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屋久島犬シノ、モンキードッグとして活躍中

本稿は『けもの道 2018秋号』(2018年9月刊)に掲載されたものを note 向けに編集したものです。掲載内容は刊行当時のものとなっております。あらかじめご了承ください。


文・写真|佐茂規彦

本州における屋久島犬は、狩猟だけでなく獣害対策(サルの追い払い)でも活躍していた

篠山にやって来た屋久島犬シノ

屋久島犬の「シノ」(約7歳・メス)は、屋久島から遠く離れた兵庫県篠山ささやま市(当時、2019年5月より「丹波篠山市」)でサルを追い払うモンキードッグとして地域に貢献している。飼い主の清野未恵子さんはサルによる獣害対策の第一人者であり、神戸大学で教鞭を執りながら篠山市の獣害対策に携わっている。

モンキードッグとして活動中の屋久島犬「シノ」と、飼い主の清野未恵子さん。「屋久島犬を保存する上でも、猟犬としてだけでなく、モンキードッグのような活躍の場が広がって欲しい」と、清野さんは屋久島犬の保存を願って止まない

屋久島犬との出会いは、島でヤクシマザルの調査研究をしていた学生時代までさかのぼり、現地で出会った屋久島犬の愛好家からシノを譲り受けた。

シノは、屋久島犬として大切に保存されてきた血統を持つ。

清野さんは狩猟をしないため、当初、愛玩犬として迎え入れられたシノはとても人懐こく、家の中でも飼育可能で、「モンキードッグとしての出番が来るまでよく寝ている」という。

清野さんの自宅でオフモードのシノ。家の中では大人しい愛玩犬だ

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