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優れた猟犬の血を次世代につなぐ 猟能研究会の重要性と意義
本稿は『けもの道 2018秋号』(2018年9月刊)に掲載された記事を note 向けに編集したものです。掲載内容は刊行当時のものとなっております。あらかじめご了承ください。
文|網地貫
写真提供|中島猪犬訓練所
日本犬保存会とは
平成30年5月27日、三重県にある中島猪犬訓練所にて公益社団法人日本犬保存会(以下、日保)主催の猟能研究会が催された。
日保とは、明治から大正にかけて大量に輸入された洋犬種との交雑によって絶滅の危機に瀕した日本犬の純血を守るべく、昭和3年に発足された日本最古の畜犬団体である。
以降約90年間の地道な努力が実を結び、今では不動の人気を誇る柴犬を始めとして、大型の秋田犬、中型の北海道犬、紀州犬、甲斐犬、四国犬の計6犬種が天然記念物に指定され、国内外を問わず広く愛好されるに至っている。
第二次世界大戦などの幾多の苦境を乗り越えながら、その血を守り続けてきた功績には心から敬意を表したい。
猟能研究会とは
紀州犬が『猪犬の代名詞』と称されるように、古くから猟犬として使役されてきた日本犬だが、現在、日保登録犬のほとんどは猟とは無縁の『家庭犬』として飼育されながら代を重ねている。
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はたして猟犬種と呼ぶにふさわしい祖先からの血は、今も受け継がれているのだろうか。そのような疑問と反省から昭和50年代後期に猟能部が設けられ、日本犬の猟能を検証、研究し、犬質向上に活かす目的で毎年、猟能研究会が催されるようになった。
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