マガジンのカバー画像

猟犬と猟師のはなし 〜 第1集

26
猟犬・猪犬や猟師の世界に興味がある方におすすめ! 狩猟専門誌『けもの道』2016特別号・2017春・秋の3号に掲載された、猟犬・猟師にまつわるコラムや狩猟、競技会レポートなど計2…
このマガジンを購入すると有料記事22本(2,600円分)がお得にお読みいただけます。
¥800
運営しているクリエイター

#狩猟犬

【猪犬トリビュート】名著『紀州名犬語り草』で称賛される紀州三名犬

紀州3名犬とは?昔も現代も、イノシシ猟師にとって、猪犬は最も大切なパートナーであることに変わりなく、明治維新後社会が急速に欧米化する中でもイノシシ猟犬は、昭和の30年代ごろまで日本犬(和犬)が主体であった。但し、市街地の日本在来犬は西洋犬との雑化が急速に進み、大正末期には純粋の日本犬は山間僻地の狩猟犬として残るのみとなっていた。 一方、各方面で起こったナショナリズム(国粋主義)は日本固有の自然・生物にも波及し、日本在来犬にも保存の機運が高まった昭和の初め、各地の地犬が「日

¥150

【当世猪犬見聞録】紀州系猪犬に半生をかけた猟人

文|八木進 出頭忠康 〜 紀州系猪犬に半生をかけた猟人「紀ノ國」和歌山県は古来より「木ノ國」とも言われ、良質の檜・杉の産地として名高い。その豊かで秀麗な紀伊山地を源とする銘河川も多く、古くから川筋ごとに名猟師・名猪犬を輩出している。 中でも熊野山地の最深部を源とする「古座川」は、名紀州系猪犬の産地としてつとに有名であり、中でも上流部の支流「西川」付近から出た「古座川黒」は、特に秀でた希少な猪犬として猪猟師の垂涎であった。 茨城県鹿嶋市在住の出頭忠康氏(69歳)は狩猟歴

¥100

猪犬訓練の世界 〜 吉野川猪犬訓練所・春季合同訓練会

吉野川猪犬訓練所・春季合同訓練会全国各地にある猪犬訓練所では、定期または不定期で猪犬の訓練が行われている。一定の評価基準によって順位付けを行う競技会とは違い、訓練では、経験の浅い犬に猪の動きを理解させたり、猪に対する犬の反応を飼い主がじっくりと観察することが出来る。 犬を使って猪を獲ることの基本的な意味は、犬に猪を捜索させ、狩猟者が現場に着くまで犬が猪を止める、または射手の待ち場まで猪を追い出すことにある。 当然、狩猟者の猟法や猟のスタイルによって、個々の犬に求められる

【大会レポ】猪犬訓練の世界 〜 第六回全国猪猟犬栃木大会

文・写真佐茂規彦 猪猟師が集う社交の場平成28年4月10日、栃木県にある那須塩原|猪犬訓練所において開催された「第六回全国猪猟犬栃木大会」。 この大会は、関東を中心に活動する若手猪猟グループ「猪鹿庁」(※岐阜県のNPO法人「メタセコイアの森の仲間たち」とは別団体)のメンバーらと北関東清水犬舎が主催し、年1、2回開催されている猪犬の競技会だ。 猪猟師が自慢の猪犬を引き連れ、互いの犬の猟芸を披露し、競い合う猪犬競技会。一昔前までは全国各地にあった猪犬訓練所で盛んに行われて

【第2回】俺たちの狩猟塾 実践!見切り猟 〜 積雪は猪狩りの強〜い味方!

真冬の狩猟塾今回の狩猟塾は、積雪厳しい真冬に敢行。 雪や雨が降っている間、猪はどこか安全な場所で空腹に耐えながら天候の回復をじっと待っており、それらが止んだとき、エサを求めて一斉に動き出すと言われている。 そのときに出来る真新しい痕を探すことが見切り猟のセオリーである。だがしかし、雪が止んだとはいえ厳冬期の積雪地帯は、ヒト(=少なくとも私自身)が歩くには厳しい環境だ。残り少ない猟期……。悪天候……。私が取材日の調整に頭を悩ませていたとき、天気予報を注視していた塾長(塾)か

¥150

狩猟用GPSマーカー『Dog Navi(ドッグナビ)』に新時代到来

『ドッグナビ バージョン2』時代到来2014年秋、全国の犬持ち猟師と、彼らとともに巻き狩りに参加する猟師たちが、一様に待ち望んだ道具が登場した。それが日本初の電波法技術適合の狩猟用GPSマーカー『Dog Navi(ドッグナビ)』だ。 『ドッグナビ』は狩猟者端末『HT-01』と猟犬端末『DG-01』から成る。2014年発売当初のバージョン1は、確かに “日本初” の名に違いはないものの、多くの実猟家たちのニーズを満たすものではなかった。 しかし開発・販売元である古野電気は