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クマ襲撃に町騒然、日課の犬散歩中に住宅街で襲われ男性死亡|富山県・入善町|平成18年

本記事は書籍『日本クマ事件簿 〜臆病で賢い山の主は、なぜ人を襲ったのか〜』(2022年・三才ブックス刊)の内容をエピソードごとにお読みいただけるように編集したものです。


はじめに

本稿では、明治から令和にいたるまで、クマによって起こされた死亡事故のうち、新聞など当時の文献によって一定の記録が残っている事件を取り上げている。

内容が内容ゆえに、文中には目を背けたくなるような凄惨な描写もある。それらは全て、事実をなるべく、ありのままに伝えるよう努めたためだ。そのことが読者にとって、クマに対する正しい知識を得ることにつながることを期待する。万一、山でクマに遭遇した際にも、冷静に対処するための一助となることを企図している。

本稿で触れる熊害ゆうがい事件は実際に起こったものばかりだが、お亡くなりになった方々に配慮し、文中では実名とは無関係のアルファベット表記とさせて頂いた。御本人、およびご遺族の方々には、謹んでお悔やみを申し上げたい。

事件データ

『富山新聞』2006(平成18)年10月27日(10版)
  • 発生年:2006(平成18)年10月26日

  • 現場:富山県入善町

  • 死者数:1人

富山のクマ対策を強化させた
市街地が騒然となった事件

午前6時20分ごろ、みな穂農協舟見ふなみ支所横の町道での事件。毎朝の日課で犬の散歩をしていた、前・町議で当時酒類販売業を営んでいたN(71歳)が突然、ツキノワグマに襲われた。

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728字
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