪猟の名犬

これは紀州犬愛好家で、「紀州犬」の名付け親である石原謙氏が著した「紀州名犬語り草」を参考としたのが定説となったようである。

ここで重要な母犬の「玉」(赤白斑から別名「斑玉」と呼ばれた)であるが、飼育者は、当時、三重県大内山村から奈良県十津川二ツ野の製材所へ職長として赴任していた岡本清作氏であり、十津川村の産(他には大内山産説もあるが)というのが有力説であった。

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